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第五話 ゼラの冒険
【ニカワハリタケ (膠針茸)】
小型のニカワハリタケ属菌。秋にスギやカラマツなどの針葉樹の朽木に多数群生。 朽木でも特に腐朽が進み苔生したような古い材に発生する事が多い。 一見するとハラタケ類やヒダナシタケ類に見えるが、実際はキクラゲ類に属する種。 全体的にゼラチン(gelatin)質であり、学名も和名もこれにちなんでいる。 傘の表面は微毛状で色は灰褐色~褐色。傘が白色の物は品種(f. album)とされている。 傘の裏側は白色で円錐形の透明感が有るとげが密生し、この表面で胞子が作られる。 イボタケ科の針状の裏面とは異なり弾力が有るので触っても折れない。 この形状が猫の舌に似ている事から、「ネコノシタ」の地方名が存在する。 傘の側面に短い柄を持つ事が有るが、柄の部分にはとげがほとんど無い。 特別な味や香りは無いが食用にできる。寒天のような独特な食感が特徴的。 加熱した物を実際に食したが、硬いような軟らかいような不思議な食感であった。 味がほとんど無いので酢の物にしたり蜜をかけたりして食すが、一般的ではない。