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人類獣化計画  作者: 夜舞崎 結季
◆試練
9/28

第9話 クイズ

青い宝石が入っている木箱を開けるには鍵が必要。佳一は鍵を探すため探していると文字が書かれた紙が…。

 佳一はカエルが言っていた箪笥のある和室の部屋に入った。奥に7段の箪笥があり、佳一は下から細かく調べていった。上から2段目を開けた時、小道具がごちゃごちゃに入っている中、奥に古い木箱があった。

「これか?」

 木箱を取り出し、開け口を探すが一向に見つからない。箱を持ち上げて色んな角度から見ると、下に小さい鍵穴があった。

「フフフ…よくここまで来たな小僧」

 辺りを見回すと一台の小型浮遊カメラが佳一を映していた。

「答えを言えばその木箱の中に青い宝石が入っている。しかし鍵が無ければ開かない。見つけることができるかな?開かなければ友人は終いだ。せいぜい頑張って開けるんだな。グハハハ…」

 カメラは部屋を出て行った。

「んだよ。元からあいつ知ってたのかよ。嵌められた~」

 佳一はそう言いつつ、鍵を探した。



「う゛ぅ~」

 佳一は物が散らばったまま、いつの間にか寝ていた。カエルの粘液が乾き、動く度に海苔のようにパリパリと剥がれる。佳一は目を覚ます。辺りはすっかり明るくなり、太陽が西の方角に傾いていた。眠たそうな顔で片目を開き、太陽を見た佳一は一気に起き上がった。

「やっべ!日が沈みそうじゃん!」

 佳一は慌てて鍵を探した。しかしやはり見つからない。

「クソッ!ヒントとかねぇのかよ」

 「ヒントォオ?」

 佳一はさり気無く言った。するとその声に反応するかの様に宇宙人(アイツ)の声と共に小型浮遊カメラが登場。

「聞きたいか?鍵のある場所」

「教えて欲しいです」

「じゃあヒントを言ってやろう。しかし条件がある」

 そう簡単にくれないってわけか。

「条件って何?」

「それは……おまえの左足を獣化させるだ」

 宇宙人の答えに驚く佳一。

「左足を獣化!?」

「そうだ。まぁ時間切れ(タイムアップ)になれば、おまえも亮大(コイツ)も即獣化だがな」

「おい、ちょっと待て!俺も(獣化)なるのか!?」

「あぁ、そうだが?それとも亮大(コイツ)だけなって唯一の人間として生きるか?」

 佳一は不安になってきた。見事に宇宙人(アイツ)の思い通りになってるじゃないか。ここはまだヒントは貰わないでおこう。

「いや、やっぱまだいい。制限時間(タイムミリット)が1時間になったら教えて欲しい」

「いいだろう。せいぜい頑張ってくれたまえ」

 カメラは再び去っていった。佳一はムカツキながら再び鍵を探した。



 40分後。箪笥を前に動かしてみると一枚の紙が奥にあった。

「なんだ?なんか書いてある。鍵はここにある。ん、なんだこの漢字は?そしてEO(イーオー)って何だ?」

 紙には『鍵はここにある。燈 EO』という文字が書いてあった。全く意味不明。きっとなんかトリックがある筈。

「まず『EO』って何だ?イーオー、オーイー、いお、おえ…追え!何か追うんだなこれ!で、追う物が恐らく『(これ)』。何て読むんだ?でも追うんだから何か動く物…」

 佳一は解こうと紙を逆さにしたり反対から読んだりした結果、自分なりに分かった動く物を探した。



 20分後。残り1時間となった。佳一は家中探したが、動く物は見つからない。

「クソッ、見つからねぇじゃねぇか」

 佳一は段々焦り始めた。床はがらくたで溢れていた。

「残り1時間だ。さて、どうする?」

 浮遊カメラが再び現れた。

「ひ、左足って言ったな?」

「そうだが?」

「……」

 佳一は歯を食い縛った。きっとまだ試練(ミッション)はまだ沢山あるに違いない。ここで俺の左足が犠牲になったとすれば次は右足、体、両腕、そして顔…となると今使えば恐らくあと4回。一体この試練(ミッション)はあと何回あるんだ?

「なぁ、一つ聞いていいか?」

「ヒントが欲しくなったか?」

「いや、違う。この試練ミッションはあと何回あるんだ?」

「聞きたいか?」

 宇宙人の笑い声が若干カメラから聞こえる。

「ならおまえの左足の膝を獣化させたら教えてあげよう」

「チッ、質問もかよ」

 佳一は舌打ちをする。

「さぁ早くしないと制限時間(タイムミリット)が刻々と迫ってくるぞぉ?なんなら今回だけ質問とヒント合わせて左足でいいぞ?」

 本当はしたくない。しかし時間がない。佳一は悔しがりながら顔を上げた。

「…わ、分かった」

 佳一は承諾した。

「よろしい。獣化は終わってからだ。まずヒントを差し上げよう。今おまえは『EO』を『追え』と捉えているがそれでは一生答えは出ぬ。逆からではない。読み方は『EO(イーオー)』の順だ。『EO』を別の読み方且つ、上下だ。そして漢字はこの場では意味はないだろう。ま、強いて言えばその漢字は鍵が置いてある場所だ。残り40分、頑張ってくれたまえ」

 宇宙人はそう言うと、カメラはまた去っていった。

「う、嘘だろ。今までの時間、無駄だったのかよ!」

 佳一は愕然と両手両膝を着いた。

「EOはEOのまま?意味分かんねぇよ」

 床に落ちたくしゃくしゃの紙を拾い、再び見る。

「イーオー…えお…Eを3と見て30。サーティ…あぁ違う違う!上下はどうだ?EOのそれぞれ1個下は『FP』、えおの下は『おか』。違うな。1個上は…DN、違う。えおの1個上は…うえ、『上』か!」

 佳一はキッチンから椅子を持ち出し、蛍光灯の上を見てみると、そこには小さい鍵が置いてあった。

「これだ!」

 鍵を取り、がらくたの中に埋まっている木箱を取り、鍵穴に挿しこむ。

カチャ

「開いたぁ~」

 木箱を開けると、青く光るキラキラの宝石が姿を現した。

「よっしゃあぁぁぁぁぁ!!!」

 佳一は両手を挙げて喜んだ。

「おめでとう。試練(ミッション)成功(クリア)だ」

 宇宙人の声が聞こえると、周りの風景が突如闇と化したかと思えば、UFOの中に変わっていた。

「残り11分。では早速、青い宝石を頂こう」

 ロボットが奥から現れ、佳一が持ってる木箱を強引と奪っていった。

「確かに青い宝石は頂いた。ではおまえの質問に答えよう……試練(ミッション)は全部で10個だ」

「10個!?」

 佳一は驚いた。

「そう、10個だ。取りあえず1個はクリアだ。今日はゆっくり体を休めるがいい。おまえ専用の部屋を用意した。そこで風呂に入るなり、ゆっくり休んでおけ」

 宇宙人が言い終わると同時に奥の部屋のドアが開いた。佳一は部屋に入ると、10帖程の布団が敷いてある1ルームで、奥の部屋には風呂とトイレがあった。

「布団だけか。テレビとか携帯充電器は…流石にねぇか。ま、風呂に入って体洗うか」

 風呂の扉を開けると、浴槽のみだった。

「シャワーないのかよ。ま、お湯だけいれておくか」

 蛇口を捻るとお湯が勢い良く出てきた。

 数分後。ある程度貯まり、佳一は服を脱ぎ、浴槽に入る。

「気持ちいい~」

 肩まで浸かり、瞼を閉じる。あまりの気持ちよさに疲れが一気に取れるような気がする。瞼を開け、ふと壁を見る。

「ん?このボタンは何だ?」

 壁には黄色のボタンがあった。一体何のボタンだろう…佳一は抵抗しながらも黄色のボタンを押した。

「ピッ、wash start!」

 声が聞こえたかと思ったら、蛇口の上の壁から勢い良くお湯が流れてきた。

「うわっ、何だ、何だこれは!?」

 佳一は取りあえずコルクを耳穴に詰め込んだ。お湯はあっという間に天井に到達し、2帖程の浴室がお湯で一杯になった。

ブクブクブク…

 肺の中の酸素をなるべく減らさないよう、両手で手を押さえる。天井ではファンが回転し始め、洗濯機の様にぐるぐると回り始めた。

「や、やばい。酸素が酸素が…」

 体が水流によって動かされる度に息を吐いてしまい、段々息苦しくなってきた。

ブハッ

 息を吐いてしまい、大きい泡が出てしまい、自然と息を吸い込むかのように水を吸い込むかと思ったら、水は吸い込まず、何故か普通に呼吸が出来た。

「あれ?息出来るじゃん」

 佳一は水の中で息が出来るという不可思議な状態の中、体は綺麗に洗われた。水が浴室から無くなると、再びファンが回転し、今度は温風で体を乾かし始めた。乾きった状態で浴室から出ると、脱いだ衣服が何故か綺麗に畳まれていた。

「誰がやってくれたんだろう。なんか有り難いなぁ」

 佳一はそう思いながら、服を着た。布団に入ると、体が疲れているのか、佳一は数分後寝てしまった。

 

 そして数時間後、佳一の左足に変化が起こり始めたのだ。

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