第24話 大輝と幼馴染として再会を
「杏奈があんずちゃんなんだろ?」
大輝にそう聞かれた私は驚きと喜びが混じり合って自分でもよく分からない状態になっていた。それでも何か言わないと!そう思って何とか言葉を搾り出す。
「いつから気付いてたの?」
「何となくそうなんじゃないかって思い始めたのは尾上さんと杏奈が会ったあたりかな。それまでにもアレって思う事はあっんだけどさ。
ほら俺が高い所がダメな事を知ってたりとか」
私の質問に彼は少し苦笑いしながら答えてくれる。ちゃんと気付いてくれた嬉しさと、もっと早くに気付いて欲しかったという身勝手な想いが私の中でせめぎ合ってしまう。
それを何とか抑え込んだ私は平素を装って大輝と話を続ける。
こうなる事は分かっていた事じゃない。
最初に大輝に会った時に素直に久しぶりって言えば良かったのに。でもそうしなかったのは私なんだから。そう私は大輝と初対面を装ってしまったのだ。だって私の事に気付いていない大輝を見てつい思ってしまったから。
『大輝に自分から気付いて貰いたい』
そんな自分勝手な想いで始めたてしまったことなのに中々気付いてくれない大輝に文句を言うのは間違っている。
でも彼が気づいてくれた事でどんどんその身勝手な想いが膨らんでしまう。
だってずっと彼の事を想っていたんだから。
私は1日だって忘れた事はない。
だから大輝を見つけた時に私がどれだけ嬉しくて仕方がなかったか。
「10年ぶりくらいだろ?あの時と変わり過ぎてて気付けなかったんだよ」
「私は最初っから大輝だってすぐに気付いてたんですけど?」
それなにの大輝が変わりすぎて気づかなかったなんて言い出したのでつい私は言い返す。
そう言えばあの時の大輝は私の事を年上だと勘違いすらしていたのだ!
あの時は思わず笑ってしまったが後からやっぱり私の事なんて忘れているんだと悲しくなってしまった事を思い出す。
「よく俺だって分かったよな」
その言葉を聞いたとき私が抑えていたものが溢れてしまった。そうなるともう止めるこのなんて出来ない。私は大輝への想いを全て吐き出してしまっていた。
ずっとあなたに会いたかったんだよ。
ずっとあなたのことを考えていたの。
ずっとずっと大輝だけが私の特別だった。
私は目から涙が溢れてもその想いを止める気なんて無くなっていた。もう抑える事なんて私には出来なかったのだ。
私はこれまでの不満を込めて彼の胸に頭を押し付けてしまう。そんな私の不満を受け止める様に大輝は優しく頭を撫でてくれる。
そんな彼だからつい甘えてしまうのだ。
やっぱり大輝は変わっていない。
私が泣いていた時に慰めてくれた時と同じで優しい彼のままなのだ。
私はそれが嬉しくて涙で酷いことになっているのも忘れて彼に笑いかけていた。
こうして私はようやく彼の幼馴染として彼の初恋の人として10年ぶりに再会することができたのである。




