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第17話 やっぱり中城先輩は○○

「ねぇ!次はあれ乗ろうよ!」

「いいね!千代さんも行きましょう!」

「そんな引っ張らなくても分かったから!」


尾上さんはちょっと嫌そうな顔をしているが、やたらとテンションの高い久慈川と姫川から逃れられない様で連れて行かれている。


「あんな尾上さん見るの初めてだな」

「そうですね。でもいつも振りまわす方なので偶には良いんじゃないですか?」

「それもそうだな」


俺達は顔を見合せて笑ってしまう。

杏奈の言う通り偶には振り回される方の気持ちを味わって貰うのも悪くないかもな。


「ほら!イチャついてないで杏奈も早く!」

「イチャついてません!」


そんな俺達を久慈川がからかってくる。


「もう!それではちょっと行ってきますね」

「はいよ!気を付けてな」


そう言って杏奈は久慈川の方に歩いて行った。杏奈が近くに来ると久慈川は抱きついて何やらじゃれついている。ほんと何をやってんだか。


「いやぁ可愛い子が4人も揃うと華やかで良いな!」

「何おじさんみたいな事を言ってるんですか」

「なんだよ。事実を言っただけだろ?」


後ろから中城先輩がそんな事を言うので俺は呆れてしまったが本人は気にしていないようだ。

あれからあっという間に日程が決まり、こうして5人で遊園地に来ている。


「それにしてもオガはいつの間に仲良くなったんだ?」

「何というか言うか、この前たまたま会った時にちょっと話して意気投合したんですよ」

「なるほどね!」


俺は詳細をボカシながら経緯を説明する。

あなたの愚痴で意気投合したんです!とは流石に言えないからな。


「それで、さっきのが例のギャルか?」


中城先輩は杏奈の方を見ながら確認してくる。


「ですね。でも学校じゃそれ隠してるんで言わないで下さいよ」

「分かってるよ!心配すんな!」


自信満々で俺の肩を叩いてくるがイマイチ信用出来ないんだよな。あと力強いんで肩が痛い!


「何か女子と遊園地来るなんて初めてだからテンション上がるわ」

「そうなんですか?意外なんですけど」

「そうか?そんなもんだろ」


中城先輩の言葉に俺は思わず驚いてしまったがよく考えれば前に俺が遊園地に行った事にめっちゃ嫉妬してたなこの人。それに姫川が友達いないとか言ってたな。あの時は半信半疑だったがどうやら本当みたいだ。


女性陣は俺達を置いてアトラクションに乗りに行ったので今は俺と中城先輩しかいない。

いい機会だと思って俺は色々聞いてみることにした。


「海で女の人と腕を組んでるの見たんですけどあれ誰ですか?」

「何だよ!見てたのかよ!あれは同じゼミの子が足を挫いたから付き添ってたんだ」


なるほどね。嘘を付いている感じは無さそうなので本当なんだろうな。


「因みにあいつ男だからな」

「そうなんですか?」

「おう!見た目が女子っぽくてよく間違われるんだけどちゃんと付いてる」


ナニがとは言わないがちゃんと付いてるのか!

てか俺は見てないから分からないが姫川が女子と間違う位だから相当なんだろうな。それで男とか一度見てみたいもんだ。


「姫川とは家が近所なんでしたっけ?」

「そうだな。親同士が仲良くて小さい頃からしってるんだよ」

「そうなんですね。あれですか妹みたいな感じなんですか?」

「まぁそうだな」


何やら歯切れが悪くなったと感じるのは気の所為だろうか?そんな事を考えていると


「妹みたいに思ってるから困ってるんだよ」


そう言って中城先輩が俺を見てくるのだが俺は驚きで言葉が出てこなかった。そしてそんな俺を見た中城先輩は確信したように言う。


「やっぱりそうか。たぶん聞いてるんだろ?」

「気付いてたんですか?」

「まぁあれだけアピールされればな」


中城先輩は姫川のアピールを思い出しているのか苦笑いしている。まじか!まさか気付いているとは思ってもいなかった。


「気付いてないと思ってますよ」

「まぁ実際そういうフリをしてたからな」

「なんでそんな事したんです?」

「ほんと妹みたいに思ってたから傷付いて欲しくなかったんだよ」


そう言うと中城先輩は今まで見たことないような優しい目をしていた。それだけで姫川の事を大切に思っているのが分かる。


「まぁでもそれで傷付けてたんじゃ話にならないけどな」

「どういう事です?」

「実はオガにめっちゃ怒られた。大切ならちゃんと傷付けてやれって。じゃないと一生物の傷になるからってさ」


俺は何も言うことが出来なかった。

言葉が出てこなかったという方が正しいかもしれない。


「すまんな。色々と心配かけたみたいで。

それもオガにめっちゃ怒られたわ」

「いや、全然ですよ。何か俺の方こそすみませんでした」

「なんでお前が謝るんだよ」


中城先輩はそう言うと笑いながら俺の頭を乱暴に撫でてくる。


「まぁ今はまだ知らんぷりしといてくれ。

こっちでちゃんとやるから」

「分かりました」

「それでその後はお前らに任せていいか?

俺が言うことじゃ無いかもしれないけど」

「その時は任せて下さい」

「頼むわ!」


そう言って笑う中城先輩を見て俺はこの人には一生勝てないんだろうなと思った。もちろん尾上さんにもだ。そしてこんな人達みたいになりたいなとも思うのだった。

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