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第8話 ギャルが色々奪っていった

「まさか、また()()()()()()を聞けるとはねぇ」


目の前のギャルはとても楽しそうに笑っていた。

その笑顔を見ながらやっぱりどっかで見たことがあるなぁとなんて思ったのだが全く思い出せない。

まぁこればっかりは仕方ない。


「でもよかった。今日はいてくれて」


そう言いながらギャルは俺の隣に座って来たのだ。前回の様にベンチの端ではなく俺の座っているすぐ隣に。

その瞬間、コインランドリーに漂う匂いとは明らかに違う甘い匂いがして俺は身体を硬直させてしまった。

ギャルってめっちゃいい匂いがする!

そんな気持ちの悪い事を考えてしまい、そんないい匂いのするギャルがすぐ隣にいると言う事実にどうすればいいのか分からなくなってしまったのだ。


俺はギャルの方を見る事ができず、乾燥機を直視していた。回る洗濯物を見ていたらいつものコインランドリーにいる事を思い出すことができ、少し緊張が解けるような気がした。


少しだけ余裕が出来たのでチラッとギャルを見ると俺の顔をガン見していた。思いのほか顔が近くにあり、俺はまた固まってしまったのだ。

そんな様子を見ていたギャルは例のいい笑顔をみせるのである。

やっぱり見たことあるなぁと思いながらギャルの方を見つめていると、


「めっちゃ見てるくね」


と少し挑発するように言われてしまった。

その言い方が何だか前回の事を思い出させて、さっきまでの緊張が嘘のように俺はギャルに話しかけていた。


「そっちの方が見てるじゃないですか?

そんなに見られたら俺も見て良いのかなってなりますよ。」


俺は何とも気持ち悪いことを口走っていた。

しかし不思議と後悔はなかった。

ギャルは笑いながら


「確かに!私が見てるんだからそっちも見る権利はあるよねぇ」


何て言いながら嬉しそうに俺の顔をガン見してきた。

何だこれと思いながら俺は気になる事を聞いてみることにした。

何故かもう緊張はしなくなっていた。


()()()って言ってましたけど、もしかして昨日もここに来てたんですが?」

「もちろん!昨日もその前の日も来てたし!」


ギャルは当たり前と言わんばかりに胸をはって答えてくれた。

なるほど俺が来なかった2日間ともここに来てたのか。

べつに俺に会いに来ていたと言われた訳ではないのだが何だか申し訳なくなり


「何だかすみません。昨日もその前の日も洗濯物が少なくてこなかったんです」


俺もギャルもコインランドリーに来ているのだ。お互いに会いに来ている訳ではない。

にも関わらず俺は言い訳の様な謝罪をしていた。


「大丈夫だよー!別に約束してたわけじゃないからさ」


そう言いながらギャルは俺を下からのぞき込んみながら上目遣いで呟いたのである。


「でもちょっと寂しかったかな?」

「あざとい!!!」


俺は思わず叫んでしまっていた。

俺の叫びを聞いたギャルはきょとんとしたあと頬を膨らませながら、


「確かにあざとかったけどさぁ!そんなに力強く言わなくてもよくない?」


と言いながら分かりやすく不満を表明してきた。それもあざといなぁと思いながら。


「今まで生きてきた中で1番あざとかったです。因みに2番は初めてあった時の上目遣いです」


気が付けば俺はそんな事を言っていた。


「両方とも私じゃん!」


そう言いながらギャルはとても楽しそうだった。


「前回は心の中でめっちゃ叫びましたからね。

声に出さなかった自分を褒めたいです。」

「いや今日は声にだしてたじゃん。

前も我慢したんなら今日も頑張ろうよ!」


そう言いながらギャルは俺の脇腹を指先でつついてきた。

うーん!その仕草もあざとい!そう思ったが今度は声には出さなかった。

何故ならこのスキンシップにクラクラ来て声を出せなかったからだ。

女性に1番クラクラきた瞬間かも知れない。

このことは一生誰にも言わないでおこう!

性癖の暴露みたいで気持ち悪すぎる。

いや俺にそんな話ができる友達がそもそも居なかったな。


因みに2番目にクラクラきたのは隣にすわったとき匂いを感じた瞬間である。

なんだか余計に変態さに磨きがかかってしまった事実から目を背けたくなる。

しかし、今日だけであざとさ1位と2位だけでなく、クラクラっときた1位と2位も俺から奪っていったのだ。ギャルおそるべし!


この頃には突然現れた時に感じていた緊張など無かったように俺はギャルと普通に話が出来ていた。

一瞬、俺って実はコミュ力高いのでは?何て思ってしまったが多分、いや絶対違うんだろうな。恐らくギャルが話しやすい雰囲気を作ってくれているのだろう。

高度過ぎて俺には分からんが、そうでないとコミュ力が低いうえに拗らせている俺が普通に話せている事の説明ができない。

自分で言ってて悲しくなってくるが。。。

そんな事を考えているとギャルが


「てか何で敬語?まだ緊張してる?」


とニヤニヤしながそんな事を言い出した。

俺は何言ってんだこいつ?と思った。


「最初は緊張してましたけど今はもう緊張してませんよ。敬語なのは、お姉さんが俺よりも年上だからです」


俺だって年上には敬語くらい使える。

緊張していないのも本当だ。

年下だからとあんまり舐めないでもらいたいものである。


だがギャルはポカンとしていた。

俺はその顔を見て、あれ?年上じゃないのか?

と不安になってきた。


「だってお姉さんすごい大人っぽいですし。

絶対俺よりも年上なんだろうなと。。。」


俺は思っていた事を伝えたが、不安になり過ぎてだんだん声も小さくなってしまった。

そんな不安でオロオロしていた俺の様子を見たギャルは、例のいい笑顔になったかと思うと、俺の頭を撫で始めた。

突然の事に俺が固まっていると、ギャルは嬉しそうに


「そうだね!私の方がお姉さんだしねぇ。

うん!うん!少年は可愛いなぁ」


そう言って俺の頭を撫で続けた。

俺は子供扱いされているようで何だか恥ずかしくなって、ギャルから頭を遠ざける。


「もういいでしょ!恥ずかしいんでやめてください。」

「えぇ!いいじゃん!減るもんでもないし!」

「俺のライフが減っていきます!」

「少年は恥ずかしがり屋だなぁ」


そう言いながらギャルは楽しそうにケラケラ笑っていた。


ギャルの楽しそうな笑い声を聞きながら、こういう事を平気で出来るのは、やっぱり年上だからなんだろうなと思い、年上のギャルに頭を撫でられた恥ずかしさを誤魔化す為にそっぽを向いてしまった。

そんな俺を見てギャルは、またケラケラ笑いながら


「やっぱり少年は可愛いなぁ」


何て言いながら俺の頭を撫でてきた。

その声色と撫でる手つきがとても優しくて、さっき感じた甘い匂いに包まれているようで、この手を振り払う事は、何故だかしてはいけない事のように思える。

そして俺はその手から逃げることが出来なくなってしまい、しばらくの間ギャルに頭を撫で続けられるのだった。


ゴウンゴウンという乾燥機の音が響く中、俺はギャルに頭を撫でられている。

コインランドリーという日常でありながら非日常を感じさせる空間で。

ここには俺とギャルしかいない。

その事実が余計に非日常を強くする。


顔が熱いのはコインランドリーのせいだと思いたい。

耳まで熱いのもコインランドリーのせいに決まっている。

この甘い匂いもコインランドリーにせいに違いない。


そう思わないと俺は恥ずかしさでどうにかなってしまいそうだった。

初投稿になります。

完結目指して頑張ります。


ブックマーク、いいね、コメントしてもらえると嬉しいです。


宜しくお願いします!

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