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第7話 清楚美人と天国と地獄

「いやぁ遊んだ遊んだ!」

「ビーチバレー面白かった〜!」

「桃子ちゃんも上手でしたね」

「でしょ!!初めてだったけど楽しかった!」

「ふふっ、それはよかったです」


無事に水着のお披露目と俺の懺悔も終わった俺達は存分に海を満喫したあと用意していたレジャーシートの上で休憩をしている。


「そろそろ昼飯にするか?」

「いいねぇ!私焼きそばがいい!」

「やきそば食べたい!」


俺の提案に久慈川が手を挙げながら主張するのだが桃子もそれに乗っかる。やはり思考回路が似ている2人は食の好みも似ているようだ。


「それじゃあ俺が買ってくるから食べたいもの教えてくれ」

「さすがお兄ちゃん!」

「大輝やっさし〜!」


荷物があるから全員で動く訳にはいかないし、女子だけで買い出しに行かせるのも気が引けるので俺が行くことにした。桃子がいれば流石にナンパされる事もないだろうしな。俺がそれぞれの食べたいものを聞いていると


「私も一緒に行きますよ。1人だと大変でしょうから」


杏奈がそう言って手伝いを申し出てくれた。

正直5人分はキツイと思っていたので、俺はありがたくその申し出を受け入れる。


「焼きそばが3個と飲み物が3つですね」

「結局全員焼きそばじゃねぇか」

「ふふっ、夏と言えば焼きそば!みたいなところはありますから」


全員分の注文を聞いた俺と杏奈は海の家に向けて歩いていた。こうやって杏奈と2人で歩くのも久しぶりなので少しソワソワしてしまう。


「こうやって2人で歩くのは久しぶりですね」

「俺も今おんなじ事考えてたよ。最近は桃子がいたりしたからな」


どうやら杏奈も同じ事を考えていたみたいで何だか嬉しくなる。ほんといつから俺はこんなにチョロくなってしまったんだか。


「何だか嬉しそうですね?」


そんな俺を杏奈はニヤニヤしながら覗き込んでくる。自分でも自覚していた分だけ余計に恥ずかしくなってくる。


「そんな嬉しそうにしてたか?」

「大輝くんは意外と顔に出てるんですよ」


杏奈にそう言われたので俺は自分の顔をムニムニと触って確かめる。そんなに嬉しそうな顔をしてたんだろうか?


「もう、何してるんですか?そんな事をしても分からないでしょうに」


杏奈が楽しそうに笑っているのを見ていると、少しくらい分かりやすくても良いかと思えてくるから不思議なものである。


「そう言えば約束してましたね」

「約束?」


杏奈が言い出した約束という言葉に心当たりがない俺は首をひねる。何かさ約束したったけ?

そんな俺を見た杏奈は呆れた顔をしたあとに


「水着、あとで大輝くんだけに見せるって言いましたよね」


そう言って俺の腕をグイッと引き寄せて顔を近づけてくると耳元で杏奈が囁いてきた。


「今から見ますか?ちょうど2人きりですし」


俺は一瞬で顔が熱くなってしまった。自分でも分かるくらい顔が赤くなっているのを感じる。

そして杏奈の水着姿を想像してしまい、不覚にも胸元を見てしまい釘付けになってしまった。

思わずつばを飲み込んだのだが、その音がやけに大きく聞こえる。何か言わないといけないのに言葉が出てこないでいると


「ふふっ、やっぱり大輝くんも男の子ですね」


杏奈がクスクス笑いながら言う。どうやら胸元を見ていた事がバレているみたいだ。ヤバい!何か言い訳をしないと!しかし杏奈の方が先に口を開いた。


「あまりにも絵理や麻由子の水着に反応が薄かったので心配になりましたが、どうやら大丈夫みたいですね」


そう言って笑う杏奈の笑みがとても蠱惑的で、俺は何とも言えない気持ちになる。なんだかどうしようもできなくて衝動のまま今すぐにでも走り出したかったのだが、杏奈に腕を掴まれているのでそれも出来ずに情けなく声にならないうめき声を漏らすしかなかったのである。


「あとでちゃんと見せてあげますから、先ずお昼を買いに行きましょうか?」


杏奈は楽しそうに俺の腕を掴んだまま歩き出したのだがその拍子に俺の腕は柔らかい感触を感じてしまった。杏奈はいつもより薄着だし何より今の俺は上半身裸なのだ。前に感じた時よりもより鮮明な柔らかさを感じてしまった俺はまた声にならいうめき声を上げるのだった。



「おかえり〜!てか大輝なんか疲れてない?」


海の家で昼食を購入して休憩場所に戻った俺を見て久慈川は困惑している。彼女の言葉通り俺は疲れていた。あれからずっと腕を組んでいた俺は杏奈の柔らかい感触を感じ続けたのだ。

あの時より柔らかさを感じていた俺の疲れ具合はお化け屋敷の時の比ではない。


「ちょっと陽の光に当たりすぎて疲れたみたいですよ。はいこれ皆さんの分です」


俺の代わりに杏奈がそれっぽく答えているが、ニコニコしているので絶対に本当の理由は分かってるんだろうな。


「ありがと。それとほどほどにしときなよ〜」

「ふふっ、分かっていますよ」

「大輝も大変だねぇ」


何やら久慈川が呆れているようだが、杏奈は楽しそうにしている。何が大変なのか分からないが気遣われているのは分かった。


「そう言えば麻由子と桃子ちゃんは?」

「あ〜桃子ちゃんがトイレに行きたいって言うから付いて行ったの」

「なるほどね」

「ならお昼は2人が戻って来てからですね」


桃子1人なら心配だが姫川も一緒にいるなら大丈夫だろう。俺と杏奈はレジャーシートの上に座って2人を待つことにした。


しかし暫くしても2人は戻ってこない。トイレが混んでるのかと思ったのだがそれにしても時間がかかり過ぎである。


「ちょっと見てくるわ」


俺はトイレまで2人を見に行く事にしたのだがその時にちょうど2人が戻ってきた。


「あっ戻って来たよ!」

「混んでいただけみたいですね」


俺達は2人の姿をみてホッとしたのだが、何やら様子が変である。手を繋いでいるのだがトボトボと歩いているのだ。俺達3人は思わず顔を見合せてしまう。


戻ってきた姫川は俯いているし桃子がそんな姫川を気遣っているのだ。


「桃子なにかあったのか?」


俺は姫川ではなく桃子に聞いたのだが姫川が口を開いた。


「智くんが、」

「智くん?」


中城先輩がどうしたと言うんだ?

杏奈と久慈川も同じ疑問を持ったのか揃って首を傾げている。


「智くんが女の人と腕組んで歩いてた」


俺は姫川の言葉の意味が分からず暫く固まってしまったのだった。

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