第6話 清楚美人と水着と懺悔
俺は楽しそうに遊んでいる人たちを見ながら、1人で寂しく浜辺で荷物番をしている。なんで1人なのかと言うと女性陣の着替えを待っているからだ。今日は男子は俺1人なのでこうなるのも仕方ない。
俺も年頃の男子なのでクラスの女子が水着になると聞いてソワソワしてしまったが、こうして1人で待っている間にだいぶ落ち着いてきたので結構的によかったのかもしれないな。そんな事を考えていると
「お待たせ〜!」
久慈川の大きな声が聞こえてきた。ほんといつでも声がでけぇな!そんな事を考えながら俺が振り返ると久慈川と姫川が手を振りながら近づいて来た。
「遅かったな」
「女子は準備に時間がかかるんだよ!」
「そうだよ!黒澤くんはほとんにデリカシーないなぁ!」
「デリカシーが無くて悪かったな」
「それでどうよ?」
久慈川はそう言ってドヤ顔で水着姿を見せつけてきた。姫川も隣で似たような事をしている。
どうやら水着の感想を言えということらしい。
まずは久慈川に感想を伝える。
「久慈川はオレンジ色のビキニが金髪に合っててるしスタイルも良いから健康的に見えていいじゃないか」
次に俺は姫川の方を見て同じように感想を伝えてやる。
「姫川は花柄のビキニが可愛らしいくて似合ってるぞ。フリルが付いてるのも雰囲気に合ってて良いと思う」
俺の感想を聞いた2人はちょっとつまらさそうな顔をしている。何だよちゃんと褒めたのに気に入らなかったのか?
「何かもっとドギマギするかと思ったのに!
思いのほかちゃんと褒められたんだけど!」
「私もビックリした!黒澤くんて人を褒められるんだね!」
2人してほんと失礼だな!特に姫川!お前は俺の事をなんだと思ってんだよ!
「まぁでも褒めらるのは嬉しいよね!」
「だね!でも水着を見て狼狽えてる黒澤くんも見たかったなぁ」
「今さら水着で狼狽えるかよ」
「ちぇ〜つまんない!」
久慈川はそう言いながらラッシュガードを羽織り出した。姫川も同じようにしている。
それを見て俺は内心ホッとしていた。
だって2人の水着姿を見て俺は不覚にもめっちゃドキドキしてしまったんだもん!俺は何とか平静を保つので精一杯だったのだ。
あまりに乱暴な言い方になるが2人とも何かエロかったのだ。久慈川は健康的なスタイルが、姫川は胸部装甲がそれぞれ強調されてほんとヤバかった。クラスメイトをエロい目で見ていたなんて知られたくない俺は必死だったのだ。
「お待たせしました」
何とか落ち着こうとしていると杏奈の声が聞こえた。その声に俺は思わず肩を揺らす。
久慈川と姫川でさえあんなにドキドキしてしまったのだ。杏奈の水着姿を見たらどうなってしまうのだろうか?
しかし見たいと思っているのも事実なのだ!
俺は意を決して振り返って、そして固まってしまった。
「どうしたんですか?」
そんな俺を見て杏奈は不思議そうにしている。そりゃ不思議だろうな。何故なら杏奈はラッシュガードをすでに羽織っていたのだ。しかも結構大きめのやつを。そんな姿を見て固まった俺の事は不思議で仕方なかっただろう。
水着姿を想像してドキドキしていた自分を殴りつけてやりたくなった。
「いや何でもないよ」
「そうですか?おかしな大輝くんですね」
そう言って杏奈はクスクス笑っている。
めっちゃ恥ずかしい!ほんと当たり前の様に杏奈の水着姿を期待して、ラッシュガードを着ている事にガッカリした自分が嫌になる。
そんな俺を見た杏奈はスッと横に来て俺の耳元に顔を寄せると
「水着、他の人に見せたくないので後で大輝くんだけに見せてあげますから」
そう言って離れると嬉しそうに笑うのだった。
杏奈にはガッカリしていた事はバレていたようだった。しかし俺はそれどころではなかった。
俺はラッシュガードの下を想像してしまったのだ。そして場から動けなくなってしまった。
完全に油断していた。見えない事の方がこんなにもエロいだなんて初めて知ってしまった。
そんなばかりみたいな事を考えていると桃子が俺の方に寄って来て
「お兄ちゃんどう?似合う?」
そう言って俺の前でクルクル回りだした。
そんな無邪気な桃子を見ていると妹の前でクラスメイトに邪な気持ちを持った自分がめっちゃ恥ずかしくなってきた。あと妹の子供ボディを見てなんか落ち着いたのもある。
「あぁ、めっちゃ似合ってるぞ!」
俺は贖罪の意味も込めて桃子の頭を撫でる。
お前の兄ちゃんは邪な男でごめんな。
急に頭を撫でられて不思議そうにしている桃子を見ながら俺は心の中で懺悔するのだった。




