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第2話 清楚美人達が家に来た

「思ったより片付いてるじゃん!」

「ねっ!何か黒澤くんらしくない部屋だよね」

「あんまりウロウロするなよ」

「「は〜い!」」


部屋に入るなり久慈川と姫川は好き勝手言いながら、俺の話なんて聞いておらずさっそく家探しを始めている。そんな2人を見ながら俺は思わずため息をついてしまう。


「ほら決まった事なんですから今さらそんな顔しても仕方がないですよ」


そんな俺の横で杏奈がそれはもう満面の笑みで楽しそうにしている。そんな杏奈を俺は思わずジト目で見てしまいそうになる。結局あのあと俺の家に行くことが決まったのだが実はそうなった1番の原因は杏奈なのである。


杏奈は最初こそ渋る俺の味方をしていたのに、久慈川に呼ばれて何やらコソコソ密談をしたかと思うとあっさり俺の家に行こうと言い出したのだ。それはもう満面の笑みだった。久々に出たよ謎の密談!ほんと何を話しているんだよ!こうして俺の意思など関係なく俺の家に行くことが決定したのである。


そんな俺の目に気付いたのか杏奈はちょっと気まずそうにしながら


「やっぱり迷惑でしたか?」


何て言いながら上目遣いで俺を見てくる。そんな顔で見られたら俺に文句など言うとこは出来なかった。


「全然迷惑じゃない。今まで人が来ることが無かったからちょっと気恥ずかしいんだよ」

「そうですか。なら良かったです。ふふっ大輝くんのお家楽しみです」


そう言って嬉しそうにする杏奈を見て俺はまぁいいかと思うのであった。ほんと惚れた弱みとは良く言ったものである。そんな事を考えながら家主にも関わらず1番最後にリビングへ向かうのだった。



「いやぁ明後日のこともだいたい決まったね」

「だねぇ!めっちゃ楽しみ!」


久慈川と姫川の2人が満足そうにしながらソファの背もたれに身体を預けたのだがその拍子にスカートがめくれてしまう。2人の正面で床に座っている俺の位置からだて見えてはいけないスカートの奥のモノが見えそうになって思わず目がそちらを追ってしまう。


「2人ともはしたないですよ。大輝くんの位置からだと見えていましますから」


しかし俺の右側で同じように床に座っていた杏奈にはバッチリ気づかれていたようで、俺の方をすごい目で睨みながら2人に注意する。杏奈に注意された姫川は慌ててスカートを押さえながら俺の方を睨んでくるのだが


「大輝のエッチ〜!」


久慈川は逆にニヤニヤしながら俺をからかってくる。くそ!久慈川に言われると何かムカつく!俺は杏奈に何で言うんだと視線で抗議するのだが杏奈はつーんといった感じでそっぽを向いてしまう。そんなやり取りを見て久慈川はますますニヤニヤを強めながら


「大輝も男の子だねぇ。そうだ場所を提供してくれたお礼にもうちょっと見る?」


何て言いながらスカートの裾をめくって脚を見せてくるのだ。俺は思わずそれに釘付けになってしまったのだが


「絵理!!」

「ごめんて!ちょっとからかっただけじゃん」


杏奈のいつもより数段低いトーンに久慈川はすぐにスカートから手を離して謝っている。そして杏奈は俺の方をまた睨んでくるのだが俺は気まずさから杏奈の方を見れないでいた。


「全く、大輝くんは海に行ったらあちこち目移りしそうで心配です」

「そうだぞ!目移りするなよ!ちゃんと私たちのナンパ避けという使命があるんだから!」


申し訳無さそうにする俺を見て呆れるような杏奈に久慈川が続く。まぁ海に行くと多かれ少なかれそういうのはあるもんな。ていうか久慈川は遊園地でもナンパされてたもんな。


「大丈夫だよ。ちゃんと役目は果たすから」

「今のままだと信用出来ませんね」

「そうだ!そうだ!」


杏奈の冷たい視線が突き刺さるし、姫川も非難の声を上げる。決して見たいわけでは無いのだが見えそうになると見てしまうのは男の性なのである。だから許して欲しいと俺は心の中で言い訳を並べてしまう。そんな俺を見て久慈川が爆笑しているのだが流石に言い返す事など出来るわけがなかったのだった。


「それにしても意外と綺麗にしてるよね」

「それ私も思った!男の子の一人暮らしなんてもっと散らかってるイメージだし」


ようやく俺への非難が和らいだ所で久慈川と姫川の興味は俺の部屋に移ったようだ。


「大輝くんはこう見えて意外と生活能力は高いんですよね」

「まじで?ほんとに意外なんだけど」

「料理も家事も上手みたいですよ」


なぜか杏奈が得意げに言うのだが久慈川にはよほど意外だったようで前のめりになっている。

姫川もコクコクと頷いている。


「何だよそんなに意外か?」

「めっちゃ意外だよ。普段は結構テキトーだから生活もテキトーなのかと思うじゃん!」


テキトーなのはお前の扱いだけだと言いたかったがちょっとは空気を読めるようになった俺は言わないでおいた。代わりに家事が出来る理由を答えておく。


「両親が仕事で忙しかったから家の事とかちょいちょい手伝わされてたんだよ」

「へぇ何か意外だね」

「ねっ!黒澤くんにも得意な事あったんだ」

「失礼なやつらだな!」


流石の俺も黙っていられなかった。しかし俺の物言いが面白かったのか久慈川と姫川もケラケラ笑っていやがる。ほんとこいつらは2人は失礼過ぎるだろ!


「大輝くんは小さい頃から妹さんのお世話もしていたそうですよ」

「それは分かるかも!大輝って意外と面倒見いいもんね」

「確かにお兄ちゃんて感じがするかも!」

「たまにだけど頼りがいあるよね」

「そうなんですよね!普段はそうでもないのにふとした時に頼りになるんですよ」

「分かる!遊園地行った時もナンパから助けてくれたし」

「何その話?詳しく聞きたい!」


何やら俺の話で盛り上がり始めてしまった。

褒められてるのか貶されているのか分からない発言もあるけど、こういうのに全く慣れていない俺はなんだか小っ恥ずかしくて仕方がない。

だんだんと居た堪れなくなっていた俺だったが突然の助け舟が入った。


『ピンポーン』


インターホンの音が鳴り響いたのである。思ってもいなかった音に3人のお喋りはピタッと止まった。助かった。あのままだと恥ずかしさで死んでいたかもしれない。


「誰かきたの?」

「残念ながら俺の家に来るような知り合いは居ないんだよな。多分宅配かなんかだろ」


自分で言っておいて悲しくなるが事実なので仕方がない。


『ピンポーン』

「ちょっと行ってくるわ」


もう一度インターホンが鳴ったので俺は立ち上がって玄関に向かった。それにしても何か頼んだ覚えがないんだよな。もしかしたら実家から何か届いたんだろうか?俺は疑問に思いながら玄関を開ける。


「は〜い。何でしょうか?」


俺は玄関を開けたまま固まってしまった。何故ならそこには居るとは全く思っていなかった人物が立っていたからだ。


「来ちゃった!」


可愛らしく小首を傾げるのだが全く可愛らしいとは思えなかった。よりにもよって何でこのタイミングで来るんだよ!まじで家に入れたくないんだが!俺は思わず玄関を閉めそうになったのだが足を入れてそれを阻止して来た。


「ちょっと何で閉めようとすんの!」

「うるさい!黙れ!」

「ひどくない!」


まじで家に入れたく無さすぎる。目の前でプリプリ怒っているこいつをどうやって追い返そうかと考えていると


「騒がしいですけど何かあったんですか?」


心配した杏奈が玄関の方にやって来てしまったのだ。杏奈に気が向いてしまった俺のスキをついて玄関の前にいた人物はスルリと中に入ってきてしまった。そして杏奈を見るなり


「お兄ちゃんが女の人を連れ込んでる!」


そう言って騒ぎ出してしまったのだ。そう突然の来訪者は俺の妹だったのだ。杏奈を見て興奮する妹を見て俺は思わず大きなため息をついてしまう。絶対に面倒くさい事になるに決まっているからである。

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