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第1話 夏の準備と突然の提案

「今日も35度超えてんのか」


スマホを見ながら俺は思わず独り言を漏らしてしまう。今日は外出予定があるのだが、8月に入ってから連日の猛暑によって日中に外出するのもそれなりの覚悟がいる。


「行きたくないなぁ」


本音が漏れてしまうが、それでも行かない訳にはいかないので俺は意を決して外に行く為に玄関に向かう。まぁ行きたくない理由は暑いからだけではないのだが。


暑い中なんとか俺は目的地であるショッピングモールにたどり着いた。建物の中はガンガンにクーラーが効いていて先ほどまで太陽の光を目一杯浴びた身体を癒してくれる。しばらくここから動きたくないなんて考えていると


「遅かったですね大輝くん」


後ろから杏奈に声をかけられた。行く行かないでモダモダしていたのでどうやら約束の時間をちょっと過ぎてしまっていたようだ。


「申し訳ない。暑かったからちょっと涼んでたんだよ」

「確かに今日も暑いですからね。熱中症には注意して下さいね」

「ありがとう。他の2人は?」

「先にお店に行ってますよ」

「元気だなぁ」

「ふふっ、かなり楽しみにしていますからね」


今日は俺と杏奈だけでなく久慈川と姫川も一緒に会う約束をしていたのだが俺が来たくなかった理由はこれである。姫川に『智くんに好きな人がいるのか聞いて来てほしいんだよね』と言われてから初めて会うのでどうしたもんかと困っているのだ。


「大丈夫ですよ。今日は明後日の事で頭がいっぱいみたいなので」


俺の心情を読み取ったのか杏奈は苦笑いしながら教えてくれた。


「だったらいいんだけどなぁ」

「あんまり気にし過ぎない方がいいですよ」


杏奈はそう言うと上目遣いで俺の顔を覗き込んでくる。


「それにあんまり他の女の子の事を考えられるのは好ましくありませんからね」

「相変わらずあざといなぁ。ここがショッピングモールじゃなくてコインランドリーだったら叫んでたよ」

「相変わらず照れ隠しが下手ですねぇ」


そう言いながらクスクス笑いながら杏奈は楽しそうにしている。俺がこういうのが嫌いじゃ無いのを分かっていてやってくるのだ。ほんと色々と見透かされてい俺のツボを押さえているから困ったもんだなんて考えていると


「おそーい!」


久慈川が唇を尖らせながら俺たちの方見ていた。どうやら目的の店に着いていたようだ。


「待たせたみたいですまんね」

「そうだよ!遅れたくせにイチャついてるし」

「別にイチャついてねぇよ」

「ふ〜ん」


久慈川は何やら意味深な目をしながらニヤニヤと俺の事を見てくる。何だよその目は!俺が抗議の目線を久慈川に向けると


「まぁいいや!それよりも今日は色々と買い物して明後日に備えないといけないしね!大輝はちゃんと荷物持ちしてよ!そのために呼んだんだから」


そう言って杏奈の手を掴むと店内に入って行く。明後日に何があるかというと俺達は夏休み前に計画していた海に行くのである。今日はための買い出しに来たというわけだ。それにしても荷物持ちか。最近似たような事で呼び出された結果酷い目に遭ったなぁ何て思いながら俺は2人の後に続いて店内に入っていった。


「レジャーシートは買った方がいいのかな?」

「海の家で貸し出しとかありそうですけどね」

「でも可愛い方が良くない?」

「私も可愛いい方がいい!」

「じゃあどれにする?」


キャッキャッしている女子3人を見ながら俺はレジャーシート1つでよくそこまで盛り上がれるなと感心してしまう。


「大輝ほら!これカゴに入れといて!」


久慈川がそう言って選んだレジャーシートを渡してくる。俺はそれを受け取るのだが思っていたよりも大きくてカゴに入らないので仕方なく俺は小脇にそれを抱える。


「海めっちゃ楽しみなんだけど!」

「ね〜!私、かき氷食べたい!」

「いいじゃん!私は花火やりたい!」

「あっちにあるよ!見に行こう!」


俺にレジャーシートを渡した久慈川は姫川と盛り上がりながら別の棚に移動してしまった。そんな感じで終始テンションの高かった久慈川と姫川に引っ張られながら何とか買い出しを終えた俺達は休憩がてらフードコートで海の計画を話しようとなったのだが


「流石にこんでるねぇ」

「ぜんぜん席空いてなかった」


そう言って空いた席を探しに行った久慈川と姫川が肩を落として戻ってきた。


「ちょうどお昼の時間ですからね。流石に空くまで待つ訳にもいきませんね」

「荷物もあるからあんまりウロウロもしたくないしねぇ」

「そうだな。ショッピングモールから出て別の所に行くか?」


杏奈と姫川とどうするか話していると久慈川が思い付いたみたいな感じで手を叩く。何事かと思ってそろって久慈川の方を見ると得意顔で


「じゃあさ大輝の家に行こうよ!」


そんな事を言い出したのだ。


「はい?誰の家に行くって?」

「だから大輝の家に行こうって言ったの」


突然の事に俺は開いた口が塞がらなくなってしまったのだった。

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