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第25話 女子会と新たな難題

「ねぇ?何で邪魔したの?」

「別に邪魔をしたつもりはないんだけど…」


ショッピングモールで姫川と中城先輩の2人と遭遇、というか俺が突撃をした翌日に俺は姫川に呼び出されてガン詰めされている。目が据わっている姫川に思わず尻込みしてしまい俺の反論も弱々しいものになってしまう。


「ほんと大輝は何やってんのよ!そんな事したら麻由子がかわいそうじゃん」

「いやほんと申し訳ないです」


俺の向かい側で久慈川が呆れた顔で見てくる。そりゃそうだ。姫川の話だけを聞けばこいつなにやってんだ?と思うだろうな。だって俺だってそう思うんだもん。何にも知らない人から見れば空気が読めないお邪魔虫である。


「ま、まぁ大輝くんも悪気があったわけでは無いでしょうし」

「杏奈!ダメだよ大輝を甘やかしちゃ!」

「そうだよ!せっかく智くんと2人っきりだったのに!」

「もうちょっと空気読もうよ!」


何で突撃したのか事情を知っている杏奈が俺を庇ってくれるが逆効果だったようだ。久慈川と姫川はさらに俺に詰め寄ってくる。杏奈が隣で申し訳無さそうに目線で謝ってくるので俺は気にするなという意味も込めて軽く首を振っておく。因みに突撃したあと俺は尾上さんにもガン詰めされている。2人の様子など詳細まで報告されられた。杏奈も一緒に色々と聞いて来たので余計に申し訳無さがあるんだろうな。


「黒澤くん!ちゃんと聞いてるの!」

「そうだよ!杏奈に助けを求めたって無駄なんだからね」

「ちゃんと聞いてます!」


俺が杏奈の方を見ていたことでさらに姫川がヒートアップするし久慈川もそれに便乗する。俺は謝りながら、まさか2日連続で女子に詰め寄られるとかどんな罰ゲームだよ!それもこれも中城先輩のせいだ!と心の中で理不尽な八つ当たりをする事で何とか平静を保っていた。


「それにしても麻由子も頑張りましたね。夏休み中に誘いたいとは聞いていましたが、お父さんの誕生日プレゼント選びを理由にするのは、なかなか良い考えだと思いますよ」

「でしょ!それなら誘っても不自然じゃないし2人きりになりやすいと思ったんだよね」

「確かに!それにちゃんと成功もしてるしね」


杏奈が見かねて助け舟を出してくれたお陰で、姫川の意識が俺から外れてくれた。久慈川ものっかってくている。どうやら助かったようだ。ほんとありがとうございます!


「誰かさんに邪魔されたけど」


完全に意識から外れた訳ではなかったようだ。最後に俺をジト目で見ることも忘れない。杏奈も苦笑いしか出来なくなっている。


「せっかく智くんと2人きりだったのに邪魔するし、智くんもあっさり黒澤くんを引き入れるし、しかもその後も誘っているしさ!前のご飯の時もそうだったんだよ!ずっと黒澤くんの話を聞かされたのに昨日もめっちゃ聞かされて」


スイッチの入った姫川は俺への文句だけでなく、溜まっていたものをこれでもかと吐き出し続けたのである。久慈川ですら口を挟む隙がないくらいだ。もはや俺には黙ってそれを聞くことしか選択肢は残されていなかった。


「それで?実際どうなの?」


暫くの間、俺に文句を言い続けてスッキリした顔をしてケーキを頬張っている姫川に久慈川が質問をする。姫川は口の中のケーキを飲み込むと久慈川の質問に答える。


「やっぱり異性として見られてない気がする」

「まじかぁ」


先ほどまでとはうって変わって弱々しい姫川に久慈川もさすがにそれ以上に言葉が出なかったようだ。


「麻由子くらい可愛い子から誘われたらすぐにその気になってもおかしくないのに。結構告られてるでしょ?」

「そうだけど、どうでもいい人に告られても嬉しくないよ〜」

「それもそっか。てか杏奈も告られてるから大変でしょ?」

「私は全然ですよ。絵里の方がそういうの多いんじゃないですか?」

「私のは何かノリでぇ!みたいなのが多いんだよね。そこまで本気じゃないみたいな」

「そういうのが1番困るよね〜」

「そう!何か予防線張ってるみたいでムカつくしさ」

「分かる〜!」「分かります」


何やら女子トークが始まってしまった。確かに3人ともタイプは違うが可愛いもんな。どうでもいい男子に言い寄られたりとか色々苦労もあるんだろう。それはそれとして俺がいる事を忘れないでもらいたい。女子会に1人混じっているようで居た堪れなくなくなってくるのだが俺の事などそっちのけで女子トークで盛り上がっている。


「てか、それだけアピールしてるのに気付かないとか鈍感すぎじゃない?」

「そうなんだよ〜!ほんと鈍感過ぎる!」

「確かに鈍感なのは困りますよね」

「「「ねぇ〜!!!」」」


何か3人が俺に意味深な視線を向けている気がするが気の所為だろう。てか何でそこで俺を見るんだよ!ますます居心地が悪くなるので俺を見るのをやめて欲しい!その後もしばらく女子トークで盛り上がっていたのだが


「何かねこれだけアピールしても異性として見てもらえないのは他に好きな人でもいるんじゃないかと思うんだよね」


姫川の言葉に俺の緊張感が高まってしまう。チラッと杏奈を見たのだがいつも通りのすまし顔をしているので流石だなと感心してしまう。お陰で俺もそこまで動揺せずにすんだ。


「ねぇ?黒澤くん何か知らない?仲いいんでしょう?」


すみません動揺しまくりになりました。頼むから俺に話をふるのをやめてくれよ!


「あんまり中城先輩とそういう事話さないから知らないんだよね」

「ふ〜ん」


俺は何とか平静を装って答えたのだが何故か姫川は俺に疑いの目を向けてくる。ほんと何でそんな目で見てくるんだよ!俺は目の前にあったアイスティーを飲んで気持ちを落ち着かせる。


「何か智くんは黒澤くんの話沢山してくれたんだけどなぁ」

「!!!!」


俺は危うく吹き出しそうになったが何とか堪える事ができた。昨日の件がなければ確実に吹き出していたに違いない。


「な、何を聞いたんだよ?」

「え〜色々だよ!ここじゃ話辛いかもねぇ」


姫川はそう言ってチラッと杏奈の方を見る。

こいつ絶対に中城先輩からギャルの事を聞いてるじゃないか!


「何なに?大輝の面白そうな話なの?」

「どうだろう?私からは言えないかなぁ」


久慈川が話に食い付いて来やがった。そして杏奈から何故かすごい圧を感じるんだが?てか杏奈がそのギャル本人なんだから話されて困るのは俺じゃ無くて杏奈なんだぞ!俺は早くこの状況をどうにかしたくて姫川に話かける。


「何が望みなんだよ?」

「話が早くて助かるよ」


姫川はそう言うと手を叩いて嬉しそうに笑っている。


「智くんに好きな人がいるのか聞いて来てほしいんだよね」


まじかよ!それを聞いた瞬間、杏奈も目を見開いて固まってしまった。久慈川だけがめっちゃ良いじゃん!何てはしゃいでる。俺は今すぐにでもこの場から消え去ってしまいたかった。

こうして俺はまた新たな問題を抱えてしまう羽目になったのだ。

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