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第6話 ギャルの笑顔は謎だらけ

結論から言えばあの後、ギャルと特に会話らしい会話はなかった。


両替した後に硬貨を投入して洗濯・乾燥を開始したギャルはベンチの端、つまり俺が座っている逆サイドに座ってスマホを見だしたのだ。

物理的に近くも遠くもない距離に俺は何とも言えない気持ちになってどうして良いか分からなくなってしまった。


何か話しかけた方がいいのかと考え、俺から話しかけようかと思ったがそんな事出来るはずもなく、ギャルをチラチラ見る事しかできなかった。そしてソワソワしている間に俺の洗濯乾燥が完了してしまった。

その間もちろんギャルから話しかけられる事は無かった。

ソワソワしながらギャルをチラ見する挙動不審な男が誕生しただけである。


俺は自分の洗濯物を取り出し畳んでバッグに入れてコインランドリーを出た。

これだけ聞けば何とも残念極まりない話ではあるが、最後にギャルから話しかけてきた。


「今日はありがとね!めっちゃ助かった」


ギャルはとてもいい笑顔だった。

すでに会話を諦めていた俺は急な会話に愛想笑いを浮かべて「いえいえ」としか言えず何とも言えない気持ちになった。

気の利いた事の一つも言えない残念な男なのである!


ただ一つだけ気になる事がある。

最後の最後にギャルは聞こえるか聞こえないかくらいの声量でこう言ったのだ。


「またねぇ」


俺は気のせいだったらどうしよう?社交辞令では?などと無駄に消極的になり無言で頭を下げる事しかできなかった。

しかし気になる点はここではない!その頭を下げた時にチラッとギャルを見たときに起こったのだ。


ギャルはとてもいい笑顔だったのだ!

そう!いい笑顔なのである。

ただ見惚れると言ったものではない。

何とも言えない気持ちになる笑顔だった。

だが俺はあの笑顔を知っている。

そんな気がした。

どこで見たのだろうか?

やはり知り合いだったのか?

そんな事を考えながら俺は帰路についたのであった。

そして風呂に入って乾燥機でふかふかになったシーツと布団カバーで気持ち良く眠りに付いたのである。



「え?それで?」

「いや、これで終わりです」

「まじで?ほんとに?」

「はい!」


俺が元気よく返事をすると中城先輩が残念な子をみる目で見てくる。

中城先輩にそんな目で見られるとかマジ心外なんですけど!

思わずギャルっぽくなってしまった。

自分が思っている以上にギャルの事を引きずっているらしい。


そんな事を思っていると中城先輩はこれ見よがしに大きなため息をついて、


「聞いて欲しい話があるっ言うから聞いたが、まじで時間の無駄だった」


そう言って少し離れてタバコを吸い出した。


「なんでですか?ギャルに会ったんですよ!

しかもめっちゃ気になる笑顔を最後に見たんです。なんだったのか気になるでしょう?」

「まったく!これっぽっちも!気にならない!」


中城先輩はそう言うと深く煙を吸い込んで吐き出す。それため息だろ!と思ったが言わなかった。代わりに半目で睨んでやった。


「何か出会いでもあったのかとワクワクしたのにまったくの無駄だった!俺のワクワクを返せ!」


そう言って逆に俺を半目で睨んできた。

昨日、廃人になりかけたくせに今日はグイグイくるじゃないか?

もしかして昨日の恨みが俺に向いてるのでは?

そんな事を考えていると中城先輩は小馬鹿にした感じで俺に向かって失礼なことを言い出した。


「ナンパでもされたのかと思ったら、ただの両替のお願いだし、最後の《《またね》》も《《笑顔》》もお前の幻覚じゃねぇの?」

「さすがに俺も現実と夢の区別くらいつきますよ!失礼ですね!」


いきなり幻覚とか本当に失礼な人だな。

やっぱり昨日の事根に持ってるなこの人は!


「まぁ仮に本当だったとして、社交辞令だろ!普通に考えて」

「まぁそうかも知れませんけど」


そうやって事実を突き付けるのやめてもらいたい。ちょっと泣きたくなるじゃないか。


「でも良かったじゃねぇか」

「何がです?」

「最近ハマったコインランドリーで美人なギャルと話せたんだろ?」

「それのどこが良かったんです?」

「普通に生活してりゃお前にそんな機会ないだろうからな」

「だから事実を言うのやめてもらっていいですかね?これでも傷付くんですよ!」


そんな事を話しているうちに休憩時間も終わりが来たので仕方なく仕事に戻ることにした。


中城先輩は社交辞令だ何だと言うが、はっぱりあの笑顔どこかで見たことがあるんだよなぁ。

でもどこで見たのかさっぱり思い出せない。

最近も見た気がするんだけど。

めっちゃモヤモヤするけど考えても出てこないので取り敢えず今は考えるのはやめよう。


そう言えば昨日、中城先輩と尾上さんがどうなったのか聞くの忘れてた!

何かギャルとの出会いで全部吹き飛んでしまっていた。何たる不覚!

まぁ尾上さんはバイト休みだし、今度2人が揃ってる時にでも聞けばいいか。

そうやって色々な事を先送りにして俺はバイトにせいを出すのだった。

初投稿になります。

完結目指して頑張ります。


ブックマーク、いいね、コメントしてもらえると嬉しいです。


宜しくお願いします!

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