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第21話 中城先輩と自覚と相談

「どうしたもんかなぁ」


俺はバイト先の休憩室で机に突っ伏して独り言を漏らしていいた。杏奈とのデートによって自分の気持ちを自覚したのはいいが、どうしたら良いのか分からなくなっていたのだ。普通に考えれば自分の気持ちを伝えるべきなのだろうけど何となく今はそうすべきでは無いと思っている。


別にヘタれているとか、ビビっているとかそういうのではないのだ。まぁそれが全く無いと言えば嘘になってしまうのだが他にちゃんとした理由がある。まぁ理由というか気になっていることがあるのだ。俺の気持ちを伝えるのはそれを解消してからの方が良い気がするんだよなぁ何て俺が色々考えていると中城先輩が休憩室に入ってきた。


「どうした?シケた顔してんな」


ちょっと前に尾上さんに無視されて廃人になりかけた人には言われたくないセリフである。


「ちょっと考え事をしてただけですよ」

「何だよ。またギャルと何かあったのか?」


中城先輩に説明すると面倒な事になりそうなのではぐらかしたのだが、イキナリ核心をついくるじゃないか。俺が答えに困っていると中城先輩は


「デートで何かやらかしたのか?」


もっと核心を付いてくるのだ。何でデートしたことを知ってるんだよ!俺は思わず目を見開いてしまった。中城先輩にデートに行ったことは伝えていないというか尾上さんにしか言っていないのだ。この人こんなに鋭かったっけ?


「何で知ってるんですか?」

「お前お土産買ってきてただろ。お前が1人で水族館何て行くわけないんだから、ちょっと考えりゃデートって丸わかりだろ」


中城先輩は呆れた様な目をしながら答えを教えてくれた。そりゃそうだ。ちょっと考えれば分かることじゃないか。自分のバカさ加減がちょっと悲しくなる。


「それで何かやらかしたのか?」

「やらかして無いですよ。普通に楽しんできましたから」

「じゃあ何でそんな小難しい顔してんだよ?」


中城先輩はタバコに火をつけながら何も言わない俺にちょっと真面目な顔をしながら話しかけてくる。


「何かあるなら話くらい聞くぞ?」


普段は割と雑な感じのくせに、こういう時にはほんと面倒見の良い人である。俺はせっかくなので中城先輩に少しだけ相談する事にした。


「まぁデートは楽しかったんですけど、何ていうか色々と思う所がありまして」

「あぁそういうことね。まったく、ようやく自覚したのかよ!」


中城先輩はあっさりと俺が杏奈への気持ちを自覚した事を見破ってきた。まじかよ!あれだけで分かったのかよこの人は!


「よく分かりましたね」

「デートして思う所があるとか、分かりやす過ぎるだろうが」

「そんなに分かりやすいですか?」

「ビックリするくらい。何ならオガも気付いてんじゃないか?」


まじかぁ。尾上さんにも気づかれてるのか。杏奈とは従姉妹なので出来れば知られたくなかったんだけどなぁ。それを抜きにしてもあの人に知られてしまうとろくな事にならない気がするのだが。


「それで?自覚したんなら告白でもするのか?」

「まだしないです。もうちょい考えたい事もあるんですよね」

「向こうの気持ちを確かめたいとかか?」

「そういうんじゃないですけど…」


中城先輩に言われて俺は気付いてしまった。確かに杏奈が俺の事をどう思っているのかハッキリとは分かっていない。もちろん嫌われてはいないだろうが、その感情が俺と同じとは限らないのだ。え?まじでどうなんだろう?ただのお友達です!何てこともあり得るじゃないか!


「何か新しい悩みが出てきたんですけど」

「何で新しい悩みが増えてんだよ!」


中城先輩はタバコの煙を吐き出しながら呆れている。俺は頭を抱えたくなった。自分の気持ちを自覚した途端に悩みがどんどん増えて行くんですけど!


「取り敢えずあんま難しく考え無くていいんじゃねぇか。最終的にどうなりたいかは決まってんだろ?」

「最終的にですか?」

「そう!付き合いたいとか、気持ちを伝えるだけで十分とか」


中城先輩に言われて俺は改めて考える。最終的にどうしたいんだろうな。俺が考えている間、中城先輩は茶化したりせずに黙って待ってくれている。


「取り敢えず、きちんと自分の気持ちは伝えたいですね」

「いいじゃねぇか!ならそのために何をするか考えりゃいいんだよ」



中城先輩はタバコの火を消すと近づいてきて俺の頭をガシガシとなでる。何かゴチャゴチャ考えていたけど中城先輩のお陰でちょっとスッキリした。しかしそれはそれでちょっと癪なので


「なんです?尾上さんのマネですか?」


俺は思わず軽口を言ってしまうのだった。中城先輩は「マネじゃねえよ」なんて言いながら俺の頭を叩いてからまたタバコを吸いに行った。


取り敢えず俺のやる事は決まったのである。

やっぱりまずは色々と気になっている部分をハッキリさせるべきなのだ。俺はそう決意するのであった。

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