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プロローグ

「何でここにいるの?」

「いいじゃん!たまには混ぜてよ」

「邪魔しかしないじゃん!」

「邪魔なんてしてないでしょ。てかそんな口きいていいと思ってんのかな?」

「ほら!すぐそんなこと言うし!」


目の前でギャイギャイと言い合いしている女性2人を見ながら俺は思わず、ため息をついてしまう。


ここはいつもと同じコインランドリーである。

バイト終わりにいつも通り洗濯しに来ているのだがいつも通りでは無いことがある。俺と杏奈だけではなくもう1人来店している人物がいるのである。そしてその人物と杏奈が言い合いしているのだ。


最初は非日常を感じさせてくれて1人になれるこの空間が好きで読書を楽しんでいた。それから杏奈と出会い、1人では無くなったものの居心地の良い空間である事はかわらず、そのままコインランドリーに通い続けている。しかし今はどうだろうか?全く居心地が良くない。というか居心地が悪い。俺は初めてコインランドリーにきた事を後悔してしまったのである。

立派なコインランドリー中毒になった俺にしてみれば異常事態なのだ。そんな俺の事など気にしていないように2人の言い合いはヒートアップしている。


「なによ!もう早く帰ってよ!」

「そこまで言われたら帰りたくなくなるなぁ」

「もう!なんなのよ!」

「いいのかなぁ?そう言えば、あの時も私に泣きついてきてたなぁ」

「やめて!その話はしないでよ!」


2人は抱き合うように揉み合いはじめた。美少女2人の揉み合いなど男子であればテンション上がるだろうが今の俺はテンションを上げるどころかただ下がりである。癒しのコインランドリーがただの騒がしい空間になっている。


「大輝も何か言ってよ!」


杏奈が俺に助けを求めてくる。揉み合いをしていた2人はいつの間にか俺の側に来ていたのである。助けてと言われてもなぁ。


「何?私に何か言いたい事でもあるの?」


もう1人の女性はそう言って俺の方をニヤニヤしながら見て来るのだ。


「そろそろ、やめてあげたらどうですか?」


俺がそう言うと、よりニヤニヤを強めたかと思うと


「私に文句言うとかエラくなったもんだね」


何ていいなが俺の肩に手を回してくるのだ。

それを見た杏奈は慌てたように


「ちょっと!近いから!早く離れてよ!」


そう言って女性の肩を揺するのだ。そのたびに女性の色々なところが俺に当たるので今すぐやめて頂きたい。


俺は2人にもみくちゃにされながら何故癒しの空間であるはずのコインランドリーがこんな事になっているのか思い返すのだった。

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