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第1話 春休み初日の洗濯機問題

「洗濯機が壊れた?」

「はい。洗濯機が壊れました」

「洗濯機って壊れんの?」

「それが壊れるんですよ。俺も今日初めて知りました。」

「まじかぁ」

「まじっす」


何とも中身のない会話であるが俺にとっては大問題なのである。


「それにしても春休み初日に洗濯機が壊れるとか、まじでついてねぇな」

「そうなんですよ。んで中城なかじょう先輩に相談したんですよ。洗濯機壊れたんでどうしようかと」


そう今日から春休みなのだが、バイト前に洗濯しようとしたら洗濯機が動かなかったのである。

少し前から何か音が大きいなぁとか思っていたら、今朝ついに動かなくなってしまったのだ。

元々、実家で長く使っていた物なので壊れるのは仕方ないが、タイミングというものがある。

何も春休み初日に壊れなくても良いではないか。

しかも、昨日まで雨が続いていたので洗濯物も溜まっているし、暫くバイトも続くのでどうしたもんかとバイト先の先輩に相談した結果が先ほどの会話である。


「まぁ俺に相談されても困るけどな」

「何でです?」

「だって俺、実家暮らしで洗濯とかやったことねぇもん」

「あぁ。。。」


中城先輩はバイト中は頼りになる先輩である。

しかし洗濯機に関してはそうではなかったらしい。何とも使えない先輩である。


「お前声にでてるからな!」


中城先輩は俺の頭をはたきながら注意してきた。

いかんいかん、心の声が漏れていた。


「お前俺のこと舐めてんだろ?」

「心外ですね!めっちゃ頼りにしてますよ!」

「うそくせぇ」

「ほんとですよ!」

「まぁ別にいいけどな」


そう言いながら中城先輩は少し離れてタバコに火を着けようとしていた。

しかし俺は見逃さなかったのですかさず指摘する。


「先輩、タバコ逆向きっすよ」


中城先輩は慌ててタバコを正しい向きにして咥え直す。

まったく。頼りにしていると言われて照れているのが丸わかりである。

この人まじで褒められ慣れてないなぁ。

男のツンデレなど需要ないのに。


まぁ中城先輩とは仲が良く、軽口も言い合えるのである。

尊敬はしていなが頼りにはしている。

そんな先輩である。


しかしそんな頼りにしていた中城先輩に、せっかく相談したのに思いのほか役立たずだったせいで洗濯機問題は解決しなかった。

さてどうしたもんかと悩んでいると休憩室に人が入ってきた。


「うぃーっす」


気だるげな感じで休憩室に入ってきたのはもう一人の先輩、尾上おがみさんである。


「尾上さんお疲れ様です」

「オガおつかれー」


尾上さんはチラッとこちらをみるとニヤニヤしながら


「男2人でいちゃついてんじゃねぇよ」


そう言いながらタバコを吸い出した。


「いちゃついてねぇよ!」


中城先輩はそう言いながら尾上さんの座るスペースを空けていた。

しかし尾上さんはそこに座らず立ったままである。哀れ中城先輩。


因みに尾上さんは中城先輩と同い年で同じ大学に通っている。しかも2人は同じ学部だそうだ。

そして見た目はめっちゃ清楚な大和撫子なのに中身は割と残念な人なのである。

中城先輩はダウナー系だとかいっていたが俺はサディスティックなおっさんだと思っているのだ。

尾上さん本人にも伝えたところ、爆笑しながら面白い奴だと頭を撫でながら褒められた。

顔が近いしいい匂いがしてドギマギしていたら「お前童貞か?」とまた爆笑されて辱めを受けた。

やっぱりおっさんである。


「んで、どうしたん?男2人で」

「いやさ、こいつ今朝、洗濯機が壊れたんだってよ」

「まじ!?」

「まじっす」

「春休み初日から飛ばすねぇ」

「こんな飛ばし方嫌ですよ」


尾上さんはとても嬉しそうだ。

洗濯機が壊れたことよりも俺が困っている事を見るのが楽しいのだ。

尾上さんはそういう人だ。

この人はドSなのだ。

そして中城先輩はドMのはずだ。


そんな事を考えていると尾上さんがタバコの煙を吐きながら


「まぁしばらくコインランドリーに行けば

問題ないっしょ?」


と言ってきたので思わず


「コインランドリー?」


と首をかしげながら聞き返してしまった。


「何?コインランドリー知らないの?」

「いや知ってますけど」

「なら何で疑問系なの?」

「いや何となく?」

「だから何で疑問系?」


そう言いながら尾上さんは笑っていた。

それにしてもコインランドリーか。

確かにコインランドリーに行けば、問題は解決するじゃないか!

何故思いつかなかったのだろうか!


「尾上さんありがとうございます!

コインランドリー!思いつきませんでした!

これで洗濯機問題は解決しました!

まじで、ありがとうございます!」

「いや何で思いつかないかなぁ?」


さすがの尾上さんも苦笑いしていたが、俺は洗濯機問題が解決した事で思いのほかテンションが上がっていて気にしてなかった。


あとで家の近所のコインランドリー検索してバイト終わりに行けば解決だ!

やっぱり尾上さんは頼りになる!

どっかの実家暮らしとはちがって!


「それにしても高校生で一人暮らしとか大変だねぇ」


尾上さんがタバコを消しながらそう言ってきた。


「まぁもう1年経つので割と慣れましたけどね」


そう俺は高校入学に合わせて一人暮らしを始めたのだ。


理由は高校進学直前に親の転勤が決まったのである。

両親に単身赴任という選択はなかった。

俺は引っ越しに伴う編入試験とか面倒くさかったのでこちらに残ることにした。

結果一人暮らしが始まったというだけである。


だから洗濯機は実家で使っていたお古なのだ。

お古が故に春休み初日に壊れたのだが。


そんな始まりだったので最初は一人暮らしに慣れず、生活する事に手一杯で周りを気にする余裕もなかった。そんな中でバイトも始めたためより学校生活がおろそかになり、気が付けば周りから浮いた存在となっていて、割とボッチ気味になっていたのだ。

まぁ少ないが普通に話せる友達もいるので、完全にボッチではないから正直そこまで気にしてはいない。


ボッチ気味と言うか、クラスで浮いていたのは他にも理由があるのだが、その理由がしょうもなさ過ぎて訂正する気も起きない。

面倒だからとそのまま放置していたら腫れ物扱いされて、見事ボッチ生活になっていたと言うわけだ。


ボッチなのは別に平気だったが、クラスでの腫れ物扱いの空気感は最初の頃は割とキツかった。

そんな時に話を聞いて、何かと気に掛けてくれたのが、中城先輩と尾上さんなのである。


別に優しくしてくれたとかではない。

どちらかと言うといじくり回されて、ネタにされて、散々笑われたのだ。

でも俺はそれが嬉しかった。

別に知らん人に何を思われても問題ない。

そう思えるようになったのだ。

腫れ物扱いが気にならなくなったのも2人のおかげである。

だから俺は2人にはとても感謝しているし、

この人達と一緒にいるのがすきなのだ。

恥ずかしいので2人には絶対に言わないが。


それに友達そんなに多くても逆に困るしね。

元々皆でワイワイするのとか苦手だし。

と言うか人多いと喋れなくなるし。

そんなわけでまぁ自分なりに高校生活は楽しんでいるのでやっぱり問題はない。


いや洗濯機問題があったがそれも解決した。

楽しい春休みの始まりである!

そんな事を考えていると中城先輩が


「そろそろ休憩おわるぞ」


と声をかけてくれた。


「あざっす!洗濯機問題も解決したのでバイトに集中できます!」

「そんな大層な問題でもなかったろ」


尾上さんが笑いながらまたタバコに火を着けていた。

こうして春休み初日に発生した洗濯機問題はあっさり解決を見せて、俺はバイトにせいをだすのだった。

初投稿になります。

完結目指して頑張ります。


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