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第14話 ギャルと正解が分からない

「ごめんってば!もうやんないから!」

「⋯⋯」

「ほんとごめんって!」

「⋯⋯」

「そんな恥ずかしがんなくても大丈夫だって!」

「⋯⋯」


あのあと、ギャルは宣言通り容赦なく俺を辱めた。

本当に容赦がなかったのだ。俺がどんなに恥ずかしがってもやめなかったのだ。

あの手この手で俺を辱め続けたのである。

まさに有言実行だった。そんな有言実行などして欲しくなかった。

そして、その結果が今の状況である。

俺は恥ずかしさが限界突破し過ぎて、ギャルと喋ることを放棄したのである。

そう俺はイジられ過ぎて拗ねてしまったのだ。


「いやぁ。ちょいやり過ぎちゃったかなぁ」


そう言いながらギャルは頬をかいていた。

ちょいどころではない!確実にやり過ぎだ!

そう思うなら最初からやらないでもらいたい!

俺はようやく顔をあげてギャルを恨めしそうな目で睨みつけた。


「おっ!やっと反応してくれた!」


睨みつけたにも関わらず、ギャルは嬉しそうに笑っている。

俺は睨みつけながらようやく口を開いた


「まじで恥ずかしかったです!」

「そんな恥ずかしかった?」

「めっちゃ恥ずかしかったですよ!」

「そっかそっか。もうやんないから」

「ほんとにやめて下さいね!」

「大丈夫!大丈夫!」


全然、大丈夫に聞こえないのは気のせいだろうか?まったく信用できないんですが?

不機嫌な俺とは対称的にギャルはご機嫌である。


「はぁ〜っ」


そんなギャルを見て俺は思わず大きなため息を吐いてしまった。


「なんか恥ずかしがって拗ねているのが馬鹿らしくなってきました」

「アハハハハッ!やっぱスネてたんだ」

「そりゃ拗ねますよ!あんだけイジられたら」

「ごめんって!少年の反応がいいからさ。

ちょいやり過ぎちゃった!」


そう言ってギャルは舌を出してウィンクする。

テヘペロである!


「あざとい!!」

「フフッ。こういうの好きかと思って」

「好きですけどね!」

「急に素直じゃん!」


そう言ってギャルは爆笑していた。

さっきまでに比べればこのくらい、なんて事なくなってしまったようだ。慣れって恐ろしい。


「それにしても少年の事、たくさん知れちゃったなぁ」

「俺は知られたくなかったですけどね!」

「そぉ?私は嬉しかったけどね」

「急にそういう事言うのやめて下さい!」

「照れちゃうから?」

「照れちゃうからです!」


そう言って俺はそっぽを向いてしまった。

それを見てギャルはまた爆笑している。

何か弄ばれてる気がする。

確実に手のひらでコロコロされている!


「イジらないって言ったじゃないですか!」

「イジってないよ」

「イジってますよ!」

「これはイジりじゃないんだなぁ」

「イジりじゃないなら何なんですか?」

「いちゃついてんの!少年と」


そう言ってギャルは上目遣いで俺の胸を人差し指で突いてきたのだ。

俺は固まってしまった。ギャルは何と言った?

いちゃついてるだと?俺はギャルといちゃついていたのか?いつからいちゃついていたのだ?そもそもいちゃつくって何だ?

そんな混乱している俺を見てギャルはニヤニヤしている。


「やっぱイジってるじゃないですか!!」

「アハハハッ!ごめんって!もうやんないからさ」

「まったく信用できないです!」


俺はまたそっぽを向いてしまった。


「もぅ!またスネちゃた」


ギャルはそう言うと俺の頭をなでてきた。

優しい手つきで。

こうやってなでられると恥ずかしさより、心地よさが勝ってしまう。

抵抗できなくなってしまうのだ。

結局洗濯・乾燥が終わるまで頭をなで続けられてしまったのである。


「少年は頭なでられるの好きだよねぇ」


お互いに乾燥が終了したので洗濯物を畳んでいるとギャルがそんな事を言い出した。


「そんな事ないですよ。普通です」

「またまたぁ!頭なでられるの好きって言ってたじゃん」

「⋯⋯」


俺は黙ってしまった。

なぜならギャルは知っているからだ。

タイトル読み上げ事件の際に、どんなシチュエーションが好きなのか吐かされたのである。

頭をなでられるのが好きだと言わされたのだ。

ギャルにはそれ以外にも色々と知られている。

まじで恥ずかしい。。。


「そんな恥ずかしことでもないでしょ」

「恥ずかしいですよ!」

「そう?私も好きだよ頭なでられるの」


そう言いながらギャルはこちらを伺っている。

何これ?どうするのが正解なの?

俺はまったくわからず


「そうなんですね。俺と一緒じゃないですか」


そう答えたのだ。

俺の返答を聞いたギャルはニヤニヤしなが


「そっ!少年と一緒なんだよ。だからさ、

待ってるね!」


そんな事を言いうのだ。

何を待っているんだろうか?

ちゃんとした答えを出す事をためらってしまい

ギャルに聞こえなければいいのにと思いながら


「はい」


とだけ返事を返すのが精一杯だった。

ギャルはそんな俺に満足したのか鼻歌まじりに洗濯物を畳んでいる。

ほんとどう返すのが正解だったんだろう?

誰か教えて欲しいです。


そんな事をしているうちに洗濯物も畳終えて、あとは帰るだけとなった時にギャルは次に来る日を教えてくれた。


「そうそう!私、明日と明後日は用事があって来れないんだよね。だから次に来るのは3日後になるから!」

「3日後ですね。わかりました!」

「よろしい!忘れんなよ!」


何だか自然に次も会う約束を取り付けられた気がする。やっぱギャルすげーな!

そんな事を言いながらギャルと一緒にコインランドリーを出る。

そういえば一緒に出るのは初めてだなぁと思いながら、ギャルが隣を歩いている事になんだかソワソワしてしまう。

路地を抜けた所でギャルが


「私、あっちだから」


と俺の帰り道とは逆方向を指差していた。

それを見ながら何とも言えない気分になる。


「俺はこっちなんですよ」


そう言ってギャルとは逆方向を指差す。


「そっか」


そう言ってギャルはじっと俺の方を見てくる。

俺はどうするのが正解なのかわからない。

何も言うことができない。

ギャルはしばらく俺を見つめたあと、残念な子を見る目をして少しだけ息をはいた。

そして微笑みながら


「じゃあ3日後に。またね」


そう言って手を振ってから歩き出した。


「はい。3日後に。」


そう言う事しかできなかった。

俺はギャルの姿が遠ざかっていくのを見つめながら、今日の出来事を思い出していた。

何が正解だったんだろうか。

考えても答えは出てこなかった。


ギャルの後ろ姿が見えなくなってからも俺は、しばらくその場から動くことが出来なかった。

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