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第25話 ギャルとコインランドリーで

「あ〜!もうやばい!泣きすぎて顔ぐちゃぐちゃだよ!」


あれから暫く頭を撫でていた事で落ち着いたのか、すっかり泣き止んでいつもの調子に戻った杏奈が顔を手で覆いながらそんな事を言う。


「俺しかいないんだからそんな気にしなくても大丈夫じゃない?」

「そういう問題じゃないの!」


杏奈を安心させようと思ったのだが逆に怒られてしまった。まぁ確かに女の子なら泣き顔を見られたくはないよな。デリカシーが無い事を自覚しているだけではやっぱりダメなようだ。

そんな風に反省していると


「大輝には可愛く見られたいじゃん」


杏奈がそう言って指の隙間らから俺の事をチラッと見てくる。


「あざとい!」

「アハハハッ!大輝のそれ久しぶりに聞いたんだけど!」


俺は思わず叫んでしまったのだが杏奈はそんな俺を見て爆笑している。だってあざとかったのも本当だが、それを最高に可愛いいと思ってしまったのだから叫んだのも許して欲しい。


「さっきまで感動的な感じだったはずなのに、すぐにこうなっちゃうよね私たち」

「まぁ最初からこんな感じだったしな」

「確かに!それなら仕方ないかもね」

「でも俺は嫌いじゃないよ」

「それは私も!」


俺達は顔を見合せて笑ってしまう。

杏奈の言う通り俺達は10年ぶりの再会を喜んでいたはずなのに気がついたらいつもの雰囲気に戻っていたのだ。



「何か色々悩んでたのに全部ふっとんだよね」


ひとしきり笑いあったあと杏奈がそんな事を言い出した。確かにその顔はスッキリしている。

どうやらあんずちゃんだと気付いていた事を話したのは間違ってなかったようだ。


「それで私に謝った訳だけど、その後は何かないのかな?」


杏奈の言葉に俺は目を見開いてしまう。

まぁあの話の流れで、流石に謝ってお終い!とはならないよな。それは分かっていたんだけどどう切り出して良いのか分からず何となく言わないでいたんだけど杏奈には見透かされていたようだ。


「まぁあると言えばあるけど」


ここまでされて尚ヘタレてしまう自分が情けなくなってくる。そんな俺を見て杏奈は微笑むと


「言って。ちゃんと聞くから」


そう言って俺の目を真っ直ぐに見てきた。

何処か期待する様な目をしながら少しだけ不安そうに瞳を揺らしている杏奈を見て俺はようやく決心がついたのだ。ほんと情けなすぎるが最後くらいはきっちりとしないとな。


「俺は杏奈が好きだ。だいぶ遅くなったけど俺と付き合って下さい!」


杏奈の目を見ながら俺は自分の想いを伝えた。

色々言うことを考えていたけど結局伝えたかった事は俺の気持ちとどうしたいかだったのだ。


「私には昔からずっと好きな人がいるの。

ちょっと情けなくて鈍感でその上デリカシーもないような人なんだよね」


杏奈が微笑みながら俺に話しかける。それを聞いて俺は思わず苦笑いしてしまう。ほんとそれだけ聞くと最低な男じゃないか。


「でもね、いざという時には私を助けてくれる優しくて頼りになる人なんだよ。私はそんな彼がずっと好きだった」


そう言うと杏奈は俺に勢いよく抱きつく。

突然の事に驚いたが何とかそれを受け止める。


「やっと言ってくれた!ずっと待ってたんだからね!」


杏奈は中々気持ちを伝えようとしなかった俺に不満をぶつける様に腕に力をいれる。


「私も大輝が好き!大好き!だからめっちゃ嬉しいし、めっちゃ幸せ!」


本当に幸せそうな笑顔の杏奈を見て俺は自然と彼女を抱きしめる腕に力を込める。


「俺もすごい嬉しいよ」

「だったら、これからは今まで以上に大切にしてよね!」

「もちろん!大切にする」

「約束だよ!」


そう言うと杏奈はまた俺に抱きついている腕に力をいれるのだった。

俺は杏奈にようやく気持ちを伝えてることが出来たのだ。それが彼女と出会ったこのコインランドリーでなんて最高じゃないか。

幸せを噛み締めながら俺はそんな事を思うのだった。

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