砂丘
そのちいさな世界には
砂丘があり
らっきょも作ってるし
海水浴だってできるし
スタバもあるし
ないものはない
こともないけど
人に好まれないのか
人が少ない
そんなに大きくない砂丘の蓋をあけると
無限の異世界が広がってればなぁ
そこで
勇者と魔王の丁々発止の戦いでも
体験できればなぁ
べつに学校帰りに
突然幼馴染といっしょに
転生するのでなくても
魔法使いでもいい
タンクでもいい
可愛いエルフに恋されなくてもいい
なにも成し遂げられない村人でもいい
砂丘の蓋をあけると
なにか
ちょっとだけでも
異世界が広がってくれては
いやしないだろうか
園バスもない
バス停もない
ローソンもない
悲しみもない
そんな
こころを引きずりまわしたような
こころを取りこわしてしまったような
転生した赤ん坊の
ナイナイ人生ってステキだと
想わない?
わけのわからない
青い月やら金の笛のねやら
瞳の奥の月あかりだの
飲めば癒される美味しい水だの
わからないなら
わからないまま
どこか深海を右往左往する
だんだら模様のメガネを愛した
カーとボネガットジュニア
(なんちゅう誤変換?)
みたいに
(なんちゅうあてはまらない喩え?)
震えた魚になりたいな
(そんなに寒いんか?)
そしてその果てでであう
(どの果てやねん?)
わけのわからない
(そればっかりや)
悲しみの花弁の香りを
(それ、ちょいエロい?)
きっとかぐだろう
(ハイ)
そっとかぐだろう
(せやねー)