鬼と改造人間
皆さんこんにちは。今回が初めての執筆となります。はじめまして、海原鯱鉾でございます。少し設定を盛りすぎたような気がしますが、百聞は一見に如かず、一旦読んでみてください!!
「わーーーーーーッ!!!もうこんな時間かよ!!!?」
鬼の血をひく少年「金剛亭 鬼丸」(こんごうてい おにまる)は、
目覚まし時計を見て悲鳴をあげていた。
鬼丸の祖父、「金剛亭 源斎」(こんごうてい げんさい)は、ゆっくり居間でお茶を飲んでいた。
「おじいちゃん!!行ってきまーす!」
「気をつけるんじゃぞ〜」
用意ができた鬼丸は、颯爽と家から飛び出した。
この世界は、人間に、怪物に、魑魅魍魎に。数多のモンスターが生きる世界。その世界で、一人の少年は急ぎ走る。
「入学初日から遅刻はまずいよなぁ……速くいかねぇと…!」学校についた鬼丸は、あらかじめ貰っていたクラスが書かれた紙を見て、廊下を駆け抜け、教室に飛び込んだ。鬼丸が座った瞬間にチャイムが鳴った。
「あっぶね〜。」
「金剛亭。」
「はいっ?」
「間に合ったから良かったが、次からはもっと速く来るように。」
1年B組担任のフィオレ・マクベイン。種族は人間。学校随一の剣豪にして教師。担当教科は体育と歴史。
「どうもすみません。」
マクベインが咳払いをする。
「それでは諸君。自己紹介をさせてもらおう。私はこのクラスを請け負うフィオレ・マクベイン。諸君、ダークホーク学園へようこそ。ここで君たちには、各々にあった戦い方を見つけるとともに、学園を出てから、世界で生き抜く強さを手に入れて欲しい。もちろん、戦い方だけではなく、種族の壁を越えたコミュニケーションも身に着けて欲しい。」
「怖そーな先生だなァ」
鬼丸は心の中で言った。
マクベインが口を開く。
「ちなみに諸君らはこの学園の校則は理解しているよな?」
クラス中がざわついている。
「なんだ理解していないのか。」
「あ、俺知ってます」
全員の目線が鬼丸の右横に座っている生徒に集まった。顔の右側が鉄でできていて、逆三角の形をした右目が光る男子生徒。まるでロボットのようだ。
「お、言ってみろ。」
「はい、我が校の校則において、髪型、服装、メイクやアクセサリー等は生徒個人の自由とし、教師はこれについて生徒の容姿に注意及び干渉しない。」
「素晴らしい。一言一句同じじゃないか。」
クラス中が歓喜の声に包まれる。
「他には?」
「授業を妨害、邪魔をした場合、行った行為にふさわしい罰則を与える。授業中にやむを得ず教室から出なければならない場合、必ず担任の教師に許可をとる。魔導図書館にある魔法書は授業時間外に読むことを禁ずる。勝手に読んだ場合、1週間魔導図書館への立ち入りを禁止とする。」
「君は逸材だな。素晴らしい。最後の一つは?」
「生徒間の争い等で怪我人、死者が出ても、学園側は一切の責任を負わないものとする。」
「えっ」
鬼丸は思わず声が出た。
「ありがとう。素晴らしかったぞ。」
「ありがたきお言葉」
「え〜?」
鬼丸は、まだ理解ができていないようだ。
「つまり、力を他者に示し、学園一の実力者になるか、クラスメイトと仲良くし、仲間を失う怖さを背負い、生活を送るかは諸君ら次第であるというわけだ。」
教室にチャイムが鳴り響く。
「一限目はこれにて終了とする。休憩時間は10分。その間に次の授業の用意をするように。」
そうしてマクベインは教室を出ていった。
鬼丸は未だに理解できていなかった。
鬼丸は右隣の生徒に話しかけた。
「お前スゲェな!あんなに長い校則ぺらぺら喋れるなんて。」
「ありがとう。」
「あっ。自己紹介がまだだったな。俺は…」
「鬼丸でしょ?」
「そう!金剛亭鬼丸!なんで知ってんの?」
「先生によばれてたじゃん。」
「あっ…そうだった…恥ずかしい…」
「俺はメタル。見ての通り改造人間だよ」
「サイボーグ!?マジで!!?ビームは!!?ロケットパンチは!?できるのか!!?」
「おぉ…グイグイくるな…お前…まぁできないことはないかな…」
「カッケーー!!!」
鬼丸は興奮しっぱなしだ。
「なぁ、放課後一緒に帰ろうぜ!!」
「えっ、いいのか?」
「いいに決まってんだろ!もう友達みたいなもんだろ!!」
「こいつの友達の定義は何なんだ…?」
そして放課後。
「なぁ、メタル。お前ん家ってどこなんだ?」
「あぁ。博士の研究所だ」
「博士かぁ。その博士の研究所はどこらへんにあるの?」
「ここから東に行くと、ギャングタウンがあって、その中に研究所があるんだ」
「ギャングタウン!!?」
「えっ、知ってるのか?」
「知ってるも何も、俺ブラックエンジェルの大ファンなんだよ!!!」
ブラックエンジェル
それはギャングタウンを主なナワバリとしていて、ボスの"キング"をはじめとした精鋭部隊を筆頭に、各地の傘下のギャングで構成されている、世界でトップレベルの強さを誇るギャングチーム。
「キングさんの活躍には毎回痺れるぜェーー!この前も、新しい傘下を増やしたって新聞に書いてあったんだ!」
「そんなに…?」
「もっちろん!!!俺、学校を卒業出来たらあのギャングに入るんだ!!!」
「ま…マジか…会ってまだ一日経ってないやつにギャングになるって言われたわ…」
「なぁ!お前もならねェか?」
「えっ…何にだ?」
「んなもんギャングに決まってんだろ!!?」
「えーーーっ!!??」
こうして鬼丸とメタルはギャングの道へ進むのであった。
いかがでしたでしょうか。少し短くなってしまいましたが、楽しんでいただけたでしょうか。楽しかったり、何か意見がある方は感想をぜひともお寄せください!!それでは次の回で会いましょう!