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ガソリンスタンド日誌  作者: 狸山 ポン吉
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おじさんと高校生(大学生・専門学生含む)の日常

エピローグ


私は東海林博之。

大手ガソリンスタンドに勤める32歳の中年男性。

自分で中年といってしまうのも少し躊躇するお年頃ではあるが、なにぶんにもこの店で働く面子がぴちぴちのJK4名、イケイケ男子高校生2名、高卒フリーター1名、高卒新卒社員1名・・・。そのほとんどが10代であり、彼らからすれば年の差10歳以上は十分、おっさんである。特に高校生の1歳以上の年の差は我々の想像を絶するぐらい大きいのである。

「友達が2コ上の先輩と付き合ってるんですよ!マジキモい!付き合うならタメしかありえない!」

ときたものだ。

私の経験上、「おっさん好き」のJKなど存在しない。むしろ、年の差3歳以上は恋愛対象ですらない。2コ上でマジキモい。2コ下でガキである。相当シビア!

世の中のおっさんたちはくれぐれも気を付けなければいけない。最近のJKや男子高校生は親御さんによく教育されていて、おっさんに自然に気を使える。なかなか素晴らしい、素敵なスキルなのだが、「あ、この娘、もしかしたら、俺に気があるのかも???」なんて思ったら、レッドゾーンである。もしかしたら、大人のスキルをフル稼働すれば、イケるかも知れないが、その先に待っているのは地獄(親御さんの激怒)=法律案件である。

きっと、若い連中と職場を共にする賢明なおっさんの皆様は共感いただける話だと思う。高校教師の不祥事をニュースで見るたびに同情を禁じえない。身に詰まされる。


だから私はこう考えることにしている。おっさんと若い女子が付き合っている場合、それは金が目的である、と・・・。我ながら歪んでいるが、自己防衛である。


第一章 娘(15歳)とその友達登場


私が勤めるウサギ商事(株)は全国に600店舗以上を誇る石油小売業最大手の企業である。

ここであまりガソリンスタンドの業界の仕組みにあまり詳しくない諸君にちょっと簡単に石油業界の説明をしておこう。

石油業界ガソリンスタンドは大きく分けて元売と小売業者に分けられる。元売とはガソリンの素となる原油を海外より輸入して、精製を行い、必要とする業者に供給する役割を果たしている。諸君がよく目にするガソリンスタンドのマークはどの元売からガソリンを供給されているか?というマークなのだ。そして、小売業者は供給を受けた石油商品を消費者に販売する業者である。これを特約店というのだが、私の勤める企業はこの特約店の最大手ということになる。

少し説明が長くなったが、自慢をしているわけではない。一介のガソリンスタンドの中年おにいちゃんには地位もなければ、金もない。女もいなけりゃ、いまだに独身。周りの同期はアルバイトの若い女の子とよろしくやって、とっくに結婚して、子供ももう小学生!ちくしょーーーー!

...すみません。つい本音がダダ漏れてしまいました。

そんな優良企業で現場一筋9年間、それが私のプロフィールなのだ。


長ったらしい前置きはこの辺にして、そろそろ私の愛すべき、素晴らしく、素敵な同僚たちを是非に紹介しておきたい。


まずは当然、私の上司に当たり、この店の責任者・成田 佳代子(48)を紹介しておきたい。愛すべきドジっ娘(48)。とにかく、仕事においてはドジっ娘ぶりを遺憾なく発揮をし、1日、無事に終わる日が貴重である。見た目は・・・、ギャル???2枚使用の付け睫毛は必須アイテム、こんがり焼けた肌はサーファーだった過去を彷彿とさせ、わかり易くいうと、なまはげをギャル化して失敗した感じ???いや、disってはいないです。最近、結婚されたばかりの新婚さん(48)。いや、disってないです。とても頑張り屋さんで、福笑いか?と言うほどよくご自慢の睫毛が落下するし、他人をイラつかせることにおいては右に出る者なし!いや...、もういいか。


続いて、田原 佳也子さん(37)。主婦でフリーター、子育てに仕事に全力投球。とにかく明るく、とにかくいい人。この店で働くみんなが頼りにしていて、みんなが何かあったら相談して、なによりそんなに大した事のない社員の私を尊敬し、立ててくれる。そして、美人さん。結婚していなければ、是非、私のお嫁に来ていただきたい素晴らしい女性です。当然、尊敬しています。むしろ、愛しています。


次に石井 マルチネス(45)。バリバリの日本人。当店の整備士にして、セクハラ大好きおじさん。整備士という人種は女好きが多い(偏見??)。最近、健康診断に引っかかって(DEBU)、目下、全力でダイエット中。一言で言うとデブでハゲ...。いえ、disっては...。最高の人生の先輩です。


そして、私のパートナー西田 弘樹(29)。元野球部でイケメン。ただし、彼女はいない。さすがは私の最高のパートナー。野球に打ち込みすぎて、女性に奥手になってしまった偶にある不幸な件。少し短気な所があるらしいが、私の前では見せた事がないのでよく分からない。

ここまでがフルタイムで働く皆様。私の大切なパートナーです。


そして、ここからが問題の若手の輩。


まず、下柳 加奈子(18)。恋に恋する二次元と三次元を行ったり来たりするJK。この前まで野村君(三次元)に夢中だったが、最近はエルリック(二次元)に夢中である。どうやら、野村君のその気がある素振りに踊らされたと絶望し、2次元に帰還したそうだ。


続いて、阿東 鷹(18)。タカではなくヨウと読みます。だが、女性に対してはタカくん。スキンシップが大好きで、男女問わずべたべたしてくる生粋のチャラ男。浮気はしないが、フリーのときは...、と言うのが彼のポリシーらしい。


そして、当店唯一の若手良識人、内堀 麻友(20)。教師を目指すJDである。ラグビー部の男子と良い感じらしい。仕事は極めて真面目。話す言葉も落ち着きがあり、一番、一緒にいて安心できる。彼女にするなら、こんな娘が良いなんて私は思うが本人曰く「頑固でめんどくさい」らしい。そうは見えないのだが...。


最後に神奈川 芳樹(21)。バイセクシャル。最近、美人の彼女ができたらしいが...、本人曰く、メンヘラらしい。ちなみに彼とは飲み会のノリで2回ほどキスをしている。私はバイではない、たぶん...。


以上が私の愛すべき仕事仲間なのだが、本日、2名の面接が入っている様子。

しかも、私の敬愛する田原さんの娘(15)、とその友達(15)。15歳だが高校1年生。働ける年齢である。夏休みを機にアルバイトを始めたいらしいのだが、田原氏曰く、「知らない間に勝手に応募していた」らしい。店のメンバーは何回か食事会などで面識があるらしいのだが、私は初対面なのだ。別に食事会に呼んでもらえない寂しい人なのではなく、実は私はこの店に転勤してきて、まだ、2ヶ月なのだ。ガソリンスタンドのお仕事も社員になると転勤が付き物なのだ。それはともかく、田原さんの娘さんは大層な可愛い娘らしい。それは田原さんの娘さんなのだから、当然と言えば当然。なにせ、女性の苦手な西田君が7年前から「嫁にする!」と公言しているほどの可愛い娘らしい。・・・アレ???今15歳で7年前って・・・。ガクブル...。法律案件???


そして、やってきました。制服姿のJK2名。よく見ると制服が違っているので、お互い違う高校に通うJKだと言うことが分かる。一人は件の西田君の嫁、田原 ほのか(15)。噂通り、すごく可愛らしい娘さんだ。目鼻立ちがはっきりとしていて、どことなくオリエンタルな感じが漂っている。麗しの田原さんの娘だと一目で分かる美しさだ。もう一人はボーイッシュな感じのJKだ。制服も本人の希望なのか、スカートではなく、スラックスなのでより一層、少年感が出ている。事前に聞いてなければ、失礼ながら、男の子と間違えていたかもしれない。イケメンである。

田原ほのかは母親を見つけると、


「ママー!!」


全力で手を振りながら佳也子さんに駆け寄ってくる。仕事中ともあって、少々つれない態度で迎え入れるが、ほのかはそんな事はお構いなしに絡みかけていく。


『ああ、明るい、素敵な家庭なんだろうなぁ』


なんて、ほっこりしてしまう。

一緒に来た友達も佳也子さんに丁寧に挨拶をしている。どうやら、親御さん公認のお友達?なのがうかがえる。しかし、二人の仲の良さ(いちゃつきっぷり)は友達の容姿も伴って彼氏彼女に見えてしまう。そういう視線は既におっさんなのだろう。

一通りの親子のコミュニケーションを終えると、佳也子さんがサービスルームに待つ面接官のほうに行くように二人を促す。二人は丁寧に面接官に挨拶をすると、面接官が笑顔で面接の説明を始める。

先に面接するのはほのかだ。


「田原ほのかです、よろしくお願いします!」


この仕事は挨拶と笑顔が大事。もはや採用です。かわいいし・・・。

いや、違う。内幕をいえば、佳也子さんの紹介ともあって、面接は形式だけで採用は既に決まっているのだ。縁故採用?その通りではあるが、昨今、わざわざ時給がいくら高くとも、なかなかガソリンスタンドで働きたいなんていう若い子は少ないのである。つまり、そもそも、高校1年生で面接に来た時点で、ほぼ採用である。まあ、頭髪・ド派手な化粧・ド派手なアクセサリーなどはNGという制約はあるが・・・。大手ほどそういう見た目は厳しいのである。女子であっても、頭髪はカラー8番までとかなり厳しい。ただし、あまり、厳密に守っている女子は少ないが・・・。

なんてことを思っている間にほのかの面接は終わったようだ。続いて、ほのかの友達の番だ。


「古河 りずはです・・・。おねがいします・・・。」


あら?見た目とはギャップがあってかなり声も小さい、無表情なおとなしい娘のようだ。ほのかと話しているときは普通だったので、もしかしたら、緊張しているのか?それとも、人見知り?まあ、ともあれ、先ほど申し上げた通り、採用は決定している。人見知りは、よくなかなか直らないと言われるが、ようは慣れである。長いこの仕事の経験上、大概は本人に直す気さえあれば、直る。根本は変わらないが、お金をもらって働いている以上、どんな人でも多少の責任感は生まれる。後は、休憩時間、アイドルタイムなどで、私たち既存スタッフが積極的に話しかけて、何とか笑わせる。この手の術は職業的に自然と身につく。もし、疑問に思う方がいたら、接客業の人と二人でお食事することをお勧めする。きっと、楽しませてくれるはず。なんだったら、私が・・・。

なんて脱線している間にりずはの面接が終わったらしい。


「面接は以上になります、じゃあ、今日ははんこは持ってきていますか?」


おいおい、省略しすぎじゃないかい?普通は「面接の結果は後日、電話でお知らせします」なはずだが、はんこを要求すると言うことは、本日契約、明日から出勤可能である。実にそういうところは従業員も会社も手がお早い。


と言うことで、ほのかとりずはは本日を以って、当店の愉快な仲間に参入いたしました。

これから始まる、この愉快な仲間たちとの日常(お仕事)をお楽しみに!




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