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映画を観た。感想を書いてみた。  作者: 依馬 亜連
2026年視聴

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120/122

『WEAPONS/ウェポンズ』

【作品情報】

原題:Weapons

製作:2025年/128分/アメリカ

監督:ザック・クレッガー

出演:ジョシュ・ブローリン/ジュリア・ガーナー/オールデン・エアエンライク

ジャンル:ホラーとギャグは紙一重だね系ホラーミステリー

(参考サイト:Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/)



【ざっくりあらすじ】

アメリカのメイブルックという小さな町にある小学校で、1クラスの生徒がほぼ全員失踪するという事件が起きた。

しかも揃って夜中の2時17分に、アラレちゃんみたいなキーン走りで家を飛び出していったのだ。異常すぎ。


唯一残った生徒のアレックスと、彼らの担任教師であるジャスティンは町中の注目を集めることに。

特にジャスティンは、消えた子どもたちの保護者から「お前のせいだろ!」と詰め寄られる始末。

元々アル中の気がある彼女は、ほとぼりが冷めるまでの休職も言い渡され、ヤケ酒や元カレのポール(既婚者・絶賛倦怠期(けんたいき))とのワンナイト・ハッスルをしたりとやさぐれていた。


しかし校長のマーカスから接触しないよう言いつけられていたのに、アレックスの様子が気になって仕方がない。

そこで彼の家に行くと――窓という窓が、新聞紙で覆われていたのだ。新聞紙の隙間から恐る恐る中をのぞくと、アレックスの両親がソファに並んで座ったまま微動だにしない。室内は真っ暗なのに。


これ、絶対ヤバいって!その内、頭にアルミホイルも巻くパターンやって!

ジャスティンはマーカスに叱られ覚悟で、「アレックスの家に勝手に行ったら、両親がイカれてるっぽい。様子を見てあげて」と頼み込む。


一方、失踪した子どもの父親であるアーチャーは、ジャスティンが犯人と考えて彼女へせせこましい嫌がらせをする日々。

嫌がらせの合間に、他の子どもの両親から監視カメラの映像を見せてもらって、失踪時の様子を独自に調べていた。

アラレちゃん走法の子どもたちは、どうやらある家を目がけて走って行ったようで……?


そんな時、ガソリンスタンドで偶然ジャスティンと遭遇。

いっちょ文句を言ってやるぜ!と意気込むも、そこへマーカス校長が走り込んできた。

あの、アラレちゃん走法で。しかも目がガンギマりで、顔が血だらけである。


そのままマーカスは、ジャスティンを殺そうとタックル&執拗(しつよう)に追い続ける。

諸々の謎や疑問が吹っ飛ぶバイオレンス展開に巻き込まれ、アーチャーもようやく察した。

「あ、これ、ジャスティンは犯人ちゃうわ。アル中教師にどうにかできる事態じゃねぇ。ってか襲われとるし」と。


全ての原因は、たった一人残された生徒・アレックスにあった。

正しくは、彼のお人好しな両親の善意をがっつり利用し、図々しく家に上がり込んでいた大叔母のグラディスに。

イカれたビジュアルのババアであるグラディスは、実は中身も超イカれていたのだ。



【登場人物】

ジャスティン:

美人なんだけど、隠しきれないやさぐれ臭が漂う教師。過去にも職場内の不純異性交遊や飲酒運転でやらかした経験あり。

しかしマーカス校長から「もうちょっと自重(じちょう)せえ!」とツッコまれるぐらいには生徒たちに心を砕いており、良くも悪くも加減が出来ない人なんだろうね。


アーチャー:

中小企業の社長をやってる男性の最大公約数みたいなビジュアルで、態度のデカいザ・オッサン。

ビジネス街のご飯屋さんでお昼時に見かける、メニューも見ずに「姉ちゃん、ビール持って来てや!」って店員さんに命令するタイプですね。

しかしふてぶてしい一方で正義感も強いらしく、数秒前まで疑っていたジャスティンがピンチになったら躊躇(ちゅうちょ)なく助けるナイスガイだったり。やるじゃん。


ポール:

ジャスティンの元カレで、ケツと圧の強い嫁に若干怯えている警察官。ちなみに嫁のお父さんが上司っぽいぞ!

そんな職場環境と嫁のケツ圧から逃げるためか、アルコール依存症を患っていたらしい。ただいま一生懸命断酒中。

上の二人の濃さに隠れがちだけど、コイツの方がたいがいアレです。


ジェームズ:

こちらはヤク中のテント生活者。いわゆる社会のゴミである。

金目当てでアレックスの家に忍び込んで、気が付いたらとんでもなく巻き込まれていた。上記3人がまだ少しは分別(ふんべつ)が残っていただけに、擁護(ようご)不可避の自業自得。つまりホラー映画に最低1人は必要な、「心の痛まない犠牲者」枠である。


マーカス:

小学校の校長で、ジャスティンの上司。

素敵なお家で、恋人と平和に暮らす良識人な固太りおじさん。そしてシゴデキっぽい。

ホラー映画に出て来る、脇役の善良な常識枠――こちらも、まあ、どうなるかお分かりですよね。ハーイ。


アレックス:

ある日突然家に転がり込んできた大叔母グラディスの迷惑を、誰よりも被っている薄幸の小学生。

いつも儚げな顔をしているし実際気も小さいのだが、妙に肝が据わっている側面も。

土壇場での爆発力がすさまじい。キレると、何やらかすか分からないタイプかも。


グラディス:

闇堕ちした平野レミさんみたいな、諸悪の根源。誇張なく、マジで全部コイツのせい。

自称アレックスの母の叔母らしいが、そもそも人なのかも怪しい。



【感想など】

アメリカの田舎タウンで、子どもの集団失踪から始まるギスギス村八分ミステリーかと思ったら――なんかドリフとか、バカ殿みたいなノリになったでござる!!


オムニバス形式だったため、最初は「うん?どう転ぶんだこれ?」とフワフワした手触りに困惑していたのですが。

出て来る大人が総じて嫌な奴で、「なんかこいつらが死んでも、心痛まんなぁ」とか考え始めるようになり。


で、常識人枠だったマーカス校長が彼氏ともども酷い目に遭った辺りで、ガラリと流れが変わりました。


そこから解決編もといアレックス視点に突入し、全ての経緯が開示された途端、今までふてぶてしくてしゃーなかったジャスティンとアーチャーのタフさ・懲りなさが一転して超頼もしく感じる不思議。


アレックス家での最終決戦(?)では、こぶしを握りしめて二人を応援しておりました。

行け、ババアをこらしめてやれ!


小悪党にもっと強大な悪をぶつけることで、主人公ズに薄っすら抱いていた嫌悪感がガラリと変わる手腕がすごい。素晴らしいヘイト・コントロールです。


ちなみにこの強大な悪もといアレックスの大叔母グラディスこそが、最終盤のバカ殿であります。

失踪していた子どもたちに追われ、町を全力疾走する姿は完全にコント。


オチでまあまあグロい展開が待ち受けているものの、そのテンポすらもコントです。BGMで『ウィリアム・テル序曲』(もちろんトランペットのパートから)や『盆回し』(ドリフのオチで流れるアレ)が使われていても違和感がない。


そしてコントじみたアホアホ残虐シーンを観終えた後、胸に去来するのは映画冒頭のナレーションへの理解。

冒頭で町の女の子が「沢山の子どもが犠牲になったけど、大人がそれを隠した」みたいなことを言っていたのですが――


隠したんじゃない。

これは、大人もワケが分からなすぎて説明しようがなかっただけだ。

つまり『ギャグマンガ日和』の「ハリスインパクト」回と同じオチです。


村八分に始まってバカ殿を経て、ハリスに落ち着く――どういうこと?

これで面白くまとまってるのが、輪をかけて不思議な映画でした。なんだこの映画。

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