『この動画は再生できません THE MOVIE』
【作品情報】
製作:2024年/94分/日本
監督:谷口恒平
出演:加賀翔/賀屋壮也/和田雅成
ジャンル:この世に不思議なことは何もないんだよ系ミステリー
(参考サイト:公式サイト https://www.tvk-yokohama.com/konodoga/)
※ご注意ください※
映画の前身である、ドラマ版のシーズン1・2の内容に普通にベタベタ触ってます。
「ネタバレは絶対許さないでござる!」な方は、読まない方がいいです!すんません!
【ざっくりあらすじ】
かつて『本当にあったガチ恐投稿映像』シリーズを制作していた江尻は、自宅で映像編集の仕事を請け負うフリーランスさん。うらやま。
そんな彼には『ガチ恐』シリーズで一緒に働いていた(そして色々あって死んだ)、鬼頭というおじさ――お兄さんの幽霊が憑いている。
別に呪いをかけるでも、また守護してくれるわけでもなく、まさしく毒にも薬にもならないロン毛幽霊との同居生活を謳歌中の江尻の下に、旧知の梅田からある依頼が入った。
それは「主演俳優が自殺した」といういわく付きの、とある自主製作映画の映像を調べて欲しいというものだった。
二人に付き合わされている我々観客も眠くなるような謎映画は、どうやらコンプラに違反しそうな映像を無理やりカットした結果、余計に意味が分からなくなっていただけの模様。時代に乗り遅れちゃったんだね。
しかし、もちろん話はそれで終わるはずもない。
その後に偶然目にした迷惑系YouTuberの生配信映像や、梅田から編集を依頼された街ブラロケ映像と見続ける内に、江尻は3つの映像の関連性に気付く。
そして彼が見つけた関連性は、やがて埋もれていた過去の事件にもつながり――
なおこの間も鬼頭は、何も気づいていなかった。
何故なら毒にも薬にもならない幽霊だから!
【登場人物】
江尻:
編集テクと推理力が冴え渡る、映像編集と心霊動画の調査業をこなすフリーランス。
色々あって、彼女とは別れた。
ドラマ版だと常に冷静で有能っぽかったけど、注目されるとテンパるタイプらしいということが明らかに。プロジェクター設置シーンの、気まずさと言ったらもう。
鬼頭:
おそらく史上もっとも無益で、そして悲壮感のない幽霊。
でも今回は映画冒頭で「俺の名前は鬼頭!」と爽やかに名乗りを上げ、『名探偵コナン』よろしくドラマ版のお話をダイジェストで教えてくれる。初めて役に立ったかもしれない。
彼が死んだ詳しい経緯については、ドラマ版のシーズン1・2を観てね。
梅田:
シーズン2初出の、元テレビ局スタッフの女性。
2最終話の後で色々(お金や権利絡みの揉め事が)あったらしく、現在はオカルト系のWEBメディアを運営中。
結果、妙にパンクでつよつよなビジュになった。正直、嫌いじゃないぜ。
そして押しの強さは相変わらずである。
塚原:
梅田の部下のカメラマン。
江尻君が監督志望で映像業界に入った(そしてテンパりまくっていた)時、彼に編集スタッフとしての道を提示してくれた恩人でもある。
オカルトが好きらしく、同僚から「ほとんどヤラセですよ」と教えられて地味に傷付いてた。そういうこと言ってやるなよ!
増村:
シーズン1で酷い目に遭った、オカルト系YouTuber。
その件で懲りたのか、あるいは何か思うところがあったのか、ドローンの免許を取ったりと自分磨きに余念がない。
今回もやや空回りなハイテンションで頑張っている。負けるな。
アキラ100%:
本人役でご登場。
なんと、服を着ている。
【感想など】
テレビ神奈川でのみ放送されていた30分ドラマが、サブスク配信を経て映画化……ネット社会の光の象徴やん。ありがとう、情報化社会。
面白いホラー/ミステリー作品が増えると、大変ハッピーです。もっと増えろ。
ドラマ版の内容についても、一応ざっくりお伝えいたしますと。
心霊ドキュメンタリーシリーズを作ってる江尻&鬼頭コンビが、視聴者から投稿された映像を観る→鬼頭さんが素直に怖がる→江尻君が映像に隠された謎・事件を解くという安楽椅子探偵ものとなっています。
その謎も全てが人為的なものなので、心霊要素は一切ありません(※鬼頭さんを除く)。
映画版は94分ということで、3本の映像の謎に江尻君が挑みます。
しかも一見すると無関係なその3本にも、あるつながりが見つかって……という、これみんなが好きなヤツー!
緊張には弱い江尻君ですが、相変わらず洞察力と思考力はキレッキレです。小さな違和感から真相を手繰り寄せてくれます。
また謎は全て、作中の動画内に集約されているので。謎の出現スポットが非常に限定的なおかげで、我々視聴者側も探しやすかったりします。
実際、自分のような集中力と洞察力に難アリな人間でも「ん?何だ今の?」と、いくつも違和感を見つけられる。
だからこそ余計に、種明かしパートが面白いのです。
そしてドラマ版ではシーズンを通して1つの謎が仕組まれており、今回の映画版も3本の動画を貫く謎と一緒に、更にもう1つおまけの謎が用意されています。
美味しい構造だねぇ、セボンスターかよ。
なお、一方の鬼頭さんはドラマシリーズでは「ちょいアホなワトソン君」ぐらいの立ち位置だったのですが、映画版では心なしかヒロイン度が上がってます。
相変わらずちょいアホなままなのですが、物語の舞台が事務所から江尻君の自宅に移ったからか、自由(死)人度が増しています。常にキャッキャしてて、妙に楽しそう。あと天然な挙動も増えている。
ワトソンよりもピノコに近いかもしれない。つまりなんか可愛い。くそう、30代のおじさんなのに!
が、おじさんにほんわか和みつつ、奇妙な動画の謎に挑むのも乙でございます。
シーズン3も、今から楽しみです。




