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『残酷で異常』

【作品情報】

原題:Cruel & Unusual

製作:2014年/95分/カナダ

監督:マーリン・ダービズビック

出演:デヴィッド・リッチモンド=ペック/ベルナデッタ・サクイバル/ミシェル・ハリソン

ジャンル:サスペンス

(参考サイト:フィルマークス https://filmarks.com/)



【ざっくりあらすじ】

意識を失った妻メイロンに、心臓マッサージを施す主人公エドガー。だが、妻は帰らぬ人となってしまった。

そして次の瞬間、彼も苦しみ始めて命を落とす──と思ったら、その日のお昼にタイムスリップしているエドガー。


訳が分からないよ状態の彼だが、「悪夢でも見ていたようだ」と自分を納得させることに。

運転中だったのに、それで良いのだろうか。


その日は色々と、トラブル続きだった。

メイロンの連れ子であるゴーガンが、同級生をホッケースティックでぶん殴った後に家出をし、芝刈り機が故障をし、そして持病の胃潰瘍が超絶悪化。


グッタリしながら自室へ戻ろうとすると、今度は閑散としたリノリウム張りの空間(古ぼけた病院や刑務所のよう)に迷い込んでいた。


何が起こったのか、自分はどこにいるのかも分からず、辺りをうろつくエドガーはやがて、古ぼけたブラウン管を囲う、男女の集まりを目にする。


ブラウン管に映る老女が、エドガーに視線を向けてこう言った。

「座りなさい。そして何をしたのか、皆に言いなさい」


果たして、エドガーは何をしたのか。そもそもここはどこなのか。



【登場人物】

エドガー:

主人公。デブメガネ。

外見からもなかなかスタイリッシュさに欠ける&シャツに謎の染みがあったりと、不潔っぽいオッサンであるが、性格も「いるいる、こういう奴!」というリアルさのあるクソ。

この映画を楽しめるかは、エドガーのクソっぷりを許せるかどうかにかかっている。


メイロン:

エドガーの嫁。三十歳で十三歳の子どもがいるという、冷静に考えるとかなりぶっ飛んだ奥さん。しかも連れ子なのだ。波乱万丈。

冒頭では飲酒運転にノリノリだったりと、結構イラッとする部分もあるのだが、エドガーと比べれば微々たるもの。

というか、どんどん応援したくなる。頑張って、奥さん。


ゴーガン:

メイロンの息子。作中一番の被害者。けっこうイケメンボーイである。


ドリス:

エドガーが謎の空間で出会う、ミニスカートなのに豪快に足を組む女傑。

悪い意味でめげないエドガーを、経験則から色々とたしなめてくれる。美脚。



【感想など】

この映画はコンプレックスをこじらせたオッサンの成長を、生暖かい目で見守る作品である。


まあ冒頭~終盤手前まで、エドガーが腹立たしいこと!

いいから言うこと聞け! 己を省みろ! 周囲に気を配れ!

などなど、見ていると頭をティンパニーの如く連打したい衝動に駆られる。


しかし終盤では、まさかの漢を魅せてくれる。

腹が立った時は、その怒りを筋トレなどで発散しつつ、鑑賞を続けて頂けると幸いです。


加えてループものの体も取っており、結末の落としどころも見事なので、観終わった際の心持ちは案外爽やか。脚本が匠でござる。


エドガーに爽快さを抱いてしまうなんて、悔しいっ! でも面白かった!

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