3.蒼穹の力
今回やっと空港からでます。
「ひっ、私をま、守れーーー!」
子分のうちの何人かを斬った時神埼がそう叫んでいるのが聞こえた。まぁどうでも良い俺は綾音を守るそれだけだ。俺は刃を精製して子分の一人をまた斬る、決して殺さないように、痛め付けるように、自分達が誰に喧嘩を売ったのかわからせるように、二度と大切な者を奪われないように、ただ敵を斬る。
「蒼穹君、こんな所で戦っちゃダメだよ。君がこんな所で戦っちゃダメ、私は君の傍にずっといるよ❗だから落ち着いて。ね?」
私はなんで今蒼穹君が暴走してるのかを知っている。彼は私を奪われる事を恐れている。その理由は多分彼のお母さんとお父さんの事が関係している。私はどうすれば良いんだろう?ただぼんやりとそんな事を考えていた。
神埼は考えていた。自分がどこで間違ったのだろうと、山城の人間なんて弱いと思っていた事だろうか?目の前の少女達を自分の物に無理矢理しようとしたことだろうか?それともこの化け物に関わった事だろうか?ワカラナイワカラナイワカラナイ自分の何がいけなかったのかまったくわからない、でも1つだけわかることもある、あの化け物は後ろにいる少女を守ろうと戦っている。ならば、自分はあの少女を人質にとれば少なくともこの状況からは逃げられる。そしてその人質を帰った後犯せばストレス発散にもなるだろう、綺麗な顔をしているし、犯すにはちょうどいいだろう。と思いながら術式を練り上げ綾音を狙い魔弾を射った。
「おい、化け物貴様の女は俺がもらってやる『魔弾射出』」
綾音を狙って魔弾飛んでいく、防御術式は間に合わない、回避もできない、綾音は目をつぶりながらすがるように叫んだ。
「助けて、蒼穹君‼」
綾音の声が聞こえた。
俺はなにを…ああ暴れていたのか。
綾音に魔弾が迫っているのか
あの力を使いますか。
「さて、ちょっと世界を変えましょうか。」
ゆらりと立ちながら蒼穹は確かにそう告げた。
「ちょっと待て蒼穹、そんなことしたらクソ、お前あの力使いこなせないハズだろ止めろ、こんな所でやったら被害がでかすぎる。」
「大丈夫、大丈夫、制御は出来るようになったから。だからちょっとだけ頼む。」
「わーったよ。もうどうなっても知らねぇからな!」
「今、我が唱えるは幻想。」
落ち着いて詠唱をしろ、じゃないと綾音を守れない。そして、信じろ仲間を今自分に向かってきた敵を夜が倒してくれると。
「世界を飲み込み変革する程の幻想」
これがやっと使えるようになった俺の俺だけの力
「3式固有魔術『我らが前に幻想を』」
その瞬間あったはずの魔弾はもとからなかったかのように消滅した。
「え?私の魔弾が消えただと、術式は完璧に起動していたはず、なのに何故、何をした‼このクソが‼」
「何って、お前が魔術を使えないようにしただけだけど?それが?」
それは確かに常識はずれの事である。神埼は知らなかったのだ。固有魔術の理不尽さを、自分と相手の実力差を。
「お前はなんなんだ、この化け物‼」
そういう言葉しか出てこなかった。
その化け物は一人の少女を肩に抱きながら応えた
「俺か?単なる魔術師の天翔蒼穹ですけど?それがどうかしましたか?」
「お前覚えていろよ、この私に楯突いた事を後悔させてやる‼」
「で、あなたの名前はなんなんですか?名前も言ってないのに覚えていろよはないでしょ?それともなんですか?あなたの名前は負け犬夫君ですか?」
「止めてあげなよ蒼穹君いくらなんでも可哀想だよ。後助けてくれてありがとう♪だーい好き♪」
「おう、いつでも助けてやるよ、愛してるぞ、綾音‼」
二人は抱き締めあった姿のまま自然に口づけをしていた
「あーあ、お熱いことで公共の場所でやるか普通?夏音俺たちもやるか?」
「…やらない、絶対にやらないから…そんな物欲しそうな顔してもダメ」
「俺とのキスはイヤ?」
「ううん、ここではイヤ。」
「今度落ち着いた所でならどう?」
「それなら喜んで」
そうやってバカップル二組がイチャついてるいると車がロータリーに入って来た。
「なんだ、この血とか、ほっとかれてる男とか、可哀想www 、蒼穹何やらかした?」
「春ねぇ、絡まれたやり返しただけだけど?」
「まぁいいけど…4人ともさっさっと車に乗った乗った帰るよ‼」
「はーい」
こうして色々と置き去りにして俺らは空港を後にした。
神埼君と愉快な仲間達は今後も登場しますよー
…多分ね