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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

同胞A.B.Cよ! 僕に続け!

作者: 。。

僕らの家には同胞が三人いる。ユカタ姿の同胞Aとキモノ姿の同胞B、そしてスーツ姿の同胞Cだ。ちなみに僕はヨロイ姿である。性別は女、女、男、男だ。今四人の外敵が我が家に入り込み我が物顔で暖を取っている。そいつらをどうにかするために僕らは集まって作戦会議をするのだ。



「今日集まってもらったのは他でもない……」


会議開始そうそうに口を開いたのは同胞C、彼は僕らのリーダー的存在でありカリスマがある



「外敵の、襲来だ……」


スーツ姿の彼の重苦しい声を聞くと、何故だか息苦しく感じる。同胞A.Bはこの空気に耐えられなくなったのかペチャクチャと今日のメイクのノリについて話していた。女二人で姦しいなんてこれいかに。


こんな時になんてやつらだ。僕はスーツ姿の彼の言葉を深刻そうにうなづきながらアクビをした。


同胞Cは話を続ける。



「外敵は四人組。男、女、男の子供、女の子供だ。現在一階のリビングルームで暖を取っている模様。この家は3階建てだからまだ索敵率1%ってところか。フッ。

とりあえず外敵だから殺そう」


何がとりあえずなのかよくわからないがどうやらスーツ姿の彼の話は終わったらしい。ユカタ姿の同胞Aとキモノ姿の同胞Bはスーツ姿の彼の話が終わる前に会議部屋から出ていた


なんて奴らだ……。僕は椅子の上で寝ると起きるカクカクで神妙にうなづきながら、二人の不真面目さに憤りを感じた



「それでは、解散だ………」


無駄に一個多い三点リーダーを残してスーツ姿の彼は部屋を出ていった。僕はその後も殊勝にもなるほどと首を揺らしながら寝た






翌日、早速ニュースで僕らの起こした事件が取り上げられた。黒幕である僕らは何一つ疑われちゃいなかった。

警察は連続猟奇的殺人事件として捜査に当たっているらしい。

まあ、殺し方がえぐかったもの。僕は女の子供を焼き殺したし、ユカタ姿の同胞Aは男を出血死させたし、キモノ姿の同胞Bは男の子供をショック死させたし、スーツ姿の彼は女を溺死させた。

いくら僕らはその性別や年齢の違う人に恨みがあるからって言ってもやりすぎなのは明白だ、特にキモノ姿の同胞Bが子供にやったのはえぐかった。白と赤でピンクじゃなくてミンチ肉と白砂で水玉とか、いやな発見をしたもんだ。事件現場発見した時、警察官とかあまりの残酷さに吐いてたし



まあこの事件でまたこの土地と家の価値が下がっただろう、何度も同じ家でおぞましい殺人を起こしたから。まあ結果オーライか。だけどまた誰かがここに入所してくるはずだろう、願わくば入って欲しくはないんだけど。あんまり殺したくないし。まあ僕らは全員とある人を恨んじゃってからずっと人に恨みを撒き散らすようになっちゃったんだけど


…ああ、そういえば、昨日の夜にリビングルームでテレビがついていたね


血がついてよく見えなかったけどテレビの番組をやっていたね


そこには少し前に起こした僕らの事件についての話がやっていたね


そして僕らが犯人だと言っていた


僕らの写真まであったよ


警察が見つけられなかった犯人を見つけられるなんて、なんて凄いんだろう



その写真には同胞A.B.C、そして僕の集合写真が写っていた。いやはや、本当にすごい。アレは警察が撮ったはずなのにどうしてテレビ局が持ってるのだろうか、てかよくテレビに出す許可降りたね。まあ、それにしても犯人を僕らだと考えるなんて素晴らしい想像力だ


現実は小説より奇妙なり、だね


ああ、その番組が今日もやってた


なんと昨日の事件を受けての緊急の特集らしい、恥ずかしいなあ、僕らは出るだろうか、もしかして突撃インタビューとかきちゃう? 家封鎖されているけど


僕はみんなを呼んできて、一緒にテレビを見た



「テレビとかよく押収されなかったねー」


「いくら押収してもこの家に戻ってくるから無駄だと思ったんじゃない?」


同胞AとBの話に耳を傾ける。

僕は今更、警察が見張ってる中でテレビを見る危険性を感じたが同胞Cの服が真っ赤に染まってることで警察は殺されたことに気づいたのでどうでもよくなった。



「はじまるぞ……」


三点リーダー御用達の同胞Cは告げた。

一番最後に来たくせにテレビの前の真ん中に座っている同胞Cを同胞AとBが顔を合わせて話しながら蹴っ飛ばした。僕は普通に椅子を持ってきて地べたに座っている同胞らを鼻で笑った。

同胞Cは蹴っ飛ばされた勢いでまっすぐに立ち上がりイスを取りにいった



『こんばんは、今日あのおぞましき事件がまた起こってしまいました』



「つけまつげってよくない? 」


「ネイル塗りたい」


僕はなんてうるさい奴らなんだと思いながらいびきをかいて寝ていた。


司会は鎮痛な顔持ちで言った。



『この連続猟奇殺人事件はいつも同じ家屋で起こり、惨たらしい殺され方がされます』



「…入る方が悪いじゃないか」


椅子を取って帰ってきた同胞Cが珍しく苦渋の顔でそう言った。確かにそうだ、僕らはそういうものなのだ、あまり近づかないでほしい。


キキッと車が止まる音と息をのむ音が家の周りからしたことを僕らは気づいた。僕らは番組の続きを惜しみながらも同胞Cの後ろをついて行って僕らがギリギリ通れるネズミ孔から逃げていった。


テレビはつけっぱなしにした。





誰も見ていないつけっぱなしのテレビ


『今回で3回目です、絶対にそこには入居しないでください』


今、外では警官が集まり包囲網を作っている


『その家屋ではいつもあるものが見つかります、警察は犯人の悪い趣味と言います。しかし当番組スタッフ一同はこう思います、原因はこいつらではないかと』


この後、沢山の警察を動員され次第には特殊部隊まで訪れる

   

『血塗られた家屋、殺人事件が起きて警察が証拠品として回収しても必ず家屋へ戻ってきます』


さりとてこの家に入ったものは殺される


『なんと、家屋は勝手に綺麗になるそうで。こいつらは家を守っているのでしょう』


気をつけろ。正解をしった者でも殺された。常識はいつも通用しない


『ええ、そこには』


……奇しくもオカルト特集の話が当たっているなんて思わなかっただろう



『スーツに、キモノに、ユカタに、ヨロイ』




『血濡れた醜い人形がありました』











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