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あこがれ少女  作者: mia
6/6

赤と青と白

「ひめさま!!」

「ひめさま!!」

「ひめさま!!」

3人の幼い子が舞台に近づいてくる。

「見えなーい」

「見えなーい」

「見えなーい」

石台の上に作れた舞台は2mくらいの高さがある。

幼い子には少し見づらいようだ。

段々と村の人々が集まってきた。




「姫様お体の調子はいかかですか?」

小姫が声をかけてきた。

車椅子ではなく自分の足で立っている。

「問題ありません」

部屋から出てきた小雪は化粧をして千早の袴を着ている。左上に鈴を2つ吊るしている。

歩くたびに鈴が鳴る。

「人がかなり集まってるぞ」

小姫の隣にさくらが。声が少し上擦っていて、表情が硬い。

「小姫さん行きましょう」

「はい。姫様」

小姫は「大丈夫」っとさくらの頭を撫でる。





舞台に小雪、風夏の2人が上がる。

照明が少し眩しい。

「姫様も大きくなられた」

「お綺麗で、先代によく似ておられる」

村の老人達の声が聞こえてくる。

毎年同じことを聞いている。


舞台の中心に座り深くお辞儀をする。


ざわめきがなくなり静寂に包まれる。


スッと音もなく立ち上がり。


大きく一呼吸置き。


瞬きを一回。


気持ちを沈め。


手をスッと挙げる。


手に持った神楽鈴がシャリンっとなった。








「ねぇさま!ねぇさま!!あれ見て、人じゃないものが人の真似してるよ〜。食べてもいいかな??」

「だぁ〜めぇ〜!!!!先に見つけたの私だもん!!!私が食べたい!!ねぇ、いいでしょう?ねぇさま!」

「はぁ〜?ダメよ!私が先に見つけたのよ!」

「でもでも、力を感じたのは私が先だよ!!」

「なによ弱いくせに!!」

「弱くないもん!!」

「「ねぇさま、私が食べてもいいでしょう?あの半端モノ」」

「少しは、殺しがいがあればいいのですが…」





「おい小姫、よくないものが近くにいる」

舞台が終わり小雪は扉の向こうで着替えている。

「よくないもの?」

「黒いドロドロしたもの、感じないか??」

さくらの顔が強張っている。

「すいません。なにも…」

その時勢いよく扉が開いた。

「さくら、なにこの感じ。黒い何かがいる。早くみんなを非難させないと。」

小雪が珍しく慌てている。

口調が早く、今にも部屋を駆け出しそうだ。

「待て、場所も目的も分からないんだぞ、少しは落ち着け。」

さくらが小雪の腕を取り止める。

「さくらちゃんの言う通りです。少し落ち着いてください。」

小姫が小雪の前に立つ。

一瞬の沈黙

「ごめんなさい」

小雪頭を下げる。

その姿を見た小姫がクッスと笑う。

「お姉様、リボンが乱れてますよ。」

「慌てすぎだ」

「本当にごめんなさい。」

「はい、できましたよ。お姉様」

「ありがとう、小姫」

「ひ〜め〜さ〜ま〜。」

廊下を走ってくる小さな女の子っと、それを追いかける男の子。

この光景どこかで見た気が…あるよな、ないような、さくらは眉間にシワをよせる。

小姫が走ってくる女の子を受け止める。

「姫様、申し訳ありません。」

男の子は息を切らしている。

小姫に受け止めてられた女の子は懸命に小雪に手を伸ばしている。

「なにか変わったことでも?」

小姫が女の子頭を撫でながら男の子に問う。

男の子は大きな深呼吸で息を整える。

「姫様にお客様がお見えになっております。いかがなさいますか。」

「お客様」その単語で近隣の村の人間ではないことがわかる。

「あっちから出向いてきたぞ」

さくらが、どうすると目で訴える。

「伝令ありがとうございます。お姉様いかがいたしますか?」

2人の視線が小雪に集まる。

「行きましょう。案内をお願いします。」



屋台の灯りで少し星が見えにくい。

「たい焼き美味しい!」

「ねぇさま見て、チョコバナナ」

2つの屋台で小姫と同じくらいの年の子がはしゃいる。一人は…たい焼きの屋台にいる方は青髪のベリーショート。チョコバナナをほうばっている方は赤髪のショートカットで前髪で左目を隠している。

そして、もう一人、金魚の屋台で水槽の金魚を見ている。髪が桃色なのですぐにわかるっと言っても、なぜか屋台通りにはには3人しかいない。

「あらあら、とてもかわいいお姿で。」

金魚を見ていた桃色の髪の少女、年齢的には20歳くらいだろか、

髪は腰くらいまであり、白いシャツに銀鼠色のカーディガン、緑色のロングスカート、黒のブーツを履いている。

赤髪と青髪の方はブレザーを着ている。高校生くらいだろうか。

「いいな!!いいな!!」

3人が集まる。

「ねぇさま、私もあのワンピースほしい!」

と赤髪

「ワンピースなんて子供の着るものよ」

と青髪

「何をしに来た」

さくらの声は殺気だっている

「まぁまぁ、怖いこと。争いに来たわけじゃないのよ。」

優しく冷たい声、まるで心がないような。

「そうよ、私たちはねあんたの力を貰いにきたのよ。私はゆう。こっちの青いのは」

「てんだよ。」

「そして私がしろ」

「力を貰いにきたって、なんのことだ。」

さくらがおどけてみせる。

「私は小雪、こっちの小さいのがさくら。左にいるのが小姫」

「お姉様!?」

「おい、なに自己紹介してるんだ!頭を撫でるな。」

驚く2人を置いて小雪は話を進める。

「いい村でしょ。私はここでは争いごとはしたくないの。なのでお帰りください。」

あくまでもにこやかに。争いごとはめんどくさい。

「ゆう」

「てん」

2人は手を繋ぐ

片手を挙げ、小雪たちに向けて電気を放った。


あたりに煙が立ち上がる。

「ねぇさま、これで新しい力が手に入りますね」

「どんな力か楽しみ」


煙が晴れていく



あたりは星が綺麗。











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