まだまだ
たすけて、たすけて
少女は星が綺麗に輝く空の下ただただ歩いていた。行く場所もなく、帰る場所もなく、どのくらい歩いたのかもわからない、裸足で、足に怪我をしていも歩き続けていた
「こんにちは、あなたは人間?」
どこからともなく声が聞こえた
「たすけて」
「何からあなたを助ければいいの?」
声の主は木の上にいた、フードを被った人が静かに音もなく地面に降りる、少女と向かい合い
「おかぁさん、おとうさん、ねぇ、みんなが…」
少女は今にも泣き出しそうにしている
「そう、村狩りにあったのね、あなただけ生き残ったのね、名前は?」
「あかね」
フードを脱いだのは髪の長い少女、笑った顔はどこか寂しそうだった。
「あかね、村狩りに復讐をしましょう?」
少女の目はとても綺麗な蒼だった、
腕を組み隣の着物を着た女の子を見た、
数分の沈黙
「そうだ、思い出しだ」
「お姉ちゃんって寝たらなんでも忘れるよね」
「お言葉も返せません。あ、こひめーココア」
「はいはい、今準備中」
小雪の前に湯気の立つココアが置かれる
「いっただきまーす」
「いただきます」
いつもと違う3人での食事
少し楽し
「ねぇ、名前は?年は?私は四十崎 小雪、あっちは妹の小姫」
いつもより少し楽しかった朝ごはんを食べ終え
女の子の方を向く、キッチンでは小雪が洗い物をしている。
「さくら」
2人は向かい合う
「さくらは家はどこ?」
「ない」
「行く場所は?」
「ない」
「そっか、じゃあ、ここで暮らしていこうか」
「え?」
小雪はニコニコと笑っている
「はぁ、お姉ちゃん、さくらちゃんも嫌なら断っていいからね、」
諦めたような、呆れたような声が聞こえる。
「私…」
さくらの言葉が小雪の声で消される、
「あ、学校行かないと!!!今日日直だった!」
バタバタと小雪が用意を始める。
「ごめんね、お姉ちゃんいつもあんな感じなの」
「大丈夫、そんなことより私ここにいていいの?」
「うん、なんでも好きなように使っていいからね」
さくらの心配そうな瞳に小姫は満面笑みで答える
「なんで、私知らない人」
「いつものことだから」
ランドセルの中身を確認しながら小姫が答える
「小姫行ってきまーす」
小雪が慌ただしく玄関を出て行った
「行ってらしゃいって、もう聴こえてないか…」
ランドセルをガチャリと閉める
時計はもうすぐ8時になろうとしていた
「夜は何が食べたい?」
「え?あ、」
さくらは戸惑う
「好きなもの作るよ、料理得意なの」
「白米と味噌汁」
意外な答えに目を丸くする
数秒の沈黙
「作ってくれるの?」
「え、うん。主菜考えないとね、」
さくらが小姫をじっとみる
「ん?私もう行くね、行ってきます。お留守番お願いします。」
「行ってらしゃい」
小姫がニコニコっと笑って手を振って玄関に向かっていった。
ガチャっと鍵が閉める音がさくらのいるダイニングテーブルまで聞こえた。
完璧に笑えてたはずだ、
大丈夫笑顔には自信がある、
姉以外には絶対分からない、
あの時さくらの目が少し怖かった、
学校へと向かう足が自然と早足になる
次の話でいろいろ書く予定
一話書き直したい