憧れた少女
幼い頃周りの女の子たちは絵本の中のお姫様に憧れていた。大きいお城、華やかなドレス、かっこいい王子様そこには女の子の憧れの世界があった。
私には理解ができなかった。
中学校初日の登校つまり、入学式。
新しい制服とカバン、わくわくはない小学校からの同級生と隣小学校から3人、どこにもわくわくなんてないのだ。
「部活なにしよう…」っと心の中で考えながら家を出る。本で読む中学校生活は、新しい友達、楽しい部活に、友達と過ごす放課後…全部本の世界なのだ。現実はそうはいかない。
家を出てまっすぐ歩くこと5分、ここ第二中学校が私四十崎 小雪が3年間通う学校なのだ。
無事入学式が終わり、それから数日は学校紹介やテスト、部活動勧誘などがあった。私は誘われて廃部寸前だった女子バスケットボール部に入部した。入部理由は「友達に誘われたから」っと書き入部届けを提出。その日は塾があり、学校を出て、塾に行き、家に帰る。
だけなのだが、私はなぜか塾の帰りに神社に行った、なんとなく足が向いたのだ。
塾は家と反対側で帰る時は学校の横を通って帰る、神社は学校から道を挟んだ向かい側にあり夜は真っ暗だ。私は月明かりで照らされた神社の中へと入って行った。
私は驚愕した、お賽銭箱の裏側小さな子供がいた。
「え、大丈夫?生きてる?生きてますかー?」
思わず声をかけてしまった。小さな子供は5歳くらいの女の子なのだが、この時代に着物でしかもこんな時間にっと思いつつも、女の子はすやすやと小さな寝息を立てて寝ていた。
「はぁ、どうしよう…」
周りを見渡しても誰もいない、私はとりあえず家に連れて帰ることにした。
「ふぁぁ〜、おはよう小姫」
起きたらまず妹に挨拶、テーブルで2人で朝ごはんそれが日常のはずが…
「誰?」
私の隣、普段は誰も座ってない場所に女の子がいた知らない小さな子、私は答えを妹に向けた
「はぁ、昨日の夜お姉ちゃんが連れて帰ってきたでしょ」
妹の声は呆れていた。