-栞-
僕という本にはたくさんの栞が挟まってる
栞たちは日々色を変えていく
まずは最初の一ページ目
僕が好きだという台詞
君はそれを受け取って
僕の目を見てうなずいた
それから何ページか飛ばし読み
君が初めて名前で呼んでくれた日
君と初めてハグした日
君と初めて手繋いだ日
君と初めてキスした日
君と初めてデートした日
君に初めて怒られた日
君の涙を初めて見た日
君から初めてプレゼントもらった日
君に初めてプレゼントあげた日
どれも昨日のことみたいなんだよ
僕が強くなれたのは
たくさんの栞たちのおかげで
栞をたくさん挟めたのは
君のおかげなんだ
いつか君という本にも
僕という栞を挟みたい
僕と君との思い出をたくさん
まだ終わらないよ
まだこれは二人のプロローグ