ウミガメの涙を飲みたい。
「あー、ウミガメの涙飲みたいな。」
「何言ってるの?」
「飲みたいと思わないの?珍しいよ?」
「思わないよ!気持ち悪い。そんなこと言った奴初めて見た!」
「いや、ウミガメが頑張って卵産む時に出る涙だよ?珍味だし栄養がありそうじゃん。」
「ねぇ?どうしたの?なんて言ったらいいの?」
「じゃあ一回俺に付き合って話合わせてくれ!そこから見えてくる答えがきっとあるはず!」
「仕方ない……………
いや、俺も気持ち悪いとか散々言ったけど飲みたいよ。」
「だろ?でも取りに行くまでが大変だな。」
「うん、貴重だし保護されているからなかなか近寄れないよ。」
「でもその危険を冒しても欲しいんだよ!」
「……多分涙とるくらいで卵産まなくなるとか、死んじゃうとかはないと思うから亀にも迷惑にはならないはず。でも亀側もこいつ気持ち悪いなって思うだろうね。」
「亀の気持ちまでは考えが回らなかったな…どうしよう?」
「結局はやらない方がいいんだよ。美味しくもないだろうし、栄養もないし亀からも嫌われるし散々な目にあうぞ。」
「そうだな。じゃあやらない。」
「お前も大人だな。やっていいことといけないことの区別がついてきたようだ。」