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紅の霄~en-damu~  作者: 八夜熾那
第一章~DESH~
3/3

第一章2部

「はぁ…流石に疲れたな、片道3時間かかるとは思ってもなかった。」


由佳さんに通された自分の使わせてもらう部屋で一人呟く。真夏日に電車やバスを乗り継ぐこと3時間であるからここがどれだけ田舎ということかが改めて分かる。


通された部屋は平屋の和室で縁側にすぐ出れるという風情あふれるもので田舎暮らしというものも悪くはないなと思ってしまう、そこから見える夕焼けの空を縁側から眺めたら尚更である。


「蓮くーん、ご飯できたわよー」


由佳さんの声が聞こえ今時珍しい平屋の縁側を歩きながら居間へと向かった。


居間には食卓にご飯を並べる由佳さんと由衣菜ちゃんしかいなかった。確か由衣菜ちゃんの父親も一緒に住んでたはずなのだが見当たらない。


「パ、お父さんは今日用事があって帰ってこれないの。だから私とお母さんしかいないから変なことしたらぶっ殺すわよ。」


由衣菜ちゃんが睨みながらそう言うと俺は頷いて食事の用意の手伝いを始めた。


「「「いただきます」」」


食卓に焼き魚とご飯とお味噌汁とサラダが並べられ、久しぶりに手作りの料理など食べれると思いながら食事をはじめようとしたとき


「ごめんなさいねぇ、質素な料理しか出せなくて。だけど全てこの村で獲れた食材を使ってるから美味しいと思うわよ。」

「いえいえ、これだけの料理食べられるなんて嬉しい限りです、一人暮らしで自炊もままになっていないので…美味しくいただかせてもらいます。」


そう言うと一口焼き魚を食べてみる。鮎であったがこれがとても美味しかったので「うまい!!」などとつぶやきながらほおばって夕飯を楽しんでいた。


ふと向かいに座っていた由衣菜を見るとこちらをジト目で睨みながらハムハムと小動物を思わせる食べ方をしていた。そして口の中のものを飲み込むと


「そういえば蓮さんはなんでこんなド田舎に来たの?お母さんなんにも教えてくれないから。」

「あらぁ?由衣菜こそ何も聞かなかったじゃない。」

「まぁまぁ。えっと大学で地域伝承学、一般的には民俗学って言われてるけどその研究でこの木縁起村の文献を調べに来たんだ。フィールドワークって考えてくれて構わないよ。」


ふーんといった感じでよくわからないので興味を無くしたらしい由衣菜は都会はどうだとか昔のことどれだけ覚えてるのかとか色々根掘り葉掘り聞いてきて、由佳さん含め三人で談笑しながら夜が更けていった。


話も一息つき、明日のことも考えていけないといけないから部屋に戻ると言って縁側を歩いていたときであった。ふと、違和感を感じ空を見上げた。

そこには満天の星空と大きな月があるだけである、ただの思い違いかと思い部屋に戻ったがその見上げた空に一人の男が‘立って’いた。

金髪に紅の瞳を持つその男は明らかに現実離れしている風貌をしており、日本の片田舎に存在するのが違和感しかないものであった。


「ふむ、そうかそうか。僥倖である。確かに彼奴の思惑通りに事が進んでいるのであろう。そうはいかんとて我も動かなくてはな、天地開闢の日は近い!!」


そう言うと蓮がいたであろう場所を一瞥し、その姿を消した。


「うー、蓮兄のバカ…なんで全然覚えてないのよ。」


ねずみなのかクマなのかよく分からないキャラのぬいぐるみを抱えながら由衣菜はベッドの上でゴロゴロしていた。

昔に色々してくれて兄みたいに慕っていたが、今思い出すと恥ずかしくなって辛く当たってしまう自分がバカらしかったがどうしようもないのも事実である。


「せめて蓮兄がはっきり覚えてたら色々素直に話せたのかもしれないのに、バカバカッ!」


しかしこの由衣菜という少女、自分もあまり昔のことを覚えていないということを棚に上げて蓮のせいにしているのであることを忘れてはいけない。まあそれは全て照れ隠しであるのだが。


当の蓮であったが部屋で寝る準備をしながら明日の予定について考えていた。


まずなんでこの村に来たのか、親戚がいるというのも理由の一つであるが何よりもこの村に伝わる神話について興味を持ったからである。

神道でも仏教でもない創造神とその神から生まれた神々の戦いなどが記されているらしく日本では滅多に見ない独自の信仰神話がこの村だけに伝わっているということを知り、フィールドワークの一環として調べてみようと思ったからである。

まだ詳しいことは全然把握していないので村にある図書館や郷土資料などが置かれている場所に赴き詳しく調べることにしていた。


「うーん、図書館は流石にないのか。村役場は一応あるらしいからそこで資料を探してみるか。」


そう明日の予定を大体決め何年振りかの敷布団で横になった。そうすると何故か懐かしい気分になりすぐに睡魔が襲ってきた。


**********

血は体内を巡り生命の胎動へと駆動する。その血は誰たるものであるのか、根源の螺旋のたどり着く原点とは。神などいない、そうだとも。己は己であり全ては原点に帰着する、二重螺旋とは矛盾の連続である二律背反の象徴。抗え、そして辿り着け。そのとき上に…

**********

短めですができるだけ更新していって、部が多くなったらまとめていきたいと思います。

読んで下さりありがとうございます!

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