星に願いを
ハァーーーーー
季節は冬
最近は寒い。身が凍りついて動けなくなりそうになる。
寒空の下で満天に輝く星を眺めながら私は白い息を吐いた。
《ねぇ、あの日のことを覚えてる?》
心の内で問い掛けた言葉が君に届くハズもなく、答えてくれるハズもない。
私達はもう大きくなったのだ。あの頃には二度と戻れない。
幼い時には後悔など絶対にしないと思っていたのに、それも遠い過去の記憶。
あの日、あの時、あの場所で……ちゃんと伝えれば良かったんだ。
そう。伝えられなかった事こそが、ただ一つの後悔だ。
今はただ願おう。
過去に慕っていた人の幸福を幸せを笑顔を………
ーーキミが愛したこの夜空の下でーーーーーー
ッーーーー
何か冷たいものが私の頬を伝っていった。
俗に“涙”と呼ばれるものだ。
だがしかし、自分が何故泣いているのか私には分からない。
ぁあ……そうか……やっと気づいた…………
今でも、君を愛しているからなんだな。
悲しいという感情なんて消えてしまったものだと思っていた。
ーーーならば、消してしまおう
“感情”と呼ばれるものを消滅させるのだ。
何もかも……要らない。
ココハドコ?ワタシハダレ?
〜Fin〜