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第80話 モージの実力


 モージを従魔にした翌日。

 今日はモージがどれだけ働けるのかを見極める日でもある。


 30000NPだったとはいえ、畑仕事に向いているかどうかは分からないのが現状。

 単純な強さだったり、可愛さで値段が決まっている可能性だってあるため、あまり期待はし過ぎないでモージに働いてもらうつもり。


「ルーアさん、おはようございます」

「佐藤とシーラ、おはよう。……ん? 見たことのない魔物だな。新しい魔物を従魔にしたのか?」

「はい。新しくここで働いてもらうことになっているモージです」


 モージは私の紹介に合わせて、ルーアさんにペコリと頭を下げた。


「随分と可愛らしい魔物だな。私はルーアだ。これから一緒に働く身としてよろしくお願いする」

「これからモージには初めての仕事を行ってもらう予定なのですが、ルーアさんを見学しますか?」

「私も仕事があるから遠慮する――と言いたいところだが、モージがどうやって作業するのか少し気になるな。ポーシャとロイスが来るまでの間だけ、見学させてもらっていいか?」

「もちろんです。一緒に見ましょう」


 ルーアさんも加わり、モージの働きっぷりを見学することにした。

 仕事内容については昨日の内に説明済みであるため、すぐに取り掛かってくれるはず。


「それではモージ。出来る仕事からで大丈夫なので作業を始めてください」


 私の言葉にモージは頷くと、杖を小さく回すように振りながら魔法を唱え始めた。

 魔法に関してはシーラさんが使っているのを何度か見ているけど、やはり何度見てもテンションが上がってしまう。


 それに……こんなこと言っていいのか分からないけど、シーラさんの魔法とは一つ次元が違うような気がする。

 実際にモージの周りは私でも視認できる魔力の渦ができているし、可愛らしい見た目なのに今は非常に恰好良く見えている。


「元騎士だから魔法には詳しくはないんだが、魔法の練度が高いことだけは分かる」

「私も魔法は得意ではありませんが、モージの練度の高さは分かりますね。召喚されたばかりなのに、ここまで魔法を扱えるのですね」


 まだ魔力を練っている段階だと思うけど、ルーアさんとシーラさんから絶賛されている。

 私は2人以上に何がなんだか分からないため、ただただ純粋に魔法を楽しみに待っていると……モージの持っていた杖の先から魔法が放たれた。


 放たれたのは大きな水の塊。

 ある程度の位置までふわふわと空を舞った後、弾けるように飛び散り、細かくなった水球が良い感じの塩梅で畑へと落ちていった。

 私は拍手をしながらモージを褒め称える。


「モージ、凄いですね! もう今日の分の水やりが終わりましたよ!」

「水球を作り上げた魔法も凄かったですが、飛び散った後の魔法のコントロールが更に凄かったです。想像以上に農業向きの能力ですよ」

「これ……私達がいらなくなるとかないよな?」


 私とシーラさんは単純に喜んでいる中、ルーアさんだけは自分の心配をしていた。

 ただ……確かにこれだけ即座に水を撒くことができるのであれば、収穫なんかもあっという間にできそうだし、ルーアさんたちとは言わず、私やシーラさんですら不要になってしまう可能性がある。


 全てモージだけで解決してしまわないかの心配をしていると、ルーアさんの心配そうな声が聞こえていたモージは、とことこと私達の前に歩いてきた。

 そこから可愛らしい鳴き声も交えつつ、身振り手振りで説明してくれたのだが、どうやら魔法の連発は不可能らしい。


 大きな水球を作るのにも大量の魔力を使うし、飛び散らした後の小さな水球の操作にも魔力を消費するとモージは教えてくれた。

 更に収穫に関しては、魔法では行えないため手でやらないと駄目だそうだ。

 風魔法を使えばできそうな感じはあるらしいけど、茎の部分を切ってしまったら怖いからやらないとのこと。


「良かったと言っていいのか分からないが、私達が不要になることはなさそうで安心した」

「別にモージが全てこなせたとしても、ルーアさん達を追い出しませんけどね」

「佐藤がそう言ってくれたとしても、私としては働かないと申し訳なさで耐えられなくなってしまうんだ。だから、全力で農業に励ませてもらう」


 ルーアさんは両手でグッと力を込めた後、走って畑仕事をやるために行ってしまった。

 気なんか一切使わなくてもいいんだけど、逆の立場だったら私も気を使ってしまうため、頑張ってもらえるところは頑張ってもらった方がルーアさんのためなのかもしれない。


 ……と、ルーアさんも大事だけど今はモージだろう。

 使える回数が決まっているとはいえ、この魔法は凄すぎる。


 四元素を使いこなせるということは土魔法も使えるだろうし、もしかしたら耕すことも可能かもしれない。

 そうだとしたら、モージは百人力だな。


「行ってしまいましたね。佐藤さん、私たちはモージがどんな仕事をできるか調べましょうか」

「ですね。今のところは、収穫以外の作業をこなせそうな感じがありますが、調べてみないと分からないですからね」

「モージが進化した姿も見たいですし、魔力塊ももっと必要になってきますね。やれることが増える度にやりたいことが増えるので楽しいです」


 焦っていたルーアさんとは違い、この状況も楽しんでくれている様子のシーラさん。

 私も楽しいという感情しかないし、楽しみながら徐々に快適にしていきたいな。




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