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第76話 歓迎会


 翌日の夕方。

 今日は日本の料理を振舞うため、私は1人早めに上がらせてもらい、準備を行わせてもらうことにした。

 軽くシャワーを浴びて体の汚れを落としてから、台所に立って食材の購入から始める。

 

 何を作ろうかは大まかに決めていたんだけど、まだ最終結論は出せていない。

 なにぶん、私以外は女性ということもあって、気軽に揚げ物を作っていいのか非常に悩ましいのだ。


 シーラさんやベルベットさんの反応を見ても揚げ物は非常に好評だったし、女性も揚げ物を好きな方が多いのは分かっているけど、カロリーを気にする方も多いのも事実だからな。

 腕を組み、私は少しの間悩んだけど……美味しい料理に低カロリーを求めることは、私の腕では不可能。

 そう結論付けて、私はカロリーの権化とも言えるカツカレーを作ることに決めた。

 

 本格的なスパイスカレーとも迷ったのだが、カレーを知らない人には絶対に欧風カレーの方が合っているはず。

 カツとの組み合わせも、個人的には欧風カレーの方が合っているし、今回は一般的なカレーを作ることにした。


 ご飯を炊いておきつつ、カレーのルー、玉ねぎ、豚小間、バターを購入。

 切った玉ねぎが飴色になるまで炒めてから、豚小間を入れて更に焼いていく。


 後は適量の水、それからカレーのルーを入れて、クツクツと煮込んだ後にバターを入れて完成。

 次はとんかつの準備を行っていく。


 ロース肉とパン粉、小麦粉、それから卵を購入し、まずはロース肉を叩きながら塩コショウで下味をつける。

 後は小麦粉、溶き卵、パン粉の順でつけていき、じっくりと揚げるだけ。


 じっくりと揚げたとんかつを切ってから、ご飯とカレーの上に盛り付け――完成。

 カレーの良い匂いと、とんかつのジューシーさが爆発しており、食べる前から美味い。

 私はリビングで待っている4人の下に、急いでカツカレーを運んだ。


「お待たせ致しました。今日の夜ご飯はカツカレーになります」

「カツカレー! 私も初めて食べる料理です! 食べるのが楽しみです!」

「茶色い料理? これは……食べられるのか?」

「見た目は美味しそうに見えないです」

「でも、匂いは美味しそうです」


 ウッキウキのシーラさんに対し、懐疑的な目を向けているルーアさん達。

 私は小さい頃から食べていたこともあり、カレー=美味しいものとして認識されているが……確かに初見だと、この見た目は美味しそうに映らないのかもしれない。


「見た目はアレかもしれませんが、きっとお口に合うと思いますよ」

「私は一切心配していません! それでは早速頂いてもよろしいですか?」

「ええ。食べてください」


 食前の挨拶を済ませてから、シーラさんは躊躇うことなくカレーを口に入れた。

 味わうようにモグモグと咀嚼をした後、両頬を押さえながら幸せそうな表情を見せている。


「この料理もさいっこうに美味しいです! ピリッとスパイシーでありながら、旨味が詰まっていて、味でも匂いでも楽しめる最高の一品です!」


 シーラさんの素晴らしい食リポを聞いて、ルーアさん達はほぼ同時に唾を飲み込んだ。

 とんかつとのハーモニーも素晴らしいため、シーラさんがカツカレーとして食べるところも見たかったけど……我慢ならなくなった私はカレーを口に運んだ。


 ――美味い! 今回も抜群に美味しい。

 飴色になるまで炒めたことで、、しっかりと玉ねぎの旨味がカレーに溶け込んでいる。


 肉の旨味もあるし、本当は玉ねぎやじゃがいも等も入れたかったが、とんかつに合うのは具材のほとんど入っていないこのカレー。

 ということで、私はカツと一緒にカレーを食べた。


 やっぱりカツとカレーは最高の組み合わせ。

 生きていて良かったと思える一品だ。


「な、なんなんだ……。この美味しすぎる料理は! グレイラン王国にはこんなに美味しいものが存在するのか!?」

「グレイラン王国ではなくて、佐藤さんにしか作れない料理です! 佐藤さんの料理を食べることができるのは、本当に幸せなことだと思いますよ!」

「佐藤は料理人でもあったのか! こんなに美味しい料理は生まれて初めて食べた!」

「そういって貰えて光栄です。畑仕事を頑張ってくだされば、定期的にお作り致しますので」

「「頑張ります!」」


 無言で食べ進めていたポーシャさんとロイスさんだったけど、私の言葉にいち早く反応し、元気良く返事をしてくれた。

 2人も美味しいと思ってくれているみたいで一安心。


「畑仕事も楽しいし、家も建ててくれたし、こんな美味しい料理までご馳走してくれる……ここは天国のような場所だな!」

「本当に天国のようですよね。私は佐藤さんと過ごしたことで、人生が180度変わりましたから」

「それは言い過ぎだろうと言いたいところだが……あながち言いすぎではないと思ってしまうから怖いな!」

「いやいや、言い過ぎですよ! 褒めても何もでませんからね?」


 とは言いつつ、嬉しい言葉に機嫌を良くした私は、デザートを作って振る舞うことにした。

 ルーアさん達の舌にも合ったようだし、日本料理での歓迎会は今回も大成功に終わったのだった。



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