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第73話 成果の報告


 シッドさんと交渉を成立させた日は、夜も遅かったということもあって、ロッゾさんと一緒にご飯を食べてから王都で一泊した。

 そして翌日の早朝に王都を出発し、私は最速で別荘へと戻ってきた。


 目的はしっかりと達成できたとはいえ、シーラさんがいないというのは単純に寂しい。

 昨日の朝に出発したため、まだ1日しか経っていないはずなのだが……いつの間にか寂しがり屋になっていたようだ。


 38歳のおっさんの寂しがり屋なんて一切の需要もないだろうが、寂しいものは寂しいのだから仕方がない。

 日本で暮らしていた時は、ずっと1人だったし1人でも寂しさなんて感じたこともなかったはずなんだけどな。


「佐藤さん、お帰りなさい。1人での王都は大丈夫でしたか?」


 別荘に着き、馬車から降りると、シーラさんが迎えに来てくれた。

 なぜ私が着くタイミングを知っていたのかは分からないけど、出迎えてもらっただけでも自然と頬が緩んでしまう。


「はい、大丈夫でした。目的もしっかりと達成できたと思います」

「それなら良かったです。こちらの畑が心配で残りましたが、佐藤さんの方も心配だったんです。護衛なのについていけず、本当に申し訳ございません」

「シーラさんが謝ることないですよ。私が勝手に迎え入れたのが原因ですし、王都は王都で安全な上、ベルベットさんやドニーさん、それからロッゾさんにも助けてもらったので何も不便がなかったです」

「ロッゾさんにも助けて頂いたのですか? やはり佐藤さんは色々な方に好かれていますね」

「いえ、あくまでもシーラさんの知り合いだからですよ。あっ、ただ……家を建ててもらうのは、ロッゾさんのお兄さんであるシッドさんという方にお願いしてきました。仲良くもなれたはずですので、近日中にやってくれると思います」

「ロッゾさんのお兄さんですか。ロッゾさんが何度か悪口を言っているのを聞いたことがありましたが、私はお会いしたことがありませんね」

「ロッゾさんと根本が似ているので、きっとシーラさんのことを気に入ってくれると思います」

「そうだといいんですけど……」


 美女好きという話からも、気に入ることは間違いない。

 ただ、変な発言や行動をしないようにと、シッドさんには先に釘を刺しておかないといけないな。


「それで、こちらは変わりありませんでしたか? ルーアさん達が変な動きを見せていなければいいんですが」

「真面目に働いてくれていましたよ。話もしましたが、ただの苦労人って感じでしたね。ルーアさんが他国から来たということもあって、警戒せざるを得なかったのですが……私の目から見ても大丈夫だとは思います」

「シーラさんのお墨付きが貰えて良かったです。ルーアさん達に限らず、ここに移住したいという方がいれば、受け入れようと思っているのですが大丈夫でしょうか?」

「ええ、良いと思います。佐藤さんは今までのように寛容にしてください。怪しみ、警戒するのは私が行いますので。……ただ、勝手に受け入れるのだけはやめてくださいね。一言でいいので私にお声掛けください」

「はい……。今後は必ず相談させて頂きます!」


 しっかりと元気よく返事をし、私は荷物を置いてから帰宅早々に農作業を行った。

 交渉のためとはいえ1日休んでいたため、昨日の分を取り返すように全力で作業に取り組んだ。


 そして、1人で王都へ行った疲れも合わさり、泥のように眠った翌日の朝。

 早朝に扉が叩かれ、眠い目を擦りながら出てみると……そこに立っていたのはシッドさんだった。


「おはよう。早速だが来てやったぞ」

「…………へ? もう来てくれたんですか?」

「そりゃあ、あれだけのプレゼントを貰ったからにゃ最優先で動かざるを得ないだろ。映画も凄かったし、あのエッチな映画とやらもとんでもなく凄かった!」


 そう言ってきたシッドさんの鼻の穴はかっ開いており、その表情はスケベ親父そのものといった感じ。

 決して朝に見せる顔ではないと思うんだけど、気に入ってくれたのなら本当に良かった。


「気に入ってもらえたのなら、こちらとしても嬉しいです」

「なぁ佐藤さんよ。あの超絶美人さんはどこで見つけてきたんだ?」

「いやいや、あれは私が撮ったものではないですよ。映画もですが、誰かが撮ったものを購入しただけです」

「そうなのかよ……。是非会ってみたいと思ったんだけどなぁ」


 スケベ親父の表情から一転、寂しそうな表情へと変わったシッドさん。

 異世界の女性も綺麗な人が多いが、化粧などの進化もあってAV女優さんも今の時代は別格で可愛いもんな。

 シッドさんが会ってみたいと思う気持ちはよく分かる。


「あくまでも映像を見て、1人で楽しんでくださいね」

「ああ、分かっている。それとよ、もう1つお願いがあるんだが聞いてもらってもいいか?」


 そう言って、少し申し訳なさそうに俯いたシッドさん。

 お願いとは一体何なのだろうか。



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