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第53話 みんなの笑顔


「おまたせしました。ピザと唐揚げ、それからエビピラフです。豚汁もありますので、飲みたかったら言ってください」

「すっげー豪華! またピザが食べられるの嬉しすぎる!」

「本当にありがとうございます。佐藤さんには頭が上がりません」

「こんなにいっぱい作ってくれたのか。手土産を持ってきたけど、ここまでの料理を出されたら全然足らないぞ」


 全員が目を輝かせながら喜んでくれている。

 作った甲斐があるというものだし、笑顔が見られただけで奮発して作って良かったと思える。


「どれも初めて見る料理。みんなの反応を見る限りだと、ご馳走って認識で間違いないわよね?」

「超がつくほどのご馳走だよ! ベルベットさんも絶対に美味しいと感じるはず!」

「佐藤さんの料理は全て美味しいので! 私は少しだけですが、お手伝いしていた時につまみ食いさせてもらいましたが――超絶に美味しかったです!」

「シーラがつまみ食いって想像がつかないわ。でも、みんながそこまで言うなら楽しみね」

「それじゃ早速ですが、冷めないうちに食べましょう。飲み物はベルベットさんが持ってきてくれたジュースで乾杯しましょうか」


 何かよく分からないけど、高級そうな瓶に入ったジュースを一箱持ってきてくれた。

 金色の装飾が施されているし、きっと美味しいジュースに違いない。


「この飲み物って『マルカメ堂』のミックスジュースですか?」

「ええ。少し奮発して買ってきたの。佐藤の料理のせいで、美味しく感じなさそうで少し怖いけどね」


 シーラさんはどうやらこの飲み物に見覚えがあったらしい。

 『マルカメ堂』のミックスジュース。


 名前からも、何のジュースなのか想像がつかない。

 柑橘類系なのは間違いないから、不味いということはないだろうけど……。


「それでは今日は楽しみましょう。乾杯」

「「「かんぱーい!」」」


 私の音頭で乾杯を行い、クリスマスパーティーが始まった。

 まずは手に持っている謎のジュースから飲んでみたのだけど……何とも言えない味。


 決して不味くはないのだが、独特な風味があって嫌いな人は嫌いという感じの味がする。

 私は苦手ではないのだけど、それでも美味しいかと聞かれたら、素直に首を縦に振ることはできない。


「……あれ。昔飲んだ時は感動するくらい美味しかったと記憶しているのですが……」

「私もシーラと同じ感想だわ。『マルカメ堂』の飲み物なら張り合えると思ったんだけど、既に舌が肥えてしまっているのかもしれない」

「私は全然飲みやすくて良いと思いますよ。ベルベットさん、ありがとうございます」

「そうそう! 佐藤さんの料理がより美味しく感じられる飲み物だと思うぜ!」


 将司さんは笑顔で親指を立てながらそう言っているが、一切フォローになっていない。

 まぁベルベットさんが作ったものではないし、そもそもフォローする必要はないんだろうけど。


「段々と異世界の料理に慣れていくのが怖くなってくる。……とは言いつつも、絶対に食べるんだけどさ」


 ベルベットさんはそう言いながら、チーズたっぷりのピザに手を伸ばした。

 ここにいる人はみんな私のピザを食べたことがあるため、ベルベットさんの反応を楽しみに全員が注目している。


「――な、何これ! 旨味の塊すぎる! 桁違いに美味しいかも……!」

「やっぱりピザは美味しいよな。ベルベットさんの良い反応が見られて良かった」

「王女様でも同じ感想なんですね」

「この世界の食べ物自体が微妙だからね! いくら王族と言えど、佐藤の作ったピザより美味しいものは食べられないでしょ!」


 心の底から堪能している様子のベルベットさんを見て、一同笑顔になった。

 ……のだが、ベルベットさんがすぐに二切れ目に手を伸ばしたことで、自分の分がなくなると危惧した全員が慌ててピザに手を伸ばした。


「見てないで食べないとなくなっちまう!」

「ちょっと蓮! 大きいの取らないでよ!」

「早いもの勝ちだろ」

「慌てないで大丈夫ですよ。ピザは追加で焼けますので」


 自分の手料理を取り合っているこの状況に笑みを溢しつつ、私は取り合いになっているピザをよそ目にエビピラフと豚汁に手を伸ばした。

 エビピラフもよく作ってはいたのだが、炊飯器を使って作っていたため焚き上がり少し不安。


 盛り付けた際のご飯の感じ的には大丈夫だと思うのだが……私は少し緊張しながら、エビピラフを口の中に入れた。

 ――うん。美味しい。


 コンソメを少し多めに入れたことで旨味が出ており、しっかりとエビの味もご飯に染み出ている。

 それから豚汁も飲んだのだが、味噌の味が体に染みる。


 スープというカテゴリーだと、やはり味噌汁が一番だ。

 そうしみじみと感じながら、久しぶりの豚汁を味わいつくした。


 そして、その後に出したプリンとバニラアイスも喜んでくれ、食事が終わった後はみんなでボードゲーム大会。

 メジャーなトランプから、マイナーなボードゲームまで楽しみ尽くした後、蓮さん達が用意してくれたプレゼントを受け取り、クリスマスパーティーは大成功の内に終わった。


 準備は想像以上に大変だったしNPも結構使ってしまったが、私はみんなの笑顔を見て、心の底から開催して良かったと思えた。

 そして……このクリスマスパーティーが終わったら、いよいよ春がやってくる。


 クリスマスパーティーも含めて冬季期間も良かったものの、再び畑仕事が行えるようになるのは楽しみで仕方がない。

 こんなに楽しいことばかりでいいのかと思ってしまうけど、この楽しい時間を大切に頑張っていこうと思えた――素晴らしいパーティーだったな。



ここまでお読み頂き、本当にありがとうございました!

第53話 みんなの笑顔 にて第1章が終わりました。


そして、皆様に作者からお願いです。


現時点でかまいませんので、少しでもおもしろい、続きが気になる!


――そう思って頂けましたら!

ブックマ-クと、画面下の評価欄から☆☆☆☆☆をいただけると嬉しいです!!


つまらないと思った方も、☆一つでいいので評価頂けると作者としては参考になりますので、是非ご協力お願いいたします!


2章以降も、頑張って執筆していこうというモチベ向上につながります!!

お手数お掛け致しますが、よろしくお願い致します<(_ _)>ペコ

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