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38歳社畜おっさんの巻き込まれ異世界生活~【異世界農業】なる神スキルを授かったので田舎でスローライフを送ります~  作者: 岡本剛也
第4章

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第468話 お神輿


 方針も決まったところで、王都のことはレティシアさんとサムさんに一任し、私は農作業を行いながら縁日の準備を進めていった。

 ロッゾさんには神輿と屋台を作ってもらっており、シッドさんには臨時の宿泊場所を建ててもらっている。


 有料にするからには、できる限り宿泊希望の方には泊まっていってもらいたいからね。

 『サトゥーイン』も常に数か月先まで埋まっているような状況だし、新たなホテルを建設する計画も進んではいる。


 また、ビジホのような造りでもいいんだけど、今回は和をコンセプトにした宿を建てたいと思っていて、シッドさんと色々と練っている最中だ。

 個人的には、他の誰かがやってきて宿泊施設を営んでくれるのがベストだと思っているんだけど……色々と難しい部分があるからなぁ。


 大きな障害の一つとして、治安維持が難しくなることがある。

 現在この村には、私の顔見知りしか住んでいないため、犯罪も一切起こることなく過ごせている。


 ただ、どんな方でも受け入れてしまうと、治安は確実に悪くなるからね。

 とはいえ、この場所を発展させていくためには人を受け入れていくのは必須なわけで……色々と難しい選択を迫られている。


 実際に移住希望者は多く、『サトゥーイン』に泊まった方からも、ここに移り住みたいと言ってくれることが少なくない。

 私はある程度の選別さえ行えば、どんどん住まわせてもいいんじゃないかと思っているけど、シーラさんは全く逆の考え。


 最初期に打ち立てた目標である大農園、魔物牧場、異世界の娯楽施設――この三つの目標を達成するまでは、知り合いだけを住まわせていけばいいという話だった。

 実際、現時点で大農園と呼んでいいくらいには畑を大きくできているため、残るは魔物牧場と異世界の娯楽施設を建設するのみ。


 どちらも大量のNPが必要になるため、今は必死に農作業に明け暮れてはいるけど、大きな三つの目標を達成できれば、これ以上規模を大きくする必要はないのかもしれないとも思う。

 この辺りの考えについては、一度話し合わないといけないと思ってはいるけど、今は先の展望よりも縁日のことを考えなくてはいけない。


 今日の農作業を終えた私は、すぐにロッゾさんと合流し、神輿造りに参加することにした。

 神輿といっても、日本で行われていたような神々しいものではなく、魔物を象ったものを製作中。


 神聖なものにしても良かったんだけど、シーラさんやサムさんの話を聞く限り、この世界の一部の方の神に対する認識が私とは大きく違っているようだったため、遊びに振り切ることに決めた。

 ちなみに、神輿となる魔物はライム、マッシュ、モージの三体。


 見た目が可愛らしく、制作もしやすい三体を選ばせてもらった。

 この三体の神輿……というよりも、大きな模型を神輿状にしたものを使って、色々なゲームを行う予定。


 ただ、レースや力を競い合うために使うだけでなく、単純にぐるりと担いで回ったりと、縁日を盛り上げる要因の一つにできたらいいなと考えている。

 担がれるライム、マッシュ、モージへの親しみやすさにも変化が生じるだろうし、人気に火がついてくれたら魔物牧場の展望も一気に見えてくるはず。


 まぁ順調に上手くいくとは思っていないけど、いい方向に進むことは間違いないと思う。

 グッズ展開もできるかもしれないし、ライム、マッシュ、モージのグッズに関しては、私も欲しいと思うくらいだからね。


「おー! 佐藤さん、来たか! どうよ、俺の作ったモージは!」


 既にライムとマッシュの模型は作り終えており、最後のモージも完成したみたいで、お披露目してくれた。

 モージの何ともいえないブサ可愛さが全面に押し出されており、サイズはかなり大きいのだが、見ていて癒やされる造形となっている。


「モージも完璧ですね。凄くかわいいです」

「へっへっへ! 気に入ってくれたみたいで良かったぜ! モージも協力してくれたもんな」

「なー」


 よく見れば、デッサンモデルのように少し高い台の上で座っているモージの姿があった。

 模型もよくできていて可愛いけど、やはり本物の方が可愛い。


「モージも手伝ってくれていたんですね。ありがとうございます」


 私のお礼の言葉に対し、モージは可愛く片手を上げてから去っていった。

 一仕事終えた職人のような後ろ姿を見送り、改めてロッゾさんにお礼を伝える。


「ロッゾさんもありがとうございました。この短期間で、ここまでクオリティの高いものを仕上げてくれるとは思いませんでした」

「気にすんなっての! 俺の仕事はまだ終わってねぇしな! 屋台もしっかり仕上げるから見といてくれ!」

「見ておくだけじゃなく、手伝いますので。何でも指示してください」


 それから屋台作りへと移行したロッゾさんの後を追い、私は全力でお手伝いしたのだった。



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