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38歳社畜おっさんの巻き込まれ異世界生活~【異世界農業】なる神スキルを授かったので田舎でスローライフを送ります~  作者: 岡本剛也
第4章

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第464話 平和な解決


 巨人族の村にやってきた私たちは、使われていない大きな倉庫のような場所へ、リザードマンたちに入ってもらうよう促した。

 リーダーであるジャバルさん以外は戦々恐々としている様子で、殺されるのではないかと疑っているようだった。


「ここからは佐藤さんに一任するぜ! どんな判断を下しても、俺たちは何の異論も唱えねぇ! ただ、リザードマン側につくってのだけはやめてくれよ!」

「任せてくださり、ありがとうございます。そんなことはしないので安心してください」

「それなら安心だ! じゃあ、終わったら呼んでくれ!」


 ゴさんと暫定指揮官のボさんが退出し、私と、いつの間にか人型の姿に戻っていたヤトさんだけが残された。

 ヤトさんが不安そうにしているのを見て、私も若干不安になってくるけど、リザードマンたちに反逆の意思はなさそうだから大丈夫なはず。


「それでは改めまして、私は佐藤と言います。そして、こちらが龍族の王の娘であるヤトさんです。ジャバルさん、通訳をお願いしてもいいですか?」

「わらわがヤトなのじゃ!」


 私たちの自己紹介を通訳してくれているようで、ジャバルさんは先ほどのモスキート音のような甲高い声を発してくれている。

 自己紹介が伝わったところで、リザードマンたちから色々と聞き出させてもらおう。


「それでは色々と質問をさせて頂きます。まずは……リザードマンと巨人族が争っている理由を教えてもらえますか?」

「理由も知らずに止めたのか? よく巨人族が許してくれたな。……ティーブレイクの食料を取り合うためだ。年々漁獲量が減ってきていて、それに伴って巨人族との争いが激化していった」


 争いの理由は知っていたけど、巨人族側との認識にズレがあったら大変なため、あえて尋ねさせてもらった。

 戦いたいから戦っているとか、気に入らないからといった理由だったら困ったけど、巨人族側と同じく食料難が理由でひとまず一安心。


「やはり食料難が理由だったんですね。ちなみにリザードマンは、魚しか食べられなかったりしますか?」

「いや、肉も食べる。……が、長年ティーブレイクの魚しか食べていなかったこともあり、陸地の獲物を狩る技術がない」

「なるほど。果実や山菜などは食べないんですかね?」

「食べないこともないが、収穫量のわりに腹も膨れないから、よほどのことがない限りは採らないな」


 ほとんど巨人族側と同じ理由で困っているということが分かった。

 私はリザードマンとの確執はないし、これまで巨人族とどんな争いをしてきたのかも分からないけど……どちらも良い未来へ進めばいいと思っている。


「食べられないというわけではないんですね。もう一つ質問させて頂きますが、リザードマンの総人口はどれくらいなんでしょうか?」

「大雑把になってしまうが、100人から150人前後だ。昔はもっと多かったようだが、食料難の影響もあって、最近は子どもを作らないという意識が強くなり、減ってきた」


 人口の総数も巨人族の方々と同じくらい。

 ゴさんの話によれば、他の国にも巨人族はいるみたいだけどね。


 数千に及ぶなら考えものだったけど、150人前後であれば農業で救えそうな感じがある。

 なんなら、全員に移住してもらってもいいとすら思っている。


「ジャバルさん、質問に答えて頂きありがとうございました。ここから、今後のリザードマンの処遇についてお話ししたいと思います」

「ようやくか。どんな条件でも呑む心の準備はできている」

「価値観によってはどう受け取られるか分かりませんが、酷い提案をするつもりはありません。まず一つ。巨人族の皆さんに、私から農業を教えました。まだ始めたばかりですが、土地的な部分も考えれば、自給自足の手助けにはなると思っています。リザードマンの方々にも農業を行ってもらうこと。それが一つ目の提案ですね」


 湖の魚の量が減っているのが原因とのことだったけど、巨人族もリザードマン族もお互いに農業を行えば、それを補うことができるはず。

 更に漁獲量を減らせば、魚の数も自然と増えていくだろうし、将来的に見てこの付近で暮らしていくのであれば、この選択がベストだと思っている。


「サトーが教えてくれるというのか……? サトーに何のメリットがある?」

「メリットですか? リザードマンの皆さんと友好関係を築ける、ということですかね?」

「それはメリットなのか?」

「大きなメリットですよ。それで二つ目の提案ですが、リザードマンごと、私の暮らしている村に移住することです。150人前後が住む家を建てるために協力はしてもらいますが、仕事もご飯もお金も保証します」

「……ん? もしかしてサトーは国王なのか?」

「そんな大層なものではありません。小さな村を仕切っている……ような感じですかね」


 仕切っているというほどではないけど、この説明が一番分かりやすいはず。

 とりあえず、私が思いついた案としてはこの2つ。


 言語が扱えないとなれば、農業を教えることもままならなかっただろうし、ジャバルさんの存在は非常に大きい。

 それに、魚や肉以外も食べられると知れたことで、はっきりと何とかできるという光明が見えた瞬間だった。



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