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38歳社畜おっさんの巻き込まれ異世界生活~【異世界農業】なる神スキルを授かったので田舎でスローライフを送ります~  作者: 岡本剛也
第4章

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第443話 デジャブ


 試合は予想していた通り、泥々の泥試合となった。

 満身創痍でありながら、互いの手を知り尽くしている関係。


 なおかつ足場が不安定となったら、泥試合にならないわけがない。

 体力が尽きた方が負けるという試合内容の中、先に有利を取ったのはドニーさんだった。


 アールジャックさんに殴られ、右頬の腫れが酷くなっている蓮さんのウィークポイントを的確に突いていた。

 とはいえ、対処の方も完璧で、蓮さんが右側にだけは回らせないように立ち回り、泥沼の試合が続いた結果……地面に倒れたのはドニーさんだった。


 昨日の疲労も引きずっており、今日のこの泥の中での泥試合。

 年齢も相まって、若者の蓮さんに一歩及ばず、クリーンヒットは一度も受けないままの敗退となってしまった。


 泥試合だったこともあり、初戦から時間が押してしまっている関係上、すぐに次の試合が行われた。

 続く第2試合は、棒のギミックがある試合会場でアシュロスさん対ガロさん。


 試合結果が予想できないカードだったものの、ギミックを圧倒的に使いこなしたのはガロさんだった。

 酔拳のような変わった動きが特徴的なガロさんだけど、この棒のギミックのある会場でもいかんなくその動きを発揮。


 まともに打ち合う時間すらなく、ガロさんの動きと棒に惑わされたアシュロスさんがあっさりと敗退してしまった。

 技巧派でありながらパワーも持ち合わせているアシュロスさんが若干有利かもと思っていたけど、ガロさんが一枚上手だったなぁ。


 続く第3試合は、ライム対ドレイクさん。

 すでにライムの認知度は非常に高く、今回の優勝予想ではフリードさん、美香さんに続いて、3番目に多かった。


 実際にライムは強すぎるからね。

 ギナワノスの闘技大会でも、キツい制限がありながら引き分けの2位だったし、闘技大会からまた長期の旅へと出かけている。


 今の強さは私でも分からないし、美香さん以外になら圧勝してしまう空気すらある。

 対戦相手のドレイクさんには申し訳ないけど、勝てる可能性は限りなく低いと思う。


「ライム、また強くなっていますよ。瞬きしないように気をつけてください」

「え? そんなにですか?」


 私がシーラさんの発言に驚いていると、試合開始の合図とともに凄まじい衝撃音が聞こえてきた。

 瞬きをしないでくださいと言われたのに、よそ見していて見逃してしまった。


 慌てて会場に視線を戻すと、どうやら開始の合図とともにライムが突進を仕掛けたみたい。

 以前までは、ゴムのように引っ張らないと強くは体当たりできなかったけど、静止した状態から強くぶつかれるようになったようだ。


 とはいえ、ドレイクさんもライムの攻撃に反応できており、闘技大会のアールジャックさんのように両手で捕まえることに成功している。

 ……けど、そこからライムは膨張するんだよなぁ。


「はぁ!? おい! 絞めるどころか膨らんでんじゃねぇか!」


 まさにデジャブかのような光景。

 力で抑え込もうとしたドレイクさんだったけど、膨張するライムを押さえ続けられるわけもなく、クラッチしていた手を離してしまった。


 ドレイクさんの手から離れた瞬間、ライムは空中で回転しながら、至近距離で叩き落とすような突進。

 そこから流れるような連打に対応できず、ドレイクさんは為す術もなく敗れてしまった。


「無理だろ! 強すぎるって!」


 叫ぶドレイクさんを見ながら、私はチラリとアールジャックさんに目をやると、心の底から同意するように深く何度も頷いていた。

 受け止めただけでも凄いんだけど、やはりライムは強すぎるな。


 嬉しそうにぴょんぴょんと跳ねながら会場を去っていったライムと入れ違うように、会場に入ってきたのはイリマさんとジューゾーさん。

 どちらも私にとっては謎の人物であり、特にジューゾーさんはよく分からない。


 ローゼさん曰く、イリマさんは魔法を使える武闘家って感じらしい。

 戦績もパッとしないし、イリマさん予想が多いんだけど……私は何となくジューゾーさんが勝ちそうな気がする。


「おじさん、よろしくね! 僕はイリマ! おじさんは?」

「……ジューゾーという。子供相手には本気を出さないから安心してくれ」

「なになに!? 準々決勝でそんなこと言う余裕があるんだ! ちょっと面白そうかも! あと、こう見えてボクは20歳を超えてるから安心して本気で来て!」


 そんな会話をしている中、審判がやってきた。

 軽い注意説明が行われたあと、試合開始の合図が出された。


 先に動きを見せたのはイリマさんであり、魔法の詠唱を始めている。

 私も魔法を扱えるようになったから分かるけど、使用している魔力量と魔力操作の練度が高い。


 さらに短縮詠唱であり、クリスさんが連れてきただけはある。

 素直に感心している中、イリマさんから放たれたのは大きな氷塊。


 同時に風魔法も唱えているようで、回転しながらジューゾーさんを襲った。

 ――かのように見えたけど、先ほどまで定位置にいたジューゾーさんの姿がない。


 草の生い茂った会場だから、伏せるように隠れたのかもしれない。

 私以外のみんなもジューゾーさんを探していた中、審判からコールがされた。


「クリーンヒット! ジューゾーのポイント!」


 聞こえてきた審判の声を確かめるように、イリマさんに視線を向けると……。

 イリマさんに攻撃を与えたジューゾーさんの姿が確かにあった。


 消えて、現れる。

 まるでヴェレスさんの瞬間移動であり、何が起こったのか全く理解できないでいた。



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