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38歳社畜おっさんの巻き込まれ異世界生活~【異世界農業】なる神スキルを授かったので田舎でスローライフを送ります~  作者: 岡本剛也
第4章

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第436話 大会の朝


 漫画の件で盛り上がっている中、着々と準備が進んでいき、今日は模擬戦大会当日。

 昨日は予選が行われ、勝ち残った16名が本戦出場となっている。


 去年も参加してくれたシャノンさんやハリー君も参加してくれ、無事に予選を勝ち上がっている。

 更に、噂を聞きつけて参加してくれたスピンさんとアールジャックさん。

 そしてガロさんも予選を通過し、楽々と本戦への出場を果たしていた。


 この3名に関しては、出場してくれるなら推薦枠として招待していたんだけど……。

 特に連絡がなかったこともあり、予選からの出場となってしまった。


 予選会でこの3名と当たった方たちは不運すぎるし、少しだけ申し訳ない気持ちはあるものの……どちらにせよ、勝てなければ優勝はないからね。

 運が悪かったと割り切って、1人の観客として楽しんでもらいたい。


「佐藤さん、おはようございます。いよいよ模擬戦大会の本戦ですね。私にとっては1年の集大成を見せる場なので緊張します」


 リビングで思い詰めた表情をしていたシーラさんが声をかけてきた。

 確かに年々大きな大会にはなっているけど、カジュアル大会には変わりないし、気負わずに挑んでもらいたいところ。


「シーラさん、おはようございます。気負わなくても大丈夫ですよ。カジュアル大会ですし、楽しむことが大事ですから」

「ありがとうございます。なるべくリラックスして挑ませて頂きます」


 そうは言っているものの、相変わらず体を強張らせているシーラさん。

 こればかりは緊張するなと言われても難しいか。


 下手に声を掛けたら逆効果になってしまいそうな気がしたため、私は笑顔で頷きながら離れることにした。

 本番までには気持ちを作ってくれるだろうし、シーラさんに任せたほうがいいはず。


 ということで、速めに別荘から出てきた私は、本戦出場者のみんなに声をかけることにした。

 まずは初参加組の方々への挨拶を行おう。


 まだ朝が早いということもあり、外に出てきている人は少ないものの、初参加組の方はこの時間から準備をしている人が多い。

 まずは……予選を突破した方に声をかけよう。


「おはようございます。昨日は凄かったですね」

「ああ、おはよう。……君は主催者の方か。レベルの高い大会を開催してくれて感謝する」


 この片目の隠れた忍者っぽい格好の方は、昨日の予選で全勝突破した強者。

 組み合わせに恵まれたというのはあるだろうけど、予選で全勝したのはアールジャックさんとガロさん、それからこのジューゾーさんだけだからね。


「いえいえ、ジューゾーさん含めて参加してくれる方のお陰ですから。それで1つお聞きしたいのですが、ジューゾーさんは冒険者なのですか? 昨日、色々な方に聞いたのですが、ジューゾーさんを知っている方がいなかったので気になっていたんです」


 予選を全勝突破できる実力者なら、名前が知れていないとおかしいからね。

 格好もかなり奇抜だし、無名なのが気になりすぎていた。


「……冒険者のようなものだな」

「やっぱりそうだったんですね。他国から来たんですか?」

「う、うむ。遠いところから来させてもらった」


 急に歯切れも悪くなり、返答も曖昧。

 多分、冒険者ですらなさそうだけど、詮索はしないほうがよさそうだ。


「そうだったんですね。格好も奇抜なので他国の方だと思っていました。今日は楽しんで、優勝を目指して頑張ってください」

「ああ、手加減せずに優勝させてもらう」


 再び独特なストレッチを始めたジューゾーさんから離れ、別の参加者の方に挨拶を行っていく。

 ジューゾーさんほど面白い参加者はいないものの、予選突破者の中で1人だけ気になっている方がいるんだよね。


 予選をギリギリ通過した方で、目立っていなかったんだけど……雰囲気が非常に怪しい。

 背は私より低く、フードを深く被った中年の男性。


 服装や装備を見ても、何となくで応募してきた軽ノリ参加者なんだけど、時折見せる身のこなしの軽やかさが常人ではない。

 雰囲気も怪しいし、裏の方の臭いがプンプンとしている。


 こうして話しかけようか迷っている最中も、私の視線に気づいているようで、逃げるように遠ざかってしまうしね。

 本当に裏の方だったときが怖いため、1人のときは話しかけられないが、色々な意味で注目の人物だ。


 予選突破者はこんなところであり、残りは私が声を掛けた推薦枠の方々。

 去年の参加者でお馴染みの方がほとんどだけど、唯一、クリスさんにお任せした推薦枠の方だけがはじめまして。


 結局クリスさんは前乗りしてくれていたが、推薦枠の方はギリギリまで来なかったからね。

 大会が始まる前にお話しておきたいし、クリスさんを探して紹介してもらうとしよう。



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