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第40話 娯楽の多さ


「――と、料理の話もいいですが、ベルベットさんには働いて頂いた分の対価をお支払いしないといけないですね。ちょっとお待ちください」

「あっ、ドリアが美味しすぎて忘れていたけど、ここから更に本まで頂けるのね! 農作業も普通に面白いし、夜にやるボードゲームもめちゃくちゃ面白い。出てくる料理は格別、その上に本ももらえる……。もしかしてここって、王城よりも良い場所なんじゃないの?」

「ベルベット様もやっとお気づきになりましたか。佐藤さんも優しいですし、ここは最高の場所ですよ」

「いやいや、お城より良い場所ってことはありえないですよ。それよりも、漫画の続きです」

「やったー! 佐藤、ありがとう! 続きが気になって、ずっとモヤモヤしていたのよ! 城に戻って、ゆっくりと読ませてもらうわ!」


 ベルべットさんは渡した三冊の漫画を大事そうに抱えた。

 正直、私も続きを読みたいのだが、ここまで大事そうに扱われると言い出しづらい。


 買った新刊は一番最初に読みたい願望があるのは、私もよく分かっている。

 一番最初に読ませてあげたいため、今度来るときに持ってきてもらうとしよう。


「ベルベットさん、次に来るときにその三冊持ってきてもらえますか? 実は私も続きが気になっていまして……」

「もちろん! 何なら先に読ませてあげても……やっぱり駄目! 私が一番最初にゆっくり読む!」

「それで構いません。その時までに私も本を購入しようと考えていますので、交換して読みましょう」

「え。佐藤も新しい本を買うの!? 似たような感じの本!?」

「いえ、私はファンタジーものを買おうかと思っています」

「ファンタジーもの……」


 ベルベットさんは生唾を飲み込んでおり、その目は鬼気迫る雰囲気さえある。

 ちなみに候補としては、海賊ものか忍者もの。


 どちらの作品もこの世界の人達には受けがいいだろうし、単純に名作だから私も読み直したい。

 海賊ものの漫画に関してはまだ完結していなかったため、単純に続きが気になるというのもある。


「そ、その本って……お、同じように絵が描かれているものなのかしら?」

「ええ。基本的には絵が描かれている漫画というものを購入しようと思ってます。私は小説も好きなのですが、シーラさんとかも含めて、他の人にも読みやすいのは圧倒的に漫画ですからね」

「一つ質問があるんだけど、もしかしてその漫画っていう種類の本は作品が数十種類くらいあるの? そんなに数があるんだとしたら……嬉しいのやら悲しいのやら!」

「悲しい理由はよく分かりませんが……数十種類じゃ効かないと思いますよ。最低でも30万作品くらいはあるんじゃないんですかね?」

「さ、30万!? な、なによその馬鹿げた数! う、嘘じゃないのよね?」


 完全に予測になってしまうが、近年はweb漫画なども増えてきていたし、もっと多くてもおかしくない。

 少なく見積もって三十万はあるんじゃないかという予測のため、嘘はついていない……はず。


「漫画だけでそれくらいはあると思いますよ。小説も加えますと、もはや数えられませんね」

「……羨ましい。本当に羨ましいわ! この世界にいたら絶対に全て読めないでしょうし、何が何でも佐藤のいた世界に行ってみたくなってきた」

「ベルベットさん、よからぬことは考えないでくださいね。私もなるべく協力はしますので」


 目が完全に血走っており、今すぐにでも【勇者召喚の儀】を悪用して、私のいた世界に行ってしまいそうな雰囲気がある。

 そんな行動をさせないためにも、なるべく協力して漫画を仕入れられるように頑張るとしよう。


「佐藤さんのいた世界って本当に凄いのですね。ベルベット様がこんなに興奮する姿は初めてみました」

「確かに凄かったのかもしれませんね。これだけの数がありましたが、娯楽は漫画だけではありませんでしたし。平和な分、楽しむことに力が注がれていたような気がします」


 漫画を読んでいるだけでも、一生楽しめるくらいの作品数が存在する。

 なのにも関わらず、映画やドラマ、アニメにゲームと、インドアだけでもこれだけの娯楽があって、更にはYouTubeなんかの動画サイト。

 本当に娯楽で溢れていたのだと思う。


「きっとそれはあると思うわ。隣国や魔物の脅威。明日食べていくのも必死だから、娯楽に時間を使うことができないのがこの世界だから。……この世界にも漫画を増やすため、絶対に平和にしないといけないわ!」

「ぜひ頑張ってください。王女様の立場なら可能にできることだと思います」

「ええ。漫画のために少し頑張ってみるわ。……ただ、ここに息抜きで働きには来るから、その時はまた受け入れてね」

「はい。いつでもお待ちしています」


 不純な動機にも思えてしまうが、何やらやる気が出てきた様子。

 畑仕事一つ取っても、ベルベットさんは能力が高いことが分かるため、本気で国を良くしようと動いたら一気に変わる気がする。


 ただ、今のところの諸悪の根源は魔王のため、そこを何とかしないといけないという壁は高いが……。

 魔王は蓮さん達が力をつけて、やっつけてくれる――はず。

 私はこの世界の未来に希望を見出しながら、馬車に乗って王都へと帰っていくベルベットさんを見送ったのだった。



※作者からのお願い


一日二話投稿のモチベーションとなりますので、この小説を読んで少しでも「続きが気になる」「面白い」と少しでも感じましたら、ブクマと↓の☆☆☆☆☆から評価頂けましたら幸いです <(_ _)>ペコ


つまらないと思った方も、☆一つでいいので評価頂けると作者としては参考になりますので、是非ご協力お願いいたします!


お手数だと思いますが、ご協力頂けたら本当にありがたい限りです <(_ _)>ペコ

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