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38歳社畜おっさんの巻き込まれ異世界生活~【異世界農業】なる神スキルを授かったので田舎でスローライフを送ります~  作者: 岡本剛也
第4章

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第433話 模擬戦大会の準備


 従魔たちに魔力塊をプレゼントした日から、約1週間が経過した。

 この1週間は出かけていた分を取り戻すべく、ひたすら農作業に打ち込む日々を送った。


 そのお陰もあり、NPの貯まり方もすこぶる順調。

 畑を拡張した効果が如実に表れており、新しく育てている作物も収穫しやすい。


 このまま農作業に打ち込み、NPを貯められるだけ貯めていきたいところだけど……。

 そろそろイベントのことも考えていかないといけない時期に入っている。


 春の主なイベントは模擬戦大会だけとはいえ、1年で1番大変といっても過言ではないイベントだからね。

 年々出場者も増えているし、今年は年度が始まった段階からレティシアさんとサムさんが、あちこちで広告を打ってくれている。


 更に、去年出場してくれたフリードさんを筆頭に、名だたる猛者が敗北したこともあり、知名度が大きく上がっている。

 優勝予想クイズの賞品のお菓子も好評なようで、早くも多数の観客応募があるらしい。


 こうなってしまったら、今年は開催しませんなんてことはできないし、総力を上げて大会を開かなければいけない。

 ルールは定まっているものの、現行のルールでは規模が大きくなると時間が足らなくなる。


 そのため、実績や名のある方のみの参加を受け入れるか、どこかで予選会を開くかの2択。

 過去の大会を見ても、無名で強い方もいるし、予選を開いてあげたいところだけど……時間も場所もお金もないんだよね。


「佐藤さん、考え込んでどうしたんですか?」


 私がリビングで頭を抱えていると、心配そうに声をかけてくれたシーラさん。

 模擬戦大会まで時間もないし、ここは相談させてもらおうかな。


「実は模擬戦大会のことで悩んでいまして、予選を行うかどうか……シーラさんはどっちがいいと思いますか?」

「私としては、全員を受け入れて予選をやってほしいですね。優勝の賞品も含めて、いずれは国内で1番の大会になると思っていますので」

「国内で1番の大会……。流石に難しいんじゃないでしょうか? ギナワノスのコロッセウムとか凄かったですからね」

「いえ。あの大会を見たからこそ、私は確信に変わりました」


 シーラさんの目は自信に満ち溢れており、私も本当に国内で1番の大会にできるのでは、という気になってくる。

 そのためには、まだまだ足りないものだらけだとは思うけど。


「不思議とシーラさんに言われると、何でもできる気がしてきちゃいます」

「逆ですよ。佐藤さんがいるから、私は何でもできると思うのです」


 真正面から本当に嬉しい言葉をかけてくれるシーラさん。

 思わず泣きそうになったけど、ここで泣くのは意味がわからないため、グッと堪える。


「……ただ、今年は色々と難しいかもしれませんね。全員受け入れて欲しいのは私の願望であり、現実的に考えるのであれば、早い者勝ちがいいのではないでしょうか?」

「先着順ですか。確かにそれが1番丸く収まるかもしれませんね」


 招待選手は例年通りいるため、たとえ応募が少なくても大会としてはちゃんと形になる。

 なら、今年は早い者勝ちにして、去年同様に1日目を予選、2日目を本戦にするのが丸そうだ。


「はい。やる気のある方から順に参加できる仕組みですし、締め切りとなれば大会としての箔もつきます」

「人の心理も利用するって感じですか。いいですね。やはりシーラさんに相談して正解でした」

「そう言って頂けて良かったです。私もお手伝い致しますので、いつでも言ってください」

「ありがとうございます。遠慮なくお声がけさせて頂きます」


 シーラさんにお礼を伝えてから、さっそくレティシアさんとサムさんにお手紙を出すことにした。

 先着順にするにしても、告知は早いほうがいいからね。


 それと……ロッゾさんとシッドさんにも話を通しておきたい。

 イベントを行うにあたって、必要不可欠なのはこの2人だからね。


 ということで、手紙をしたためてから、私はロッゾさんの家へと向かった。

 今日は既に作業が終わっているようで、中から楽しそうな笑い声が聞こえる。

 ノックをしてから中に入ると、シッドさんを含む大工さんたちもおり、飲み会が開催されていた。


「おお!? 佐藤さんじゃねぇか! 急にどうしたんだ?」

「近々開催される模擬戦大会の設営準備のお願いをしに来たんです。楽しく飲んでいるところすみません」

「謝る必要なんてないぜ? 元々俺たちは協力する気だし、お願いすら不要だけどな」

「毎度ながら本当にありがとうございます」


 全面的に協力してくれるシッドさんたちには頭が上がらない。


「それで、今年はどんな感じで行うんだ?」

「基本的には去年と同じですね。ただ、去年よりも観客含めて人が増えるかもしれないので、仮設で寝泊まりできるところをいくつか建ててもらえたらありがたいです」

「そんな大それたものは造れねぇが、寝泊まりするだけの建物ぐらいなら造れるぜ」

「十分すぎます。シッドさん、よろしくお願いします」

「それで、俺は何をすればいいんだ? 去年と同じく試合会場作りか?」


 仕事がなく、少し寂しそうなロッゾさんがそう尋ねてきた。

 今回も例年通りに試合会場を作ってもらう予定だけど、ちょっとだけこだわってもらいたいと思っている。


「そうですが……今年はちょっとだけ工夫してもらうことってできますか? 去年までただの円上の会場でしたが、今年は少しギミックのある試合会場を作ってもらいたいんです」

「ギミックのある会場? 足場が泥の試合会場みたいな感じか?」

「あー、そんな感じですね。お願いできますか?」

「もちろん! そういったギミックを考えるのは得意だからな! 俺に任せてくれ!」


 去年までは試合場所は普通だったけど、今年はお試しとして少しだけ変化を加えたいと思っている。

 実戦では、整備されていない場所で戦うことの方が多いからね。

 聞かれない限り、ギミックについてはロッゾさんに全任せするため、どんな仕上がりになるのか、今から非常に楽しみだ。



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