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38歳社畜おっさんの巻き込まれ異世界生活~【異世界農業】なる神スキルを授かったので田舎でスローライフを送ります~  作者: 岡本剛也
第4章

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第418話 連続の来訪者


 帰りもヤトさんの背中だったということで、地獄のような空旅だった。

 本当はアシュロスさんの背中が良かったものの、アシュロスさんは龍人ということで、一人しか乗ることができない。


 ローゼさんに頑なに拒否されてしまったこともあり、帰りも私がヤトさんの背中だったというわけだ。

 一切邪魔のない空での移動ということで、移動速度ならピカイチなんだけどね。



 そんな巨人族の村への訪問から、約1週間が経過した。

 急に穴を開けてしまったことの償いのため、この1週間は仕事に専念。


 シーラさんたちは気にしなくていいと言ってくれたものの、私は率先して仕事に取り組んだ。

 ゴさんがいつ来訪してもいいように、準備も整えておかないといけないからね。


 そんな中……村に来訪してきたのは別の人物だった。

 クリスマスパーティー以来のミラグロスさんであり、珍しく手荷物を何も持ってきていない状態。


 いつもは結構な荷物を持ってきているため、緊急の用事でやってきたのだろうか?

 そんな思考を巡らせながら、とにかく話を聞いてみることにした。


「ミラグロスさん、こんにちは。珍しく手ぶらなようですが、緊急の用事でしょうか?」

「別にそんなことない。すぐに戻る予定だから、今回は何も持ってきていないだけ」

「そうなんですね。すぐに戻るということは、報告だけしに来た感じですか?」

「うん。実は佐藤さんに、私たちの街に来てもらおうと思って。街のみんなが感謝しているし、私の家族も会いたがってるからさ。……無理にとは言わないけど」


 唐突なお誘いに思わず固まってしまう。

 魔王の領土に行くことはさすがに想像していなかったし、行っても大丈夫なのかという思考が頭を駆け巡る。


 ……とはいえ、せっかくファンタジーの世界にやってきたのであれば、一度は行ってみたい場所。

 ミラグロスさんがいれば、心配は少ないだろうし、ここは行ってみようかな。


「ぜひ行ってみたいです。いつ頃お伺いすればいいでしょうか?」

「ん? 今すぐのつもりだったけど難しい?」

「い、今すぐですか? ちょっと確認しないといけないので、時間はかかってしまうかもしれません」

「そんなに身構えなくても大丈夫。ワープゲートを使えば、すぐに帰って来られるよ。街も見てもらいたいから、1泊してもらうつもりではあったけど、佐藤さんの希望によっては日帰りもできるし」

「そんなフランクな感じなんですか?」

「ん。魔力も貯めてあるから、行き来はすぐにできる」


 ヤトさんの空の旅を経験しただけに、ワープゲートでの移動は凄まじく魅力的に聞こえる。

 巨人族の村に行って、仕事に穴を開けてしまったばかりだし、すぐには行けないと思っていたけど……日帰りも可能なら、すぐに行っても大丈夫かもしれない。


「分かりました。ちょっとシーラさんにだけ確認してきますね」

「ん。ここで待ってる」


 私はすぐにシーラさんの下に向かい、ミラグロスさんの街に行ってもいいかを尋ねた。

 結果として即了承してもらえたものの、護衛としてシーラさんも連れていかないと駄目ということで、二人で向かうことに決まった。


「ミラグロスさん、お待たせしました。許可をいただけたのですが、シーラさんも一緒に連れて行っても大丈夫ですか?」

「うーん……魔力的に少し怪しいけど、2人なら多分大丈夫かな? ちょっと確認してみる」


 ミラグロスさんはそう言うと、ワープゲートを調べ始めた。

 何をしているのかはさっぱり分からなかったけど、大丈夫だと分かったみたいで、オッケーのハンドサインを見せた。


「大丈夫。準備ができたら教えて。私はここで待ってるから」

「あー、ここでは何なので別荘で待っていてください。卵がゆをお作りします」

「――! い、いいの?」

「もちろんです。すぐに作れますからね」

「やったー。佐藤さん、ありがとう」


 笑顔になったミラグロスさんを連れ、私は一度別荘へと戻ってきた。

 ミラグロスさんには卵がゆを食べていてもらい、その間に残っていた仕事を終わらせてから、急いで魔王の領土へ向かう準備を整える。


 シーラさんもすぐに準備をしてくれたようで、約一時間ほどで出発の準備を整えることができた。

 急な出発にしては早く準備できた方だけど、待たせてしまったミラグロスさんにはしっかりと謝らないといけない。


「ミラグロスさん、お待たせしてすみません。ようやく準備が整いました」

「ん。全然待っていないから気にしなくて大丈夫。それよりも、卵がゆを作ってくれてありがとう。美味しかった」

「それなら良かったです。それでは、もう出発しますか?」

「ん。佐藤さんとシーラは私についてきて」


 別荘を出て、ワープゲートへと向かう。

 移動しているところは何度も見てきたけど、実際に自分が入るとなると緊張してくる。


「私の後についてきてね。離れちゃ駄目だよ」

「ミラグロスさん、何か注意事項はありますか?」

「んー? ちゃんとついてくること以外は何もない。それじゃ行くよ」


 心の準備ができていないんだけど、ミラグロスさんはさっさと歩き出してしまった。

 注意事項はついていくことだけのため、心の準備がまだでもついていくしかない。

 歩きながら何度も大きく深呼吸をし、心の準備を無理やり整えた私は、ミラグロスさんの後を追うようにワープゲートの中に足を踏み入れたのだった。



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