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第38話 意外な強さ


 シーラさんがライムの勝利を告げたことで、ようやくライムが姿を見せた。

 表情はないのだが、ドヤッとしているのが体の膨らみくらいから分かる。


「ちょっとライムが強すぎる! ダークスライムになっただけでこんなに強くなるの?」

「ライムは特別センスがあるのだと思います。初めての戦闘でしたのに、闇への紛れ方に熟練した技を感じましたから」


 シーラさんから見ても、ライムの動きは凄かったのか。

 体が液体だからか、忍び寄る時に音一つ聞こえなかったしね。


 攻撃のタイミングも完璧で、ベルベットさんは一切反応できていなかった。

 意識外の攻撃は効いてしまうと聞いたことがあるし、踏ん張れずに転ばされていたのも納得。


「負けると思っていなかったから本当に悔しいわ! シーラ、仇を取ってよ」

「はい。端から見ることができましたので、恐らく対応できると思います。ライムももう一戦できますか?」


 そんなシーラさんの問いに、ぽよんぽよんと元気よく跳ねて返事をしたライム。

 シーラさんは対応できるといっていたが、ライムがまたあっさり勝ってしまいそうな気がする。


 私は期待しつつ、シーラさん対ライムを見守る。

 互いに向かい合い、ライムが闇に紛れるところまでは先程までと同じ。


 そこからシーラさんがどう動くのかを期待していたんだけど、まさかの目を瞑るという行動に取った。

 私には試合を放棄したように思えたのだが、どうやら視覚からの情報を遮断することで、他の五感を研ぎ澄ませる目的だった様子。


 ベルベットさんに行ったように、ライムは不意を突いて攻撃していたのだが、シーラさんは難なく避けてカウンターまで決める始末。

 結果として、さっきの圧勝劇が嘘のように、ライムはシーラさんに完敗してしまった。


「すっご! シーラの動き、達人みたいね! もう一度聞くけど、なんでその実力で雑用係をやっていたのよ!」

「何度でも言いますが、色々と事情があったのです。それにしても……ライムは想像以上でしたね。移動する音も一切聞こえなかったので、近づくまで何もできませんでした」

「本当にライムは凄かった! 私は正直、木剣のみのルールじゃ何度やっても勝てる気がしないかも。まぁ、この日暮れの時間帯じゃなければ勝つけど!」

「何でもありでも、ライムは強いと思いますけどね。攻撃手段は体当たりだけでしたし、なるべく怪我をしないように気を使ってくれていたんですよね?」


 シーラさんがライムに問いかけると、頷くように体を跳ねさせた。

 ということは、ライムは他の攻撃手段も持ち合わせているのか。


 確かに、ゴミを食べる時のように体の堆積を増やして包み込む――なんてこともできる訳だしな。

 スライムだからと甘く見ていたけど、想像以上の実力の持ち主のようだ。


「佐藤さん。とりあえず、これで今日のところはおしまいですかね?」

「全員と戦いましたし、これでおしまいにしま――」


 私がそこまで言いかけたところで、小屋からスレッドが出てきた。

 手にはいつものクワではなく、大きな木剣が握られており、言葉を話さずとも模擬戦をやりたいことが伝わってくる。


 私が無理やり畑仕事をやらせているが、魔物というのは本来戦うのが仕事みたいなところがあるからね。

 スレッドもうずうずしていたということなのだろう。


「おー、これが話に聞いていたアンデッド系の魔物。本当に夜になったら動き出すのね」

「スレッドも戦いたいのですか? 完全に日が暮れてしまう前に……一戦だけやりましょうか」


 スレッドは嬉しそうに頷いており、こうしてシーラさん対スレッドの模擬戦が始まった。

 スレッドも名乗り出ただけあって、力強く、大味な剣技を見せたのものの、結果としてはシーラさんの完勝。


 スレッドはその後、ベルベットさんとも戦ったが、激しい打ち合いの末にベルベットさんの勝利に終わった。

 私達周りの強さの序列は、シーラさん>>>ライム≧ベルベットさん>>スレッド≧マッシュ


 そして、決して越えられない壁があっての、最下位が私といった感じだろう。

 ここまでシーラさんが強いとなると……蓮さんや美香さんを交え、模擬戦大会なんかも見てみたい。


 もう少し従魔を増やし、出場者が揃ってきたら、豪華景品を用意して模擬戦大会を開催しようかな。

 私はそんなことを考えつつ、模擬戦を切り上げて別荘へと戻ったのだった。



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