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38歳社畜おっさんの巻き込まれ異世界生活~【異世界農業】なる神スキルを授かったので田舎でスローライフを送ります~  作者: 岡本剛也
第4章

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第398話 冬休み


 翌日は宿でゆっくり休み、翌々日には荷物をまとめて帰ることにした。

 支配人さんとは連絡が取れず、最後にお礼を伝えられなかったけど、マニエルさんにはきちんとお礼と手土産を渡すことができた。


 万能と分かっている日本のお菓子をプレゼントしたので、きっと喜んでくれるはず。

 そんなこんなで馬車に揺られ、思わぬ長期滞在となったギナワノスを後にした。



 別荘に戻ってから、約1週間が経過した。

 旅の疲れはあったものの、2日ほどで完全回復。


 ただ、外はすでに雪景色で何もできない状態。

 シーラさんたちは去年同様にダンジョン街へ向かい、私は夏に続いて今回も待機することに決めた。


 せっかくの異世界だし、毎年のダンジョン攻略に参加したかったものの、体力的についていけない。

 私は老いる一方で、みんなは年ごとに凄まじい成長を遂げている。


 初年度でさえついていくのが大変だったのに、昨年は本当にいっぱいいっぱいだった。

 ダンジョン攻略の楽しさも味わえなくなってしまったため、泣く泣くみんなの誘いを断り、別荘に居残る決断をしたのだ。


 この決断を受けて、シーラさんが密かに私の能力アップを試みているらしいけど、さすがにそれはどうかと思ってしまう。

 単純に鍛えるだけでは効果が薄いけど、私の場合はNPを消費して能力値を上げることもできるからね。

 ただ、NPの使い方としてはもっ非常にたいない。


 もちろん、この別荘が魔物の襲撃などで危機的状況になった時は惜しみなく能力上昇に注ぎ込み、私が戦って何とかするつもりではあるけど……そもそも、みんなが強すぎて私の出番はない。

 頼もしいみんなのことを考えながら、シッドさんにもらったリクライニングチェアに座ってぼんやりしていると、何やら大きな物体が畑の方へ降り立つのが見えた。


 雪でよく見えないが、十中八九ヤトさんだろう。

 私はリクライニングチェアから降り、外の様子を見に行こうとしたところ……玄関のドアが開き、雪を被ったヤトさんが入ってきた。


「うぅ、寒いのじゃ! ん? 佐藤、おったのか!?」

「ヤトさん、こんにちは。とりあえず中に入ってください」

「ありがとうなのじゃ!」


 ヤトさんを迎え入れた少し後、アシュロスさんもやってきた。

 同じように雪を被っていたが、どこか目に活気がない。


「アシュロスさん、大丈夫ですか? 疲れているように見えますが」

「はい、大丈夫です。お嬢様の無茶振りに付き合っていたので、少し疲れているだけです」

「それならいいのですが……とりあえず温かいものを作りますね」

「いつもありがとうございます」


 ふたりにはリビングで温まってもらい、その間に私は温かいスープを用意する。

 お湯を注ぐだけの簡単なコーンポタージュだけど、冷えた体には抜群に効く。


「お待たせしました。これで内側から温まってください」

「やったのじゃー! 佐藤がいて良かったのう!」

「本当ですね。少し休ませてもらうつもりで寄りましたが、スープまでいただけるのはありがたいです。……はぁー、美味しすぎます」

「本当に美味しいのじゃ! なんじゃこのスープは!」


 ふたりが笑顔でコーンポタージュを飲む姿に、私もつられて笑顔になる。

 そういえば、ヤトさんにコーンポタージュを振る舞うのは初めてかもしれない。


「気に入っていただけたなら良かったです。ところで、こんな雪の中で何をしていたんですか?」

「巨人族の村に行っておったのじゃ! 何やらリザードマンと揉めてるらしくてな! 助太刀に行ったのじゃ!」

「巨人族なんて種族もいるんですか? それに……リザードマン? どちらも亜人種なんでしょうか?」

「巨人族もリザードマンも亜人種です。巨人族は龍族と親交が深く、先月、巨人族の長がエデルギウス山に来た際に、リザードマンと揉めていることを聞いたのです」

「それで、わらわが自ら助けてやろうと動いたのじゃ!」


 話だけ聞けば良いことをしたように思えるが、アシュロスさんが嘘を言うはずもない。


「それで、巨人族を助けられたんですか?」

「それができていれば、私もこんな顔はしていません。ただ、巨人族の村に遊びに行っただけで、リザードマンとは会うことすらありませんでした」

「それは違うのじゃ! もう寒い時期じゃから、リザードマンも派手には動かんらしくてのう! わらわが出る幕もなかっただけじゃ!」


 うーん……どうにも怪しい。

 胸を張ってはいるが、視線は泳ぎ、唇もとんがっている。


「それでは、春にまた行くんですか?」

「そ、それは……どうかのう! わらわも暇じゃないのじゃ!」

「リザードマンは凶暴で強いことで有名ですからね。お嬢様は“寒い時期は活発じゃなくなる”ことを知っていて、寒くなってから巨人族の村に遊びに行ったんですよね?」

「――ち、違うのじゃ! 本当にリザードマンを鎮めようと思ったのじゃ!」


 ぎくりといった反応を見せるヤトさん。

 これはアシュロスさんの言う通りなのだろう。


 まあ、危険じゃない時季に遊びに行きたい気持ちはよく分かる。

 ヤトさんのドラゴンモードは強いらしいけど、本気を出せる時間に限りがあるというし、私はヤトさんを責める気にはなれない。



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