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38歳社畜おっさんの巻き込まれ異世界生活~【異世界農業】なる神スキルを授かったので田舎でスローライフを送ります~  作者: 岡本剛也
第4章

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第376話 ギナワノスの街


 馬車を降り、まずはみんなと合流する。

 基本的には自由行動を取るつもりだけど、最初に宿は確保しておきたいところだ。


 懸念点を挙げるとすれば、従魔も一緒に泊まれる宿があるかどうか。

 ベルベットさんの話では、ギナワノスは従魔に寛容な街らしいから存在はすると思うけど……少し不安ではある。


「皆さん、無事に到着できましたね」

「腰がバキバキですけどね! 今日はお布団でゆっくりしたいと思っていたんですけど……ギナワノスの街並みを見たら、移動の疲れが吹き飛びました!」

「ジョエルは本当に大げさだね。移動の疲れなんて大したことないだろう」

「だな。ダンジョンに潜ってるときの方が何倍も疲れる」

「ダンジョンの疲れと移動の疲れはまったく別物ですよ! ずっと座っていないといけないという、精神的な疲れがあるんです!」


 ジョエル君の必死の訴えも、ブリタニーさんやルーアさんにはまったく響いていない様子。

 私も気持ちは分かるけど、ここで加勢したところで意味はなさそうなので、話を本題に戻すことにした。


「移動疲れの件は置いておいて、まずは宿探しをしましょう。従魔も泊まれる宿を探したいので、手分けして見て回ってもらっていいでしょうか?」

「あっ、従魔可の宿なら心当たりがあるわよ」


 こちらが探そうとした矢先、ベルベットさんから神の一声。

 もしかすると、事前に調べてきてくれたのかもしれない。


「本当ですか? それならベルベットさんの知っている宿に行きましょうか」

「ええ、案内するわ。知り合いが経営しているから、きっと値引きもしてもらえるはず」

「さすが王女様。人脈が広いですね」


 ベルベットさんに感謝しつつ、ギナワノスの街並みを楽しみながら歩いていると――彼女がとある建物の前で立ち止まった。

 目の前の宿は、明らかに豪華絢爛。超高級宿であることは、一目見ただけで分かる。


「ベルベットさん、まさかこの宿ですか?」

「ええ。従魔も泊まれるし、私の知り合いが経営しているの」

「なるほど……考えてみれば、王女様の知り合いなんだから、これくらいの宿を経営していてもおかしくないか」

「それにしても豪華すぎます。こんな宿に大会が終わるまで泊まったら、お金がなくなっちゃいますよ」

「心配しなくても大丈夫。そこは私に任せておいて」


 そう言って自信満々に笑うと、私の制止を聞かずに宿の中へ入っていった。

 今回の宿泊費は私が全員分を支払う予定だっただけに、不安しかない。


「いらっしゃいませ。『オッドゴールホテル』へようこそ」


 フロントには、綺麗な女性が四人。息をぴったり合わせて一礼しながら挨拶してきた。

 『サトゥーイン』も接客には力を入れているけど、それに匹敵するレベルの対応力だ。


「マニエル支配人はいらっしゃるかしら? いるのなら呼んできてほしいの」

「支配人ですね? えーと、アポイントメントは取っていらっしゃいますか?」

「取ってはいないけれど、『ベルベットという者が来た』と伝えれば分かると思うわ」

「ベルベット……様、ですか。大変失礼いたしました。すぐにお呼びしてまいります!」

「いえいえ、急に来た私が悪いもの。ゆっくりで構わないわ」


 ベルベットさんの名前を聞いた瞬間、ピンと来たのか、フロント嬢の一人が慌てて奥へ消えていった。

 残った三人も、慌ててもてなしの準備を始めようとしたが、ベルベットさんがやんわりと制止する。


「すごいですね! 僕、今まであまり実感なかったんですけど……今、初めてベルベットさんが本当に王女様なんだって実感しました!」

「失礼すぎるでしょ。まあ、確かに佐藤のところではまったく王女様扱いされてないけど」

「えっ? 私は王女様として扱っているつもりですが……」

「いやいや、シーラもけっこう雑よ。あなたの“王女様扱い”なんて、せいぜい“様付け”くらいでしょ」


 そう指摘され、シーラさんが驚愕の表情を浮かべる。

 私もベルベットさんと同じ認識だったけど、どうやら本人の中ではちゃんと“王女様扱い”していたらしい。


「盛り上がっているところすみません。ベルベット様、お久しぶりです」

「マニエル、久しぶり。手紙で伝えていた通り、しばらく泊めてもらうけど大丈夫?」

「もちろんです。ベルベット様の頼みなら、喜んでお受けいたしますよ。それにしても……本当にお友達をお作りになったのですね」


 私たちを見渡して、穏やかに微笑む宿の支配人――マニエル。

 年齢は六十ほどだが、紳士的な物腰もあって、年齢を感じさせない。


「どういう意味かしら? 私には友人がたくさんいるんだけど?」

「ふふふ、そうでしたね。失礼いたしました。それでは、お部屋へご案内いたします」

「ええ、よろしくお願いするわ」


 なんというか、微笑ましいやり取りだ。

 長い付き合いなのが分かるし、最近は会っていなかったようだけど、互いの信頼が伝わってくる。

 詳しい話は後で聞くとして、今はマニエルさんに部屋を案内してもらおう。



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