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38歳社畜おっさんの巻き込まれ異世界生活~【異世界農業】なる神スキルを授かったので田舎でスローライフを送ります~  作者: 岡本剛也
第4章

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第357話 審査員


 農作業を行っている間に、参加者が続々と集まってきた。

 久しぶりの方もたくさんいるため、ゆっくりと挨拶をしたいところだけど……今は農作業を終わらせてイベントの準備をするのが最優先。


 ということで、急いで農作業を終わらせた私は、イベントホールで待機してくれているノーマンさんたちと合流することにした。

 既にノーマンさん、ヤコブさん、ジョーさんの3人がおり、何やら話し合いが行われている。


「おっ、佐藤さん。農作業は終わったのか?」

「はい。今終わりまして、急いでやってきました」

「それなら良かったっす! ノーマンさんと話していたんすけど、審査員が今年は4人なので、どうするか悩んでいたっす!」

「俺は審査員から降りると言ったんですけどね。大師匠に引き止められてしまいまして」

「ジョーは絶対味覚の持ち主だからな。料理の腕も確かだし、審査員をやるなら外せない」

「なら、俺が外れた方がいいっすか? そういうことであれば、サポート役を務めさせて頂くっす!」

「うーん……単純に審査員を1人増やせばいいんじゃないでしょうか?」


 1人100点満点での採点だし、4人でもいい気がしてしまうけど、同点だった場合は点数を上につけた人が多かった方が順位は上になるからね。

 奇数のほうがいいことは間違いないし、奇数にしたいのであれば審査員を増やすのが得策だと思う。


「それも考えたんだが、審査員をやってくれそうな人に心当たりがなくてな」

「それじゃあ私が頼んできますよ。プロが3人もいますし、完全な素人の意見でも大丈夫そうですしね」

「佐藤さん、ありがとうっす! やっぱり頼りになるっすね!」

「そりゃ俺の師匠だからな! それじゃ、食材や調理器具の準備はしておくので、師匠は審査員探しをよろしくお願いしやす!」


 やって来たばかりだけど、私はイベントホールを後にして審査員探しをすることにした。

 本当に誰でもいいんだけど、出場者ではなく、当日のお願いでも引き受けてくれそうな方かぁ。


 料理好きという観点でいうと、ヴェレスさんが思いついたけど、全員に100点をつけかねないし却下。

 他の候補者としては……子供にやってもらうのもありかもしれない。


 アス君も来ると言っていたし、アス君に頼んでもいいんだけど、審査できるほどの量を食べられるのかが不安。

 そうなってくると、今年は参加予定のないジョエル君が妥当なのかな。


 誰が審査員に適切かを考えていると、前から歩いてきたのはレティシアさんだった。

 ……あっ、レティシアさんはいいかもしれない。


 若い女性であり、薄味が好み。

 今のところ審査員には男しかいないから、レティシアさんは非常に適任。


「あっ、レティシアさん。1つお願いがあるんですがいいですか?」

「なんの用やろか? うちにできることやったら、なんでも聞きますえ」

「実は、今日の料理大会の審査員をやってほしいんです。今のところ審査員に男性しかおらず、女性の意見も聞かせてもらいたいなと思いまして」

「かまへんけど……素人に審査員まかせてしもてええんですか?」


 ちょっと困惑した様子で聞き返してきた。

 いきなり審査員をやってほしいと言われたら、さすがのレティシアさんも困惑するよね。


「もちろん大丈夫です。私も素人ですが審査員をやりますし、プロが3人いますので、逆に素人のほうがいいんですよ」

「そないなことやったら……分かりましたわ。やらせてもろいます」

「ありがとうございます! もしかしたら、あまり美味しくないものが出てくると思いますが、そこは目をつぶって頂けたら幸いです」

「料理大会のコンセプトは承知してますえ。ほな、大会が始まる前に佐藤さんとこ寄らせてもろいますな」

「はい。よろしくお願いします」


 レティシアさんはそう言うと、笑顔で去っていった。

 誰にするか色々と悩んでいたけど、快諾してくれて本当に良かった。


 早々に決まってしまったし、ノーマンさんに報告へ戻ろう。

 このスピード感で見つけてきたと知ったら、きっと驚くはず。


「あれ、佐藤さん。どうしたんだ?」

「何か忘れ物っすか?」

「いえ、審査員を見つけてきたので、手伝いに戻ってきたんです」

「えっ、早すぎないすか? 流石は師匠だ!」

「ここを出てからまだ5分くらいだぞ? 村長なだけあって、やっぱり伝手も人望もあるんだな」

「そんな大層なものじゃありませんよ。ただ、引き受けてくれたのは女性でして、私たちとは違った目線で審査をしてくれると思います」


 思っていた以上に褒めてくれて、ついニヤニヤとしてしまう。


「確かに女性の意見は必要かもしれないっす! 甘い系は辛口になりがちっすからね!」

「人選も絶妙だな。流石だ」

「本当ですね。俺なんかはどれだけ料理が分かっているかを最重要視してたっすから。師匠はすげー」

「私を褒めるターンはいりませんから。準備をしましょう」


 ニヤニヤしたことに気づかれたのか、無駄に褒めてくる3人を制止しつつ、料理大会の準備を行うことにした。

 こういうやり取りも楽しいんだけど、やっぱり恥ずかしい。



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