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第333話 お酒のお祭り


 宿をオープンしてから2週間が経過した。

 激動の2週間だったけど、みんなのお陰でなんとか乗り越えることができた。


 とはいっても、宿の利用者の評判が良かったからか、予約が殺到している。

 今のところ更に2週間先まで予約が埋まっており、まだまだ大変な日々は続きそうだけど、この2週間で大分慣れたと思うし、山場は超えた気がしている。


 私は宿の方にも顔を出しながら、農作業を行う日々を送っていたため、1日ほど休みをもらいたいところだけど……。

 そろそろイベントに向けても動かないといけない。


 まずはお酒のお祭りである、オクトーバーフェストから企画したいと思っている。

 来月頭に開催予定のため、残り期間は2週間とちょっと。


 色々と立て込んでいたこともあり、まだサムさんにも相談できていないため、もし承諾を得られなかったら、まずは小さい規模で行うつもりでいる。

 そして、来年は規模を大きくして、色々な人を巻き込んで行うことも視野に入れているけど、なんとなくサムさんは了承してくれそうなんだよね。


 とりあえず、私はサムさんに話をするべく、アポを取ってから王都へと向かうことにした。

 お昼までは農作業を行ってから、馬車に揺られること約20分。


 あっという間に王都に到着。

 王都にやってきたついでに、『サトゥーイン』についての評判も聞きたいところ。


 ちなみに宿の名前は、ヘレナの案で決まったもの。

 〇〇インというのがビジホの定番としてあることを私が教え、最初は佐藤インになりかけていた。


 そのままの名前は流石に嫌ということを伝えたところ、ヘレナが佐藤を少し崩したサトゥーを提案し、私が反対意見を言う間もなく決まってしまった感じ。

 個人的には恥ずかしいため、自分の中では“宿”で統一したいところだけど、お客さんは当たり前に『サトゥーイン』の名前を使っているため、私も段々と慣れてきてはいる。


 そんなことを考えていると、あっという間にいつものカフェに到着。

 相変わらずお洒落すぎるカフェではあるけど、もう3度目となると慣れてしまった。


 私が店員さんに待ち合わせてしていることを伝え、席まで案内してもらう。

 今回も集合時間より早く到着したけど、いつものようにサムさんは席で仕事をしていた。


「サムさん、お久しぶりです。相変わらず早いですね」

「ああ、佐藤さん。今回も声を掛けてくれてありがとう。座ってくれ」


 促されてから、私は正面の席に着く。

 それから店員さんに注文を行ってから、早速今回のイベントの件についてを相談することにした。


「それで、今回は何のイベントのお願いをしに来たんだい?」

「お酒のイベントをしたいと思っていまして、世界各国の有名なお酒を集めたいと思っているんです。試飲会のようなものを開きたくて、サムさんにはお酒集めとイベント運営を手伝ってもらえたらなと」

「なるほど。大きなお酒のイベントをやりたいんだね。近しいイベントに携わったことがあるから、お酒集めも運営も任せてくれて構わない。それで日にちはいつを予定しているんだい?」

「ありがとうございます。日にちは来月の頭を予定しているんですが、期間的に大丈夫そうですか?」

「思っていたよりも近々ではあるけど、まぁ大丈夫だよ。お酒の数はもしかしたら少なくなるかもしれないけどね」


 おぉー! 二つ返事で了承してくれた。

 お酒の数は少なくなるとのことだけど、地球のお酒も用意する予定だから問題ない。


「全然大丈夫です。お酒については、こちらでもある程度は用意するつもりですので」

「なら、問題なさそうだね。この間と同じように、運営させてもらうよ」

「ありがとうございます。細かい指示などがあれば、いつでも言ってください。こちらで準備できるものはしますので」

「分かった。また近日中に向かわせてもらう」


 お仕事の依頼はあっさりと引き受けてくれたため、すぐに話し合いが終わった。

 色々と忙しそうなのに、二つ返事で引き受けてくれたサムさんには感謝しかない。


 さて、仕事の依頼が早めに済んだことだし、『サトゥーイン』についての評判を聞いてから帰ろうかな。

 ということで、一番話を聞くことができそうな大衆酒場にやってきた。


 まだお昼過ぎだけど賑わっており、私はウキウキで1時間ほど滞在したけど……『サトゥーイン』らしき話は一切なし。

 まぁ居酒屋で宿の話はしないだろうし、知名度的にも一部では話題になっている程度なのかもしれない。


 着実に予約の数は増えているし、話題になっていることは間違いないんだけどね。

 自分から話しかければ、もしかしたら詳しい人が見つかるかもしれないけど、大衆酒場にいる人は基本的に団体客。


 1人で話しかける勇気はないため、残念だけど情報収集は諦めよう。

 冒険者ギルドにも寄ろうかと思ったけど、大衆酒場以上に治安が悪そうだし、今回は大人しく帰ることにした。

 次に王都へ来るときは、事前にベルベットさんに相談して、話が聞くことができそうなところをリサーチしようと思う。



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