第323話 夏の終わり
ロッゾさんたちとお食事会を行い、その後はエレックとトリックと戯れた。
翌日以降は、仕事が片付いたロッゾさんたちとお酒を飲んだり長風呂したりと、ひとときのダラダラ生活を満喫。
ヨアンさん、インゴさん、ヤンさんも、ここの全てが気に入ったと言ってから帰ってくれたし、あの様子ならまた遊びに来てくれるはずだ。
ロッゾさん曰く、3人とも一流の職人らしいし、あわよくばここに越してきてくれたら嬉しい。
そして、そんなダラダラ生活をしているうちに、夏の休暇最終日を迎えた。
今年はイベントの規模が大きくなったこともあり、負担が大きかったため、夏休みを長めに取ることにした。
そのおかげで旅行にも行けたし、ダラダラ生活も送ることができたのは良かったな。
そして、長い間留守にしていたダンジョン攻略組も、休暇の最終日にようやく帰ってきてくれた。
誰か怪我しているんじゃないかと心配していたけど、見た限りでは誰一人として怪我もなく元気そうで一安心。
色々と話を聞きたいところだけど、お疲れのようだし、また別日にすることにした。
「佐藤さん、お久しぶりです。もう戻ってきていたんですね」
「はい。すぐに帰ってきていたので、だらだらと過ごしていました。ダンジョンの方はどうでしたか?」
「期間も短かったこともあって、新しい階層に到達できたとか、珍しいアイテムを手に入れることができたとかはありませんでしたが、アイテムの数自体は入手できたと思います」
そう言って、集めたアイテムが入っているであろう大きな麻袋を3袋見せてくれた。
大人数で向かったとはいえ、短期間でこれだけの数を集められるのは凄い。
未踏のダンジョンは、ダンジョン街のダンジョンよりも珍しいアイテムが手に入るとジョエル君が言っていたし、これだけでも相当なお金になるはず。
十分なお給料を渡しているつもりだけど、みんなにとって臨時収入は嬉しいだろう。
「凄い数のアイテムですね。売りに行くんですか?」
「いえ、レティシアさんが王都に行ったときに売ってくれるそうなので、売却についてはお願いしました。売上で出たお金は佐藤さんにお渡ししますね」
「いやいや。私はダンジョン攻略に参加していませんので、みんなで山分けしてください」
「いいのですか?」
「もちろんです。冬のダンジョン攻略もそうですが、休暇のときに稼いだものは自分たちのものにしていただいて大丈夫ですから」
「……佐藤さんは本当に凄いですね」
そんな私の発言に、シーラさんは感銘を受けたような表情をしている。
至極当然のことなのに、そんな表情をされると非常に照れくさい。
「今回のダンジョン攻略で得たお金は任せるとして……シーラさんは他のみなさんと同様に休まなくていいんですか? 最初は種や苗植えだけなので楽とはいえ、明日から始まりますから休んだ方がいいと思いますよ」
「早めに休むつもりですが、まだ佐藤さんと話していたいです。久しぶりなんですから、いいですよね?」
シーラさんに可愛らしくそう言われて、断れる男性はいないと思う。
私はドギマギしているのを悟られないように、頷くしかできなかった。
「良かったです! まずは明日からのことについて話しますか? 秋も色々とイベントを考えているんですよね?」
「もちろんです。仮装パーティーと料理大会は必ずやる予定で、あともう1つくらい大きなイベントをやりたいと思っているんですよね」
「いいですね。異世界で秋にやるイベントって他にあるんですか?」
日本で考えるとあまりないんだよなぁ。
お月見や紅葉狩りはイベントとして行う感じではないし、運動会なんかも春に模擬戦をやっているからちょっと違う。
季節に絞らずに行うのもありだけど、絞るとしたら……お酒のお祭りだろうか?
ドイツでは大きなお酒のイベントが行われると聞いたことがあるし、ジョルジュさんのお酒を広めるという意味も込めて、大きなお酒のイベントを開催するのはアリだ。
「実行できそうなのはお酒のイベントくらいでしょうか? 全国からお酒を集めて、飲み比べるお祭りを開催するのはいいかもしれません」
「これまで来てくれた方々とは違った層の人たちが来てくれそうですし、私も良いと思います。ただ、治安の低下だけは気になりますね」
「その辺りには十分に注意しつつ、開催できるかをサムさんに相談してみようと思います」
ここで行うイベントはこの3種類くらいだけど、ギナワナスの街の闘技場では秋に闘技大会が開催されるようだし、前々から言っていた通り、この闘技大会には参加したいと思っている。
さらに宿ももうすぐオープンできそうだし、秋もイベントが盛りだくさん。
私はシーラさんと先々の話をしながら、楽しみな気持ちを大きくしていったのだった。
ここまでお読み頂き、本当にありがとうございました!
第323話 夏の終わり にて第6章が終わりました。
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