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38歳社畜おっさんの巻き込まれ異世界生活~【異世界農業】なる神スキルを授かったので田舎でスローライフを送ります~  作者: 岡本剛也
第4章

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第278話 これからのこと


 模擬戦大会が大成功に終わり、3日が経過した。

 ここに残っていた人たちも全員帰ってしまい、いつもの日常が戻ってきた気がする。


 正直、これまでとは規模が2段階ほど大きくなっていたため、自分が企画したイベントとは思えなかったというのが素直な感想。

 実際にサムさん達が90%ほどを準備、運営してくれていたため、自分のイベントでなかったのは間違いないんだけどね。


 大いに盛り上がったし、次の大きなイベントは全てサムさんに任せる気満々なんだけど、1つ寂しい点を挙げるとするなら、参加者との交流が浅くなってしまうところ。

 単純に人が増えたんだから当たり前と言えば当たり前なんだけど、試合についてをしっかりと語り合えないのは寂しい。


 小規模は小規模で良い点があったのだと思いつつも、イベントじゃないと会えない人とは語り合えはしたからね。

 ここによく遊びに来る人からは後日話として聞くこともできるし、やはり盛り上がってくれた方が嬉しいのは間違いない。


「佐藤さん、大丈夫でしょうか? ぼーっとしていましたし、少しお疲れではありませんか?」


 私がテーブルに座り、改めて模擬戦大会を振り返っていたところ、シーラさんが心配そうに話しかけてきた。

 心配してくれたところ申し訳ないが、私は全くもって疲れていない。


「いえ、全く疲れていないので大丈夫ですよ。ちょっと模擬戦大会のことを振り返ってまして、ぼーっとしていたんです」

「そうだったんですか。……模擬戦大会は悔しかったです」

「マージスさんに惜敗でしたね。ドニーさんに勝ったので、優勝してしまうのではないかと思っていましたが……結果的に初戦でドニーさんと当たったのが痛かったですね」

「いえ、単純にマージスさんが強かったです。合間を縫って、しっかりと鍛錬を積んできたんですが、まだまだ甘かったですね」


 シーラさんはそう言っているけど、初戦でドニーさんと死闘を繰り広げたのは間違いなく厳しかった。

 ドニーさん戦が100%だったとしたら、マージスさん戦では80%くらいの感じだったからね。


 私はライム、美香さん、シーラさんを優勝予想していたけど、ヤトさんに聞かれた時に蓮さんと答えたのは対戦相手を鑑みたから。

 それほどまでに誰と当たるかは重要だと思っていて、実際にシーラさんとアシュロスさんはかなりキツそうだった。


「来年もきっと開催すると思いますので、頑張ってください。シーラさんなら、きっと優勝できると思います」

「ありがとうございます。佐藤さんにそう言ってもらえると力が湧いてきます! ……じゃなくて、話を脱線させてすみません。模擬戦大会自体は大盛り上がりで良かったですね。優勝したのもライムだったというのも、かなり話題になったみたいですからね」


 そうなのだ。

 剣聖や勇者だけでなく、名だたる実力者が集った武闘大会で優勝したのがスライムということで、各地でかなり話題になっているとベルベットさんが教えてくれた。


 ライム目当てで訪ねてくる人もいるかもしれないとのことで、その数に応じては馬車の定期便を出さないかという打診までくれた。

 元々、ここに期待という人が増えていたらしく、そこに相俟っての今回のライムの優勝。

 もしかしたら、ビジネスチャンスなのかもしれないと沸き立っている。


「私もベルベットさんから聞きました。宿を建てておらず後悔しましたが、ライム目当てでお客さんが来てくれるなら、すぐに宿を作りたいですね」

「私も宿は作るべきだと思います。来客は多いですし、本当は佐藤さんが最初に仰っていた異世界宿を営みたいですが、まずは普通の宿から始めるのが得策だと思います」


 私もシーラさんと同じく、異世界宿を目標にしていたから宿の建設に乗り出せなかった。

 地球の食事に地球の娯楽を楽しんでもらう異世界宿はまだ難しいけど、普通の宿なら経営できるはず。


「やはりそうですよね。すぐにシッドさんと相談して、宿の建設を行ってもらいたいと思います」

「模擬戦大会が終わったばかりですが、夏まで一切ゆっくりできなさそうですね……。畑も拡張するでしたよね?」

「はい。ローゼさんとイザベラさんから、ダークエルフを数十人移住させてくれないかというお願いをされたので、畑を拡張しようと思っていますね」


 考えているのは、裏山を一部果樹園にすること。

 それから、小川の近くに水田を作ろうと思っている。


 果樹園はダークエルフさんたちに働いてもらう場所。

 水田については、よく分からないけどお米の価格が上がったため、NPで買いづらくなってしまっている。


 この価格なら自分たちで作った方がいいと考え、急遽水田を作ることにしたのだ。

 お米は色々と大変そうだけど、必需品でもあるし、いつかは作ることになっていたからね。

 遅かれ早かれだし、良いタイミングだと思っている。


「新しい仲間が増えるのは嬉しいですが、これは大変になりそうですね」

「少なからず、夏までは忙しくなると思います」

「私も全力でサポートしますので、頑張りましょう」

「本当に心強いです。シーラさん、よろしくお願いします」


 ペコリと頭を下げてから、2人で気合いを入れ合う。

 忙しいことには忙しいけど、決して苦ではない忙しさ。

 着実に活気づいているのも分かるし、ここが大事な時期と思って全力で頑張るとしよう。



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