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38歳社畜おっさんの巻き込まれ異世界生活~【異世界農業】なる神スキルを授かったので田舎でスローライフを送ります~  作者: 岡本剛也
第4章

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第270話 優勝予想


 1回戦が全て終了し、ここまで勝ち残ったのは計24名。

 敬称略で挙げていくと、ライム、マッシュ、スレッド、ヘレナ、シーラ、ブリタニー、ジョエル、イザベラ、ローゼ、アシュロス、ドレイク、マージス、ミラグロス、ゼパウル、蓮、美香、唯の17名。

 それから、予選突破者のシャノン、フリース、レオノール、カルメン、ロドリゴ、パウルに、去年も参加してくれて勝ち進んだシルヴァ。


 この24名での2回戦が行われる。

 主なメンバーでいうと、ベルベットさんや将司さん、ルーアさんやモージが1回戦で敗退しており、ヤトさんもレオノールという女性冒険者の方にあっさりと破れてしまった。


 シーラさんとドニーさんが1回戦からぶつかったことで、ドニーさんも1回戦から姿を消したし、やはり模擬戦大会のレベルは年々上がっている。

 今回は予選突破者もみんな強いし、本当に誰が優勝するのか想像もつかない。


「誰が優勝するのか楽しみじゃな! 佐藤は誰が優勝すると思うんじゃ?」

「あっ、ヤトさん1回戦お疲れさまでした。惜しかったですね」

「わらわのことはもういいのじゃ! で、佐藤は誰が優勝すると思うんじゃ!?」


 もう既に敗退しているからか、私の横に座ってお気楽な感じで尋ねてきたヤトさん。

 誰が優勝する――か。


 一応、朝に行われた優勝予想では、シーラさん、美香さん、ライムの3名を予想した。

 ただ、1回戦の試合を見た限りでは、シーラさんがかなり苦しい状況になってしまっている。


「現状では原点回帰で蓮さんですかね?」

「ほほー! まぁ蓮が1番楽な対戦相手じゃからな! 佐藤の予想も分かるのじゃ!」

「ヤトさんは誰が優勝すると思いますか?」

「わらわは長年のよしみでアシュロス!……と言ってあげたいところじゃが、無難にマージスかのう」

「えっ! マージスさん予想なんですか? ……もしかしてマージスさんって強いんでしょうか?」


 意外すぎる優勝予想にかなり驚いた。

 確かに1回戦は3-0の圧勝だったけど、相手は予選2位通過者。

 あまり強さが分からなかっただけに、マージスさんは頭になかったな。


「マージスは強いのじゃ! 攻撃のドレイク、守備のマージスって感じで、龍人族の中では頭抜けた実力者なんじゃ!」

「へー、そうだったんですか。アシュロスさんやドレイクさん以上に強いのであれば、確かに優勝候補筆頭ですね」

「単純な強さでは分からんが、このルールならマージスが一番強いと思うのじゃ! 他の連中も曲者揃いじゃから分からんが!」


 ヤトさんと優勝候補について話し合っていると、どうやら2回戦の第1試合が始まるみたい。

 対戦カードは、ジョエル君対ヤトさんが優勝候補に挙げたマージスさん。


 マージスさんはドニーさん以上に背が大きいだけでなく、横幅も非常に大きい方。

 ただ、太っているという感じではなく、お相撲さんのように鍛え上げられた肉体が基盤になっているような感じ。


 横並びになると、先程のシーラさんとドニーさん以上に体の大きさの差が激しい。

 個人的にはジョエル君を応援したいけど、これはちょっと勝ち上がるのは難しいかもしれない。


「それでは2回戦第1試合を始める! 両者位置につけ!」

「マージスさん、よろしくお願します!」

「んむ。ジョエル君、よろしくお願いするんだな」


 握手を交わしてから、お互いに定位置につく。

 マージスさんは大盾と片手剣、ジョエル君は片手剣から短剣に武器を変えている。


「それでは――始め!」


 レフェリーの合図と共に飛び出したのはジョエル君。

 さっきは待ち構えていたけど、ローテンポな試合では勝ち目がないと考えてか、いきなり動いてきた。


 小刻みなステップを踏みながら、一気に間合いへと入り込む。

 懐にさえ入ってしまえば、ジョエル君のペース。


 ……と思ったんだけど、大盾を構えながら背後を取らせないように立ち回っており、大盾を前に何もさせてもらえていない。

 そして、ジョエル君の動きに一瞬でも迷いが生まれた瞬間、盾を押し出してのシールドバッシュを放った。


 傍目で見る限りでは、軽く突き出したようにしたか見えないんだけど、シーラさんの全力の一撃を受けたドニーさんよりも激しく吹っ飛ばされてしまった。

 追撃前に態勢を立て直したものの、そもそもマージスさんは追撃を仕掛ける気がゼロ。


 大盾を構えたまま、ジリジリと距離を潰しており、打つ手のないジョエル君は真綿で首を絞められている感じ。

 その状況を何とか打開しようと、諦めずに何度も背後を取りに行ったが、バスケのピボットのような足捌きで背後にも懐にも潜らせず、シールドバッシュで一方的にダメージを蓄積。


 ほぼ動いていないことから、体力も有り余っている中、ジョエル君の動きが鈍ったところを、自分が一方的に位置から攻撃を開始。

 そして、そのまま3本の有効打を与えて、マージスさんの完勝で試合が終わった。


「そこまで! 3-0でマージスの勝利!」

「はぁー、はぁー……強すぎますって! 近づけないんですもん!」

「んむ。ジョエル君も強かったんだな」

「絶対に思っていませんよね!? くっそぉ! 次は絶対にやり返します!」

「楽しみに待っているんだな」

 

 1回戦で完勝したジョエル君が完敗か。

 とにかく安定感が半端ではなく、10回戦ってもマージスさんが勝つと分かる試合内容。

 今回の一戦で、ヤトさんが優勝候補に挙げた理由がよく分かったな。



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